森達也監督のドキュメンタリー映画。オウム真理教内部に潜入取材した『A』の続編。

地下鉄サリン事件から5年後。オウムは休眠宣言・改名を経て、残された信者たちは関東各地に散らばって生活しようとするが、住民たちの大反対に遭いまくり。

ところが!場所によっては、はじめは監視目的だったテントが、だんだん地域の交流の場のようになっていき、そこにオウムの信者も参加して和気あいあい…なんじゃこりゃ!?このような姿はもちろん、マスコミでは一切報道されない。ここの信者の人たちはどちらかというと友好的?で、家の中も修業のようすも食べてるものも住民に公開しているようで、ああいう事件の反省とともに、周囲と共存していこうとする継続的な努力が成功している…ように見えた、けれども…。

ハッキリいって、私だって毒ガス作ってた人たちが隣に越してきたら絶対にイヤなんだけど、「オウムは出て行け!」のシュプレヒコールする人たちもちょっと怖いのですよね。何が根本的な解決なのか全然わからんけども、一時期、一カ所だけでも、地域住民と「共存」のようなものがあったことは覚えておきたい。

かといって森監督は、オウムの味方してるわけでは全然なく、右翼の街宣車にも同行するわ、住民のオウム反対集会にも行くわ、それぞれの決して交わらない思いをひたすら記録していく。欲を捨てよという教えのはずなのに、麻原のものと思われるベンツもしっかり映ってる(笑)。隠しきれないはりぼて感…。

しかし、もしも自分が何かを間違えて、カルトに入ってしまったとする。そしたら社会復帰ってできるんだろうか。できないとなれば、ますますカルトにしがみつくしかないような気がする。たとえ最悪の事態になっても。

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