今週は映画の感想ウィークです。

よろしければお付き合いくださいm(_ _)m


森達也監督のドキュメンタリー映画。地下鉄サリン事件から半年後のオウム真理教。広報担当の荒木氏を中心に、信者たちへのインタビューや密着取材で構成されている。

地下鉄サリン事件って、世間的には「カルト宗教が暴走して凶行に走った」と簡単に理解して済まされてると思うんだけど、個人的には、結局本当には何だったのか未だによくわからない事件のひとつ。だから関連番組があるとつい見てしまう。

中には、何いってるのかよくわかんない人もいるんだけど、この広報担当の荒木氏に限っては…ぜんぜん頭おかしくない、すんごいフツーの人。しかも理知的だし、この人ならちゃんと話ができるんじゃないか、という希望すら持てる。そこへ、取材に来るテレビ業界の人たちがめちゃくちゃエラソーなので、荒木氏のほうがマトモに見えてくるのがめっちゃ不思議…。

ところであの事件で世間を驚かせたのは、信者の若者たちが東大・京大・早稲田・慶応などなど、いわゆる一流大学卒の人が多かったことだと思う。この荒木氏も京大卒らしいし、超インテリ…。で、カメラはインタビュー中にポロっと出る本音を見逃さない。

この人たち、もしかして、頭が良いからこそ気づいてしまった人生の疑問点や矛盾点について、家族が、学校が、社会が、誰も答えられなかったんじゃないだろうか。それで宗教に救いを求めた、それでも答えが見つからなくてカルトに行ってしまった…としたら。

やっぱり、オウムが解散して解決する問題と思えない。むしろぜんぶオウムのせいにして済ませたら、違った形で噴出してくるような気が。私には、この若者たちが炭鉱のカナリアみたいに見えた。



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