細田守監督のアニメ版、時をかける少女。


大林宣彦監督の実写版(1983年)と違って、舞台は現代の、たぶん東京かな。この2つ、タイムリープもの、という点は同じでもストーリーは全然違って、別物として楽しめました。


主人公の女子高生マコトが、ひょんなことからタイムリープする能力が身についてしまうんだけど、はじめは個人の単純な欲求のために使うんだけど、だんだん人助けのために使うようになってくるんですよね。タイムリープした先の世界では、もちろんマコトがタイムリープしたことは誰も知らないんだけど、唯一、知ってるような前提で会話が成り立ってる魔女オバサン、たぶんこの人はタイムリープしてないほうの人だと思うんだが、だとしたらこのオバサンがいちばんヤバイ(笑)。


タイムリープの弊害は、何度も過去に戻ってやり直せるから、逆に進路(未来)に興味がなくなっていくこと。でも、ある人物が未来から来たことが発覚する。そのとき、その未来がどうなっててほしいか、っていうことを考えて、マコトは自分の生き方を決めるんですよね。もう戻らない、前に進むことを引き受ける。うん、がんばれマコト!


しかしタイムリープが可能となると、ありえた世界がぐっと増えて、なんというか、自分の知らない未来の自分の言動を誰かに知られてるってことで、それちょっとホラーですよね。現代の自分は、未来の自分の言動にどうやって責任持てばいいのか…。


細田守監督作品を観たのはこれで2作目だけど、野球のボールをキャッチするときに体を回転させる動きとか、静止してるバスケットボールをトントンしてドリブルを始める描写とかが細かくて、あるある~ってキュンとなりますよね。あとガヤの声がいい。『時をかける少女』では川辺の子どもたちのガヤ。『未来のミライ』では、公園で自転車に乗ってる子どもたちのガヤが好き。


そういえば前回観た『未来のミライ』も、タイムリープものだった。過去から未来から、大きな視点で見つめることで、今この瞬間ががぜん輝きだす…どんな時間もそれ単体では存在できなくて、それぞれが特別だってこと、こんな壮大な物語で見せてくれないと忘れちゃうなんてね。


 

 

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