コロナ読書シリーズ。

瀬戸内寂聴さんと秘書・瀬尾まなほさんの対談本です。

98歳の瀬戸内寂聴さん。スペイン風邪の傷跡も生々しい時代に生まれ、戦争と貧困を生きぬいてきた寂聴先生のことばや考え方に、何かヒントをもらいたくなる気持ち、すごくわかる。

「どうしても心配で、あれダメこれダメと子どもに言ってしまいます」

「信用して、放っておくの。『あなたはお母さんの子だから、そんなアホは産んでないのよ』と言っておけばいいのよ!」

とかいう(笑)、慈愛にみちながらもいたずらっぽい語り口はさすが、これはコロナが収まったあとに読んでも抜群に面白いと思う。

でも意外なのは、アドバイスが至極フツーってこと。

「信頼している人からの『大丈夫』は、本当の『大丈夫』になる」

「『想像する力』と『思いやり』をもつと、人間関係はよくなっていく」

「二十歳をコロナでダメにしても、人との出会いでいろんな気づきがあって、変わることができる」

それってコロナじゃなくてもそうだよな〜。

でも、だからこそ、人間が危機を乗り越えていくやり方って、たぶん似てるんだろうな、と思ったりした。 

日の下に新しいことはない、というのは、コロナ禍にもきっと、応用が利くに違いない。そういう希望に満ちた本。