コロナ読書シリーズです。

岩波新書から出てる、各界の識者24人によるメッセージ。

様々な専門分野からのたくさんの提言、だいたい共通してるのは歴史に学ぶこと。危機は人から自分で考える力を奪い、独裁者がそれを利用するから。
それから医療関係者やキーワーカー、そして弱者への支援をすること。
今こそ想像力を欠いてはいけないこと。

藤原辰史さんの文章、短い中に、スペイン風邪の教訓と今後の指針が簡潔に詰まっててよかった。以下、メモ。

・スペイン風邪はアメリカが発生源。当時、第一次世界大戦で情報が制限されていたため、中立国であるスペインから情報が発信されたことが由来(濡れ衣…)。

・スペイン風邪の教訓は、①流行は一回では終わらない。②ムリをしたりさせたりすることが、ウイルスを蔓延させ、病状を悪化させる。③医療従事者に対するケアがおろそかになってはいけない。④情報開示こそが素早い分析と感染要因の包囲につながる。⑤歴史的な検証を十分にすること。⑥政府も民衆も、感情によって理性が曇ること。⑦清掃従事者へのケアも大切。⑧為政者も感染する。そうすると行政手続きが止まる。

・今後の指針として、①うがい、手洗い、歯磨き、食事、入浴、睡眠などの日常習慣を、誰もが誰からも奪ってはいけない。②組織内、家庭内での暴力や理不尽な命令に対し、逃げることや異議申し立てを一切自粛しない、させない。③簡単に中止や延期ができないイベントに国家が税金や時間を費やすのは大きな損失。シンプルな運営を。④平時から危機だった人がいるという事実を忘れないこと。⑤情報の抑制・不透明さに対して異議申し立てをやめない。

それからロバート・キャンベルさんの、「平等な弱さ」の話もよかった。すべての人は平等にコロナ感染のリスクがある。すると、淡々と生きている街の通行人ですらいとおしく感じる瞬間がある、と。

あと、おなじくキャンベルさんの、天保の飢饉のときに出された書物『豊年教種』の一節。「飢えたる人に粥を施すには最も恭しく謹みて与へよ。必ず必ず不遜にして人を恥づかしむべからず」これ知ってる、なんでだろう。前世…?

出口治明さんの、コロナ禍に読みたい本もメモ。

☆『夢遊病者たち1、2』クリストファー・クラーク
☆『史上最悪のインフルエンザ』アルフレッド・W・クロスビー
☆『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』速水融
☆『知ろうとすること。』糸井重里、早野龍五
☆『どうする!?新型コロナ』岡田晴恵


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