イタリアのベストセラー作家、パオロ・ジョルダーノのエッセイ。

ヨーロッパでも一足早くコロナに見舞われたイタリアから発信する、非常事態宣言下の記録。

数理系の人が数学的にコロナとその現象を捉えようとするとこうなるのかー、こりゃわかんねーな、と数学音痴の私はあきらめかけたんだが、後半どんどん人文的に。体験したことや考えたことを、ハッとする表現で書きとめ、ついていけるようになってくる。おお〜、さすが小説家…。

陰謀論や流言飛語が飛び交うなか、一貫してコロナの原因は、環境破壊や温暖化、それを招いた私達の生活様式にある。だからそれを改めない限り、コロナのような事態はまた必ずやってくる、と警鐘を鳴らす。そして、ある提案をする。

コロナが収束したとき、「どんな日常には戻りたくないか」、そして「コロナ禍の日常で、何を忘れたくないか」。それをメモして、互いに見せ合おう、という。

面白い!やりましょう。ただなー、付き合ってくれる人が少なそうだよなー(笑)。

コロナ禍で、どこの誰がどんなことを考え、行動したのか、知るのは興味深い。コロナ関連の本、たくさん読んでいこう。

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●5年前に発売したデビュー作が文庫化されました!よろしくお願いいたします。