世の中にはびこる安易な感動、安易な共感、安易なレッテル貼り…を憎みながら、何の因果かもっとも安易な世界で活躍することになっちゃったミッツさんの、めんどくさい頭の中がチラ見できて楽しかった。

世間の求めることにてきとうに器用に応えることができなくて戸惑ってハッとして開き直って牙をむく。このめんどくささで、この世間の安易さを虫歯のようにじくじくと、内側から破壊して行ってほしい!と勝手に期待をしてしまっている。

この人は、ほんとにネットニュースとかの、「いかに1行でまとめるか的な世界」に合わないので、名言が満載なのにそれだけを取り出して紹介できないのが、いい。

たとえば今パッと開いたページに、「私にとっての幸せは、間違いなくうんこ」…。ぜんぜん伝わらん!

じゃあ何がいいかって、ミッツさんの名言にたどりつくまでのめんどくさいこねくりまわし、その過程からこそがいいダシがとれるってことなんじゃないでしょうか。「無駄こそ豊か」って至言だと思う。



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●隠居生活の本出てます