1994年公開のアメリカ映画。主演はトム・ハンクス。

なんの事前情報もなく観ると、アメリカ南部のアラバマに生まれ、足が速くて体力はあるが、知能が低い純朴な青年フォレストが、学生運動やベトナム戦争など激動の60〜70年代を駆け抜けるという、ちょっといい話?

かと思ったら、町山智浩さんの解説を聞いてとんでもなかった。この時代のアメリカを取り上げるなら、必ず描かれていなければいけないことが、まるごと抜け落ちている、と。

それは公民権運動。ハーッ、確かに!!日本人が観ても、言われなかったらわかんないよこりゃ。

アメリカには聖痴愚(聖なるバカ)といって、知性が低いことを無垢な存在として神聖化する考え方があるそうで。知恵をつけることは神への冒涜であるから、ただバカになって信じるのが正しいんだと。それが具現化したのがフォレスト・ガンプ。

政府に黙って従ってベトナム戦争に行ったフォレストは幸せになり、反戦運動などカウンターカルチャーに参加したものは不幸になる…。映画が、こんな政府の宣伝みたいなことに使われることがあるなんて…。ヒット作だからってボーっと観てたらえらいことになるなぁ。

しかし監督のロバート・ゼメキス(バック・トゥ・ザ・フューチャーが有名)、なんでそんなことになっちゃったんだろう?


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