はー、久しぶりに観て笑ったし、泣いた~。
原節子演じる間宮紀子が、突然勝手に結婚を決めてきてえらいこっちゃっていう、ある初夏(秋ではない)の家族の話。小津映画って、ストーリーはなんてことないんだけど、なんかいいんですよね。
俳優の立ち振る舞いが永遠に素敵なんです。もう立ち方座り方話し方に微笑み方、お盆にのせたごはんの差し出し方、「さよなら」と言ってからドアを出て行くときにもう一度振り返って「さよなら」っていう別れ方から全部の所作が美しくて、これ見ると一人のせまい部屋でアホみたいにしばらく真似してしまう。
それから杉村春子さんの良さが年々染み渡ります。脇役なのにこんな最後の一秒まで捨ててない演技してたなんて、20代のころは気付かなかったよ。
もう40代50代と、年代をまたぐごとに観たい映画です。60ぐらいになったら、今度は出征した次男の帰りを戦後も待ち続ける両親の気持ちになって、また泣くんだろうな。いや実はもう泣いたけど。


麦秋麦秋
400円
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