スティーブン・スピルバーグ監督の戦争映画。ユダヤ人の大量虐殺を3時間以上もかけて描きまくり、一人で観なきゃよかったと思うくらい気が滅入った、が、人類の一員としては、知っておかなければならないことだとも思い、がんばって観た。

私は戦争もののドキュメンタリーなど観るにつけ常々感じていたんですが、粗チンと権力が組み合わさった時に最悪の事態が起こるっていうか。歴史に残る大事件って、意外と粗チンの個人的な妬みとか恨みが関わってるように思う。この映画は、そんな粗チン(ゲート)と巨根(シンドラー)のガチバトル映画とも言える…って何だこの名作が一気にどうでもよくなる説明は!

もう、町山智浩さんの映画塾が超詳しくて面白くて勉強になるもんだから(You Tubeの公式チャンネルを観てね!)、それを観ていただければ私が書くことなんて何もないんだけど、それまでユダヤ系の監督たちが、重すぎて手を出せなかったテーマを、やっとスピルバーグがやったんですって。

これ、ユダヤ人を救った実在のドイツ人・シンドラーを主人公にしてるもんだから、White saviour(白人の救世主)ってことで、公開当時ユダヤ人からはすごくバッシングを受けたそうなんだけど、なんか、受け入れられていく段階としてそういうのがあるのかもしれない、とも思う。

これが公開されたのが1993年、そして『戦場のピアニスト』が2002年。いま、ユダヤ系監督がユダヤ人のホロコーストを描くなら、救われなかった方のユダヤ人の視点から作ってほしい。もうあるのかな?

しかし…戦争を知らない世代の若いドイツ人ならまだしも、1993年公開なら戦時を知るドイツ人観客もたくさん存命だったろうに、これをどういう気持ちで観たんだろうか。私だったら、もう耐えられんくて途中で退席してるかもしれない。

観てよかったけど、かなりのトラウマ映画。


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