今まで読んだカーヴァー作品の中で、いちばん未消化。よくわかんなかった。

三章からなる短編なんだけど、一章目で夫婦のあいだのほんの小さな亀裂がバキバキと人生全体を覆っていく(ように見える)さまをみて、さあ~カーヴァーこれをどう料理するの~とわくわくしたら、二章目が意味のよくわからない、進展もない、だから何?という一夜のことで、第三章になると、やけにもったいぶったというか、含みをもたせた感じで終了。

カーヴァーッ!君はそんな思わせぶりなオチをつけなくても、人間の心の機微ってもんを、もっと静かにさりげなく織り込めるはずだろっ!と消化不良に。

最後の解説を読んだら、これカーヴァーの初の短編集だったそうで、なるほどそうだったのか!作家って、未完成のまま発進してしまうものなんだ、と、それはそれで新たな発見ではありました。

私は後期のカーヴァー作品が好みなんですね。