フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -46ページ目

日本のGroup dynamicsの特殊性

うちのフィリピン人講師が、日本の1年留学を終えてフィリピンに帰ってきたので、久しぶりに会って食事をした。

日本での話をつれづれと聞いていたが、
「ところで、日本で出会ったCultural differenceの中で、一番ショッキングだったものは何?」
と質問した。

で、その子は興奮ぎみにこう答えた。
「もう、なんといってもGroup dynamics!!!」
「部活とか、バイトとかやってみたんだけれど、やっぱりフィリピンと全然違った」
「後輩と先輩の関係とか、Groupの中での役割分担が明示されずに自然に決まっているのに驚いた」
「あと、これをしなさい、あれをしなさいって色々言われない。グループのために何をしたら貢献できるか、自分で考えて行動しなさい、と言われる。これは驚き。」
「あと、人々のSource of the motivationは、他の人に競争して勝つこととか、給料が増えることではない。グループに貢献することそのものが、Source of motivation。敗者がうまれるとか、余計な給与を支払うとかが必要ない。なんて効率的なんだと思う」

この話を聞いて僕は大笑いした。

「そうなんだよね。
 日本は、
 個人と組織のWin-win関係が当然成立しているものとして、
 何も明示化・約束されていないのに、
 個人が組織のために自律的に貢献しようとしている、そういう社会だよね。
 これが日本のすごさだけれど、反面、外国人からしたらとっても奇妙だよね。」



日本人が外国人のマネジメントするときによく陥る失敗がいくつかある。

1) 年上を尊敬しろ、などのような日本の関係性を無意識に求めてしまう
2) Job descriptionを明確化しようとしない
3) 「社長の立場に立って考えろ」と言ってしまう
4) 給与の上昇カーブなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」というWin-win条件を明示しない

これらの点は全て、日本のGroup dynamicsの特殊性に端を発していると思う。

1) 無意識に決まっている関係性は国ごとに違うので、年上を尊敬するとか、日本の文化を押しつけても、外国人にとっては「?」でしかない。響かないから、決して動いてくれない

2) 明確化されていない期待に応えようとする/答えられうるのは、日本人の珍しい、そして優れた素質。外国人に求めるのは無理がある。

3) 「自分が所属しているグループにおける自分の役割ってなんだろう?」「他の人とキャラがかぶっていないか?」など、日本人は常々無意識に考えている。じゃないと、組織で認めてもらえなかったり、最悪組織で浮いてしまうから。 外国人は組織の都合は日本人ほど考えず、もっとリラックスして好きなようにやっている。だから、社長のように全体最適を考える傾向が低くなる

4) 日本人は、所属グループへの貢献が、グループの他の人からの賞賛のもとになり、中長期には弱い形で金銭的な報酬へもつながる。だから、無意識にWin-winで組織に貢献しようとする。極端な場合はLose-Winで自分を犠牲にしてでも貢献しようとする。だから日本のベンチャーの場合、報酬体系は未整備で、ベンチャーの社長のテクニック=社員に夢を語ってただ働きさせることがうまいかどうか、ということが往々にしてありうる。 でも、外国人の場合、それでは通用しない。組織への貢献それ自体はインセンティブになりえない。金銭やキャリア、賞賛される仕組みなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」ということを明示しないと、動いてくれない。この明示の中には、会社と企業の間でのWin-win関係が従業員の中でよほど強固に認知されている、という特殊な例も含まれる

それじゃぁ、どうしたらよいのかというと、下記のような打ち手が考えられる。

1) 相手の文化において、無意識に決まっている関係性を必死に探る。文献リサーチも有効。
2) Job descriptionを明確化するよう頑張る。時間を取る。
3) 部分最適=全体最適となるように、組織構造や手続き、仕事の目的をデザインする
4) 給与の上昇カーブなど示せないときは、従業員が組織へ貢献していなくても悪いのは従業員ではなく経営者、という認識を持つ


とにかく、その子には、次のように力強く言ってもらえて、うれしかった。
「ホント、Kato-san、こんな異文化の中で社長やっているの、Really amazing!」

レアジョブは色々とほめていただくことは多いが、
この異文化マネジメントの点について感心してくれたのは、たった4人しかいない。。。
・この子
・やはり日本に1年間留学していた子
・フィリピンで10年弱会社を経営している社長
・中国で10年弱会社を経営している社長

1年間は異文化にもまれる経験が必須なのかなぁ、という気がしている。


で、冒頭の、日本から帰ってきた子に、
「うちで、日本とフィリピンでつなぐ役割を果たしてほしい。」
とお願いしたところ、即OKで、うちに入ってくれることになった。

この子のように優秀な子を、一回食事しただけで雇えるのはありがたい。
・トップ大学のフィリピン大学卒で
・講師としての優れた実績があってまじめで
・日本文化を理解し、日本語がある程度上手に話せる

優秀な人材を雇う仕組み作り が、フィリピンでは確実にできあがっていると思う。

チーム立ち上げ

フィリピン側の本社じゃないBranchで、スタッフのチームビルディングランチをやった。

池の上にコテージが浮いている、というレストランで食事。


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チームの人員は8人。

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8人っていいなぁ、と思った。
なんだか1年半ほど前の、レアジョブのフィリピン側本社の状況と似ていて、
すごくなつかしくて、あと、うきうきした。

本社側でスタッフランチにいくと、パートタイムスタッフ合わせると20人とか越すから、
僕にとってはちょっと多すぎる。

レアジョブが、100人、200人の会社になったら、というか、なっても、
これくらいの少数のチームの立ち上げをやるのが僕は好きだし、
そういうのをやり続けていたいなと思った。

CCCのCOO柴田さんのインタビュー

日経ビジネスONLINEに載っている、CCCのCOO柴田さんのインタビューが面白かった。



いい経営をしようと思えば思うほど、健康、とくに精神的な健康が重要だと思う。

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――考えてもしかたのない事はとりあえず横においておく、という癖をつけられたらいいと思うんですが。

 私は“意識の壁”のトレーニングで、大丈夫になりましたよ。

――意識の「壁」?

 目を閉じて、「意識の壁、意識の壁……」と心の中で唱えながら、さっきまでの自分と今の自分との間に、壁がスーッと立ち上がるのをイメージするんです。数十秒、念じていると、頭が切りかわって、今に集中できる。

――その方法は、ご自分で考えたんですか。

 ええ、マーサーで社長になってから。

 リーダーになると、まったく異なる性質の仕事を、分刻みで進めていかなければならない。ある社員の表彰をした10分後に、別の社員を叱り、またその10分後に人材活性化をテーマに講演した後で、社員にリストラを告げなくてはいけない、というように。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090401/190718/?P=2&ST=spc_k-change
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僕は、
「ディテールに深く入り込む時間はないから、、
どういうオプションがありうるかと、
そのPro/Conを出してくれ」
というようにしているが、下記も参考になる。

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――そうなるとトップの側が、知りたい情報、知りたい流れを明示する必要がありますね。

 ●「そもそも、何が問題か」
 ●「何を決めなくてはいけないのか」
 ●「(意思決定に当たっての)論点は何か」
 ●「論点ごとのオプションは何か」
 ●「自分はどう思うか」

 この5つの流れで話をしてほしい、と私は言っています。

 これを「意思決定者が必要な5つの情報」と言うのですが、この流れをそのままテンプレート化しました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090408/191329/?P=2&ST=spc_k-change
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あと、一人一人との個別の対話って、けっこう大事。

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――硬直した組織だと、新しく入ってきたリーダーが「ここを変えるぞ」「これをルール化するぞ」と言っても、なかなか浸透しない。それで苦労するリーダーが多いと思うんです。

 キャドセンターに新社長として入った当初が、まさにそうでした。これからどうなるか、先が見えず、職場がシーンとして、なんとも言えない不穏な空気が漂っていました。僕に対する視線も”未知との遭遇“みたいな感じでした。外資系出身だったということもあり、マーサーという名前にもひっかけて「マッカーサー来る!」なんて思われていたようです。

 そういう場合は、いきなり大所高所から「ああしなさい」「こうしなさい」と言ってもダメです。
 1対全体の前に、まず1対1の関係をつくることから始めないと。

 1人ずつと1対1で話してみると、宇宙人だと思っていた人が、実はドラえもんだったと分かることがある。茶髪に派手なスーツで苦手なタイプだと思っていたのに、話すと真面目で熱い青年だった、とかね(笑)。そうして、まずは1人ひとりから話を聞いて、信頼関係の基礎をつくっていきます。このプロセスそのものがまず楽しい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090408/191329/?P=3&ST=spc_k-change
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社員による社員の評価。 将来的には入れたいなぁ。。

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――「上司から与えられた役割を黙々とこなすよい社員」というポーズをとったほうが、評価が高くなる。

 それが長じると、お客さんへの気遣いよりも、上司への配慮を優先することにもなる。上司の視線ばかり気にしていて、気持ちよくいい仕事ができるはずがない。だから、上司が部下を評価するというやり方を撤廃しようと思っているんです。

――しかし、上司以外に誰が評価できますか?

 どんな仕事も、お客さんが喜んでくれたかどうかが、成果をはかる尺度です。

 お客さんが喜んでくれたかどうかを一番よく分かっているのは、上司ではなく自分自身でしょう。ならば、自分を一番正しく評価できるのは自分です。これからCCCで、社員が自分で自分を評価するための仕組みをつくるつもりです。

 基本的にみんな、お客さんに喜んでもらいたいと思い、誇りをもって仕事をしている。だから、独りよがりな評価はしないと思うんです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090414/191835/?P=3&ST=spc_k-change
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少しずつ霧が晴れていく感じ

数ヶ月前に少しずつ始めた法人営業

最初は、
「営業なんてしたことないぜ」
「ていうか、アポなんてどうやってとるんだ?」 的な、
まったくわからない、全体像見えないなかからのスタート。

心がけたのは、Trial and Error、すなわち、仮説検証のサイクルを高速で回すこと。


とりあえずイシューたててみる

色々なひとに話聞く

イシューかきかえる

色々なひとに話聞く

イシューかきかえる

色々なひとに話聞く

必要な人材の要件定義をする

採用がんばってみる

必要な人材の要件定義をかきかえる

採用がんばってみる

採用できた!

採用したチームに仕事を引き継ぐ

彼らが色々なひとに話聞く

彼らがイシューかきかえる

彼らが色々なひとに話聞く 

成果につながりそうなニオイがだんだんしてきた


まったく全体像が見えていなかった事業が、
「こうすればいいのかな」というのがだんだん見えてくる。
少しずつ霧が晴れていく感じに近い。


仮説検証を高速で回しながら、人を巻き込んでいき、目的地に近付こうとする作業。

「これはコンサルのリアル版だな」
「ていうか、ザ・経営だな」 
と思う。


PS   グローバルブレインさんと、MBA帰りのTさんには大変お世話になっております。。。

経営の経験が積める場所になるように整備

なるほどーと思った記事があった。


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日経の私の履歴書などを読んだりして思うことは、日本の経営者は30代のときなどに必ず海外事業の立ち上げなどを経験していることだ。

確かにそこでいろいろな問題があり、それを解決して結果を出すという過程が将来の幹部へのセレクションになるのであろう。

近年日本でも外資系で働くことが人気だが、残念ながら日本企業のような経験はできない。日本市場の開拓責任者は本国からくる場合が多いし、日本以外のプロジェクトに現地採用の日本人は投入されない。

経営者としての能力開発は外資では極めて限られてしまうことなる。もちろん外資コンサルで働くことも同様である。

(経営戦略コンサルの洞窟
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確かに、小規模でもいいから経営に携わったことがないと、
いきなり大規模な会社の経営を任されるのは厳しいだろうなぁと思う。

で、外資系にいると、そういう経営的なポジションに携われるチャンスはすごく少ない。
その通りだ。

今日、日本フィリピン合わせて23人目の正社員が入ってくれた。
うちみたいな、若くてちっぽけな会社に、優秀な人材が入ってくれるのは、とてもうれしい。

で、感謝とともに、僕が何をこの人たちにしてあげられるのだろうとよく考える。

会社が順調に成功していれば、
金銭面のみならず、いろんなポジションが本人の成長次第で与えられるわけで、
そこについてはあまり深く考えなくても良いのだと思う。

問題は、会社の成長が止まってしまった場合でも、
本人たちにとって「人生の浪費」じゃなかった、
という状態に持っていけているためにはどうしたらよいか、
ということだ。

新卒だったら、「より多くの機会があり、フィードバックも早いので、成長も早い」 だと思うが、
特に、中途で来てもらった場合はどうなるのだろうか、ということをいろいろ考えた。

僕は、そこについては、「経営者的な立場での経験が積めること」なんだろうと思う。

ビジネスパーソンとしては、キャリアパスは、大きく分けて二つある。
 ・スペシャリストとして生きるコース (営業のスペシャリストとか、国際税務のスペシャリストとか)
 ・社長への道をたどるコース (営業能力を武器に横展開していってジェネラリストになって、最終的には社長目指す、、とか)

で、スペシャリストコースだったら、少数の例外を除いて、
大企業とか、既存の有名企業・ファームの方がよい。
業務が細分化されているから、より先端、エッジに近いものが学べて、
キャリア構築上有利。

だから、社長への道をたどれるか、
つまり、経営経験がどれだけ積めるか、ということが重要だと思う。

ここで重要になってくるのが、経営指標。
経営経験をつめる イコール ひとつ単独の会社を運営する
では必ずしもなくて、
事業をひとつ任される
ということに近い形なはず。

だから、きちんとした経営指標がないと、自分が出した成果なのか、
会社の他の人が出した成果なのか、いまひとつクリアにならない。
だから、経営者としてどれだけうまくできているか、
本人がフィードバックを適切なタイミングで得られない。

(たとえばリクルートのRC制も、京セラのアメーバ経営も、
 裏できちんとした管理会計がうごいているのがあってのたまもの!)

だから、下記二つを僕はきちんとやっていくべきなんだと思う。
 ・事業をひとつ任せきれる体制づくり
 ・任せた事業の成功度を測る評価指標(特に管理会計)の整備。

人類最長の小説

数ヶ月前、栗本薫という作家が死去した。
そのニュースを読むと、「人類最長の小説を書いた作家」だという。

数少ない僕の趣味が読書。

「人類最長の小説ってどんなもんじゃい?」と思って、
まず最初の6巻だけ買って読んでみたが、ぐいぐい引き込まれて、残り122巻を買って読んだ。

人類最長は、伊達じゃないと思った。

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年があけて2月と3月のあいだに、五冊の本を書きおろそうとしています。二月あたまからすでに三冊書きました・・・何でこんなにかけちゃうのかわかりませんが、ひとつだけ確かなのは、4日で一冊書いたときと8日で一冊書いてたときと、そして二カ月かけて書いたとしてもあんまりどうも内容には関係ないようだ、ということです。・・・こんなばかげたことを他の人が考えないのは、一時間二十枚描くのが大変だからではなく、一時間二十枚描くのを「維持する」のが大変だからです。一時間十枚で四十時間の方がもっと大変かもしれません。どうやら、栗本薫という狂ったヒトの問題点というか狂ったトコロは、その「創作力」や「文章力」にあるというより、その「集中力」及び「集中力維持力」にあるらしい、ということがだんだんわかってきました。・・・皆さんはびっくりしますが、結局私は「集中力のコントロールの仕方を覚えた人類」なんだろうなと思います
(グイン・サーガ 60巻 作者あとがき P283)
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昔読んだインタビュー記事に、スーパープログラマの話があった。
そのプログラマは、コードをかきながら次のコードを考える、ということをせず、
頭の中にすでにまず全てのコードの構想を組み立て終える。
そして、キーボードを叩くときは、何も考えず、
頭の中にあるものをただただキーボードにたたいていくだけにすぎないのだという。

だから、そのプログラマにとって、
キーボードをたたくという肉体作業部分が歯がゆくてたまらない、
なぜなら、全ての工程のボトルネックがそこなのだから、という。

この栗本薫という作家も、まさにそうで、
頭の中に、全128巻分の物語がすっぽりと入っているのだが、
それを文章としてつむぎだしていくのにかかる時間が、
30年間かかったのだと思う。

そして、このようなことは、ほとんどの作家にはできることではない
・単一のストーリーで論理的破綻なく128巻もつむぎだせるほどの構想力があるかどうか
・構想力があっても、30年間商品として売れ続けられるエンターテイメント性があるかどうか
・構想力・エンターテイメント性があってなお、長編にこだわるかどうか (長編よりも短編の方が経済的にはトク。例えば100巻目は、99巻まで読み進んできてくれた人にしか売れないから、長編を1シリーズ100巻分出すちからがあったら、短編を1巻ずつ100シリーズ書いた方が売れるはず)


栗本薫という人は、文学賞などで高く評価されている人ではないが、
まさに、才能を持った人だったのだと思う。

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通算2500万部ということは、外伝を入れて百巻として、つまりは一冊につき、平均二十五万部を売り上げているということになります。それを1979年から、二十三年間にわたって維持しつづけてきた、ということは、もはや、名実ともに、古今未曾有、空前絶後、おそらくは二度と再現されることのないスケールの物語が誕生し、そして着々と完成に向かいつつあるのだ、と認めても、どこからも文句の出るおそれはありますまい。数字はすべてではありませんが、どの数字も私にとってはこれまで私が五十年間生きてきたことのなかでの、おのれの生き方のあかしであり、作り上げてきたもののすがたであり、そして誇りであるといまは胸をはっていいたい気持です。福田和也さんの「作家の値打ち」のなかでも、エンターテイメントとしての最高得点をつけていただき、世界文学に誇るレベルの作品、の最上位においてもらいましたが、おそらくは、そうした数字や評価にもまして、私たちにとっては、この物語そのものと、それをずっと愛し続けてきてくれた読者のかたたちの存在こそが、最高の評価であり、はげましであるのだと思います。
(「グイン・サーガ」85巻 作者あとがき P315)
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長編が続くコツは、各キャラクターが丁寧に描きこまれているかどうか。
80巻までは別々につむぎ出されていたキャラクターの人生、
80巻ころから、一気に交差し始める。

だから、この物語は、特に80巻を過ぎてから面白くなる。

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イシュトヴァーンは、何か世にも奇妙なものをでも見るように、じっとその二人ーーかつて彼が友と呼び、あるいは愛して、そしてひとたび別れ、まためぐりあった二人の旧知を見つめていた。かれらは変わっていたーーそしてまた、変わっていなかった。かれらの気性は、おのれの信じたままの方向にまっすぐに発展し、みごとに開花をとげ、そしてかれらを力強く輝かせていた。かれらはかつて彼の知っていたとおりのかれらであり、そしてまた、すでにそのあのころの彼らではありえなかった。かれらは年をかさね、さまざまの人生の苦難になって多くを学び、多くを経験し、そしてここに誇りやかに立っていたのだ。
(「グイン・サーガ」85巻 P191)
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いよいよこの未曽有の物語も佳境に入って来て、このところ毎回のようにおおいなる波乱が続いています。そしてまた、これまでは別々の場所でそれぞれの物語を織ってるように見えた何人もの主人公たちが、いよいよ一堂に会して、たがいに様々な変遷をかさねた運命のはてに、ふたたびひとつの運命をわかちあい、あるいは互いが互いの運命となる、という、そういう時期を迎えるようになった、といってもいいようです。
・・・・・・
おかげさまをもちまして、八十巻以降、読者の皆様のご支持もうなぎのぼりとなっているような手応えを私のほうも感じております。
(「グイン・サーガ」85巻 作者あとがき P313)
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好きな個所をいくつか抜き出してみた。

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「どうやってかは知らん。俺はただ、やってみるだけだ。それが大人の男、一人前の戦士のやることだ。四の五のやる前からさわぐのは餓鬼のすることだ」
(「グイン・サーガ」82巻 P173)
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「夢を見てしまった人間はーー恐ろしく孤独になる。空恐ろしいほど、孤独になるのだよ、イシュトヴァーン。それでもーーそれでもお前はあえて野心に身をまかせるか? その孤独という代償を払ってすら、この野心をもちつづけることは価値があると思うだろうか? むろんいまのおまえは思うに違いない。それが若いということなのだ。孤独など何の恐れるにたろうかと思うことーーたしかに野心をもちうるということ自体が、ひとつのすぐれた素質、他のものとちがう運命、ぬきんでた資質を示しているのだ。だがそれにすすんで身をゆだねるとき、ひとはもう二度とかえれぬ道へふみ出してゆくのだとは思ってもみない。ひとはみな、自分は何かを得ようと思ってふみだすので、何ひとつ失うことなどありえないと思っている。だが、ディーン、そうではないのだーーそのとき、ひとはまぎれもなく巨大な代償を支払うのだよ。その代償とはすなわち、他の多くの人間のようであること、平和とささやかな満足感、世の中とも人ともうまくゆき、たしかでゆるぎない自らの場所をしめ、そのことに満足しておだやかに、和やかに生きて、自分はひととして持ちうるもので満足した、という充足感のうちに死んでゆけることーーそして、また、他に誰ひとりとしておのれに似かよったものはないのだという、恐ろしい血も凍るような孤独を、ついに一生知らずにすむ幸福ーー」
(グイン・サーガ 15巻 P31)
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「あの哀れなライオスやバルドゥールにはどうしてもわからぬことーーつまり、一国を治めてゆく、皇帝の座などというものが、なんら羨まれるべきものではなく、むしろ汚い仕事、辛いそんな仕事、かぎりない煩雑さと面倒にみちた、下らぬものだということが、何故かは知らず、おまえには天性わかっているようであるからだ。」
(グイン・サーガ 21巻 P66)
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「王になって何をしようというのだ。王など、とうていおぬしがなりたがるようなものではないーー王など、国をあずかって人々のために身を粉にして働く下働きにしかすぎんぞ。あまりにもそれが大変であればこそ、王としての名声だの金だの権力だのがあてがわれて、あわれな王たちが不平不満を言わずに人民のために働くよう、あやしているにすぎん」
(「グイン・サーガ」92巻 P29)
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「あんた、ずっと王様なり将軍なり・・・・・・それもケイロニアみたいな大国のさ、やってきて、イヤになんねえのか。もうたくさんだ。何もかもぶち捨てて逃亡してえって気に、なることはないのか・・・俺はもう、これまでに何回でも、ほとほとウンザリだ、もうこりごりだ、逃げ出してひとりでしたいほうだいして暮らしたほうがどんなにいいか知れねえって思ったぜ」
(「グイン・サーガ」87巻 P47)
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「われわれ国王だの王族だの大公だのーー一国を仕切り、支配し、国益やもっと巨大な目的をたえず念頭において動いているものはね、時として本当に身もふたもないし、また時として本当に面子も体面も主義主張さえもない時もあるのだよ。・・・・・・そうでなくては、やってゆけないからね。それがひととしてふたごごろありと思われることもあろうし、また許しがたい信ずべからざる背徳のともがらとみられることもあろう。だがそれはーーそうした貴人というものはある意味、本当の意味ではもう、《ひと》ではない、ということだと私は思うよ。我々は神聖な・・・・・個人としての信義よりもさらに重大な、支配者としての目的のために動いている。おのれ個人の身や誇りよりさえも時としてあまりにも重大な、ね」
(「グイン・サーガ」86巻 P174)
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(俺も・・・そろそろ・・・本当に、あのかたを追憶にしなくては・・・)
時は流れている。
本当はまだ、ふれさえしたら血を吹き出すような生々しい傷口だろう。だが、それも、そっとかかえたまま、生きているものは、生き続けてゆかなくてはならないのだ。時は、どんどん流れ、そして、このそれほど長からぬ時のあいだにさえ、おびただしい変化がパロをも、そしてヴァレリウスをも、またリンダをもたぶん、訪れているのだ。
(生きてゆかなくてはーー)
ふりしぼるように、ヴァレリウスは思っていた。
(「グイン・サーガ」107巻 P301)
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「人間は小さく、その一人一人の力は悲しいまでに卑小であり、無力であり、そしてその生はお前たちから見れば実にとるにたらぬ虫けらに思われるほどに短い。須臾の間というのもおろかな短さだろうーーそれゆえにこそ、ヤンダルにもお前にも、ひと一人のよろこびやかなしみやーーその生まれてきて、愛し、愛され、そして年老いて死んでゆくまでの短い一生などというものには何の値打も価値も見出せぬのかもしれぬ。だが、人間とは、たとえその短い一生のあいだに、お前たちからみれば何ひとつなしとげ得ずとも、逆に、お前たちのように巨大であったり、集合生命体になることが出来ぬからこそ、ひとりひとりの小さな夢や約束や未来やーー愛情やにくしみや、そうしたひとりひとりのささやかないのちを燃やし、それをときに世界のために使うことさえも出来るものなのだ。・・・一人一人、まったく別々の存在であり、あるものは賢く、あるものはおろかであり、あるものは醜く、あるものは美しく、あるものは八百年もの生を魔道によって得、あるものはまだ幼い子供のうちに死なねばならずーーそのすべてのおおいなる不条理、不平等、それを摂理として受け入れたとき、それは人間にとって、お前たちには決して理解できぬ最大の力となったのだ。--無力なること、人の子の子の無力、それこそがな」
(「グイン・サーガ」92巻 P36)
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漫画「ベルセルク」好きにはたまらないんじゃないかと思う。



作者は、晩年、癌で苦しみを味わう中、それでも書き続けた。

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秋口から冬にかけてはほんと具合悪かったです。腹痛、内臓痛に背中痛に腰痛、次から次へと、ころげまわったり救急車呼ぶほどじゃないんだけれども、眠れなかったりじっとしていられない程度の、つまり一番始末がわるい程度の痛みに見舞われ、鎮痛剤もなかなかきかなかったり、きいたらこんどは眠れなくなってしまって不眠症で苦しんだりーー半年続けてきた抗ガン剤がいよいよ相当からだに毒をためこんできたらしく、休薬期間になってもものが食べられず、体重は落ちる一方、かろうじて口に入るのは最初は蒸しパン、それから焼き菓子だけで、夜中に「なんでこんなものを食べなくちゃいけないんだろう」と泣きながら焼き菓子を口にお茶で流し込んで吐いてしまったりとかしていました。お米とか、お粥とか、そういうものが匂いさえ駄目になってしまったのが、御飯好きの私にはかなりの衝撃でしたね。徐々にようやく治っていって、十二月の末に、白菜のおしんこと海苔で白いご飯が食べられたときの感激ったらありませんでした。大袈裟にいうなら、手術が無事終わって退院したときよりもさえ感激したくらいです。
・・・自分自身も「生きて」この年明けにたどりつくことができただけで、「よかったなあ」という気分です。二〇一〇年が、二〇一一年が私にくるかどうかは、これはもうヤーンの決めること。もう何も考えずに、ただ、ちょっとでも沢山グインを先に進めておきたいなと思います。やっといろいろな下地がすべて終わって、まさにこれからが本当の意味での「三国志のはじまり」だと思いますから。
(「グイン・サーガ」125巻 作者あとがき P301)
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とにかく「文字にして自分の外に出すこと」への妄執、というものだけが私を突き動かしてます
(「グイン・サーガ」95巻 作者あとがき P309)
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栗本薫という稀有な才能に敬意を表したい。

英語を使うアルバイト

英語を使うアルバイトのお知らせです。

レアジョブのレッスン管理のアルバイトを募集します。


戦略コンサル辞めて起業している日記-091013_1


業務内容
・レッスンの円滑な進行のサポート
・問題が発生した場合の対応
・カスタマーサポートスタッフの育成・業務改善提案

必須能力・素養
・カスタマーサポートポリシーなど、新しいものを柔軟に吸収していく能力
・相手の気持ちを理解し、適切な言葉で自分の伝えるべきことを表現できるコミュニケーション能力
・異文化を尊重できる姿勢
・フィリピン人講師とメールやチャットでコミュニケーションできる英語力
・簡単なPC操作

あったら望ましい能力
・英語での会話力


戦略コンサル辞めて起業している日記-091013_3


レアジョブで働くメリット
・講師やフィリピン人スタッフをはじめとした外国人とやり取りすることで、 英語でのコミュニケーション能力、業務遂行能力が高まります
・ビジネスで通用する言葉遣い・考え方が身につきます。

募集要項
・勤務地 東京都渋谷区渋谷3-6-1 渋谷各駅より徒歩3分
※2010年3月までは東京都千代田区内神田(地下鉄大手町徒歩5分、JR神田駅徒歩7分)での勤務
・待遇 1,200円/時 (昇給あり)(研修期間は1,100円)(交通費込み)
・支払方法 毎月末締め、翌月25日支払
・勤務時間 平日20時~25時(終電の時間など、変更は相談に応じます)
・勤務日 週3日以上のシフト制なので、相談に応じます
・期間 最短即日からで、なるべく長期を希望します

戦略コンサル辞めて起業している日記-091013_2


応募はこちら より。

Win-win

東京でも、ビジョン・ミッションのミーティングをやった。
フィリピンでやったのとほとんど同じ手順 でやったのだが、
やっている仕事が違えば、見る視点も違う。
新しい視点がばんばんでてきて面白かった。

例えば、当たり前と言えば当たり前だが、
フィリピン側では講師側の話が多く出てきたが、
日本側では、講師が教えるしくみをつくりこむ部分の話が多く出てきた。

最終的に出てきたキーワードが、「Win-win」

レアジョブは、生徒様と講師のWin-winのプラットフォームであり、
そのプラットフォームを築く際には、会社とスタッフ間でのWin-winが大事。

まだ表現がFixできてないので、
もうちょっと掘り下げていき、言葉を確定させる必要があるのだが、
会社とスタッフ間でのWin-win、というのは、実はけっこう踏み込んだ表現。

・・・というのも、
正直、ほとんどのベンチャーにおいては、
会社~スタッフ間の関係は、Win-winというよりも、Win-Loseであることが多いから。

で、うちはそうはやりません、ということになるので、かなりの覚悟が必要になる。
このへんの詳しいところはまた今度。

作業に熱中するのは良くないかどうか

コンサルでは、一つの作業に熱中するのは良くない、と教えられる。

全ての作業はイシューに基づいて行われるものだから、
熱中してしまう、というのは、全体像を理解していないってこと。
一部が過剰品質になっても、多くの場合、プロジェクト全体の価値向上に貢献しない。
だから、目的を押え、バランス良く、要領よく作業をこなしなさい。

そう教えられる。



確かにコンサルではそうなんだけれど、
起業してからの2年間でわかったのは、
経営者、とくに起業家では、違うってこと。

全体のバランスを忘れて、一つの作業に熱中してしまう気質は、
コンサルとしては適性のなさを表す指標のひとつなのかもしれないけれど、
経営者としては、むしろ適性があることを表す指標のひとつ何だと思う。

なんでかというと、「思い」が大事だから。

経営者の仕事は、きれいな絵を描くことじゃなくて、人を動かすこと。
描く絵なんて、10人前でいい。
だいじなのは、描いた絵を実現できるかどうか。
つまり、人々の気持ちを、絵の実現に向けて動かせるかどうか。

では、どうやって人々の気持ちを動かすか。
僕は、それは、自分自身の「思い」が一番だと思う。
他の人を本気にさせるのは、自分の本気だけだ。
要領よく人を本気にさせる方法なんて、そんなの、相手に失礼じゃないか。

全体のバランスがとれているものからは、人々は、何も感じない。
うまいね、しっかりしている、安心できる、 くらいの感想が関の山。

むしろ、大事なのは、過剰品質。
「なんで、こんなところに、こんなにこだわっているの?」 という意味のわからなさが、
「この人は、何をしたい人なんだろう?」 という疑問をうみだす。

その人をより深く理解しようとする好奇心を生み出し、
その人を深く理解すればするほど、
その人に影響され、動かされていく。

・製品の見た目に興味のないスティーブ・ジョブズ。
・技術にこだわりのない本田宗一郎。
・世の中をアルゴリズムで片付けようとしないGoogleのS・ブリン&L・ペイジ

そういう経営者たちに、人々は、心動かされるのだろうか。

人々を馬鹿にしてはいけない。
強い思いでしか、他の人の思いは動かせない。
だから、作業に熱中してしまう性質は、
コンサルにとっては悪でも、
起業家に向いている、そういう素質だと思う。

ブログを通した人材募集に、Twitterツイッターが有効

ブログを通した人材募集に、Twitterツイッターが有効という話を聞いて、面白かった。

ブログは人材募集にとても有効だが、難点があるのは、リーチできる母集団が限られていること。
それを補うのが、Twitter。

ブログを投稿するたびに、
ブログの題名 + ブログURL でつぶやく。

これを繰り返す。

で、自分のつぶやきが、ブログの内容を反映したものになる。

つぎに、自分の採用したい人材に関するキーワードで、つぶやきを検索する。
(うーんと、例えば、サーバのスケーラビリティとか、そういうの)

で、検索結果の中から、目ぼしい人をひたすらフォローする。
そうすると、肩書きが「社長」とか「CTO」とかだと、そのうち何割かは自分のことをフォローし返してくれる。

この、フォローし返す、という双方向性が非常に重要。
RSSは双方向性でないので、自分がRSSを取得していることが相手に届かない。
だから自分のブログのリーチを広げられない。

でも、ツイッターは双方向なのがすごい。
要するに、自分のブログに少しでも関連のある人に、すごくリーチがしやすいのだ。

この方法で、1000人くらい応募のあった社長さんとかもいるらしい。

ブログは人材獲得に有効だけれど、リーチが狭いのが欠点だよなぁ、と思っていたのだが、
こんな方法もあるのか、と納得。

ただし、ブログをマメに書き続けている人でないと有効でないので、要注意。




戦略コンサル辞めて起業している日記