日本のGroup dynamicsの特殊性
うちのフィリピン人講師が、日本の1年留学を終えてフィリピンに帰ってきたので、久しぶりに会って食事をした。
日本での話をつれづれと聞いていたが、
「ところで、日本で出会ったCultural differenceの中で、一番ショッキングだったものは何?」
と質問した。
で、その子は興奮ぎみにこう答えた。
「もう、なんといってもGroup dynamics!!!」
「部活とか、バイトとかやってみたんだけれど、やっぱりフィリピンと全然違った」
「後輩と先輩の関係とか、Groupの中での役割分担が明示されずに自然に決まっているのに驚いた」
「あと、これをしなさい、あれをしなさいって色々言われない。グループのために何をしたら貢献できるか、自分で考えて行動しなさい、と言われる。これは驚き。」
「あと、人々のSource of the motivationは、他の人に競争して勝つこととか、給料が増えることではない。グループに貢献することそのものが、Source of motivation。敗者がうまれるとか、余計な給与を支払うとかが必要ない。なんて効率的なんだと思う」
この話を聞いて僕は大笑いした。
「そうなんだよね。
日本は、
個人と組織のWin-win関係が当然成立しているものとして、
何も明示化・約束されていないのに、
個人が組織のために自律的に貢献しようとしている、そういう社会だよね。
これが日本のすごさだけれど、反面、外国人からしたらとっても奇妙だよね。」
日本人が外国人のマネジメントするときによく陥る失敗がいくつかある。
1) 年上を尊敬しろ、などのような日本の関係性を無意識に求めてしまう
2) Job descriptionを明確化しようとしない
3) 「社長の立場に立って考えろ」と言ってしまう
4) 給与の上昇カーブなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」というWin-win条件を明示しない
これらの点は全て、日本のGroup dynamicsの特殊性に端を発していると思う。
1) 無意識に決まっている関係性は国ごとに違うので、年上を尊敬するとか、日本の文化を押しつけても、外国人にとっては「?」でしかない。響かないから、決して動いてくれない
2) 明確化されていない期待に応えようとする/答えられうるのは、日本人の珍しい、そして優れた素質。外国人に求めるのは無理がある。
3) 「自分が所属しているグループにおける自分の役割ってなんだろう?」「他の人とキャラがかぶっていないか?」など、日本人は常々無意識に考えている。じゃないと、組織で認めてもらえなかったり、最悪組織で浮いてしまうから。 外国人は組織の都合は日本人ほど考えず、もっとリラックスして好きなようにやっている。だから、社長のように全体最適を考える傾向が低くなる
4) 日本人は、所属グループへの貢献が、グループの他の人からの賞賛のもとになり、中長期には弱い形で金銭的な報酬へもつながる。だから、無意識にWin-winで組織に貢献しようとする。極端な場合はLose-Winで自分を犠牲にしてでも貢献しようとする。だから日本のベンチャーの場合、報酬体系は未整備で、ベンチャーの社長のテクニック=社員に夢を語ってただ働きさせることがうまいかどうか、ということが往々にしてありうる。 でも、外国人の場合、それでは通用しない。組織への貢献それ自体はインセンティブになりえない。金銭やキャリア、賞賛される仕組みなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」ということを明示しないと、動いてくれない。この明示の中には、会社と企業の間でのWin-win関係が従業員の中でよほど強固に認知されている、という特殊な例も含まれる
それじゃぁ、どうしたらよいのかというと、下記のような打ち手が考えられる。
1) 相手の文化において、無意識に決まっている関係性を必死に探る。文献リサーチも有効。
2) Job descriptionを明確化するよう頑張る。時間を取る。
3) 部分最適=全体最適となるように、組織構造や手続き、仕事の目的をデザインする
4) 給与の上昇カーブなど示せないときは、従業員が組織へ貢献していなくても悪いのは従業員ではなく経営者、という認識を持つ
とにかく、その子には、次のように力強く言ってもらえて、うれしかった。
「ホント、Kato-san、こんな異文化の中で社長やっているの、Really amazing!」
レアジョブは色々とほめていただくことは多いが、
この異文化マネジメントの点について感心してくれたのは、たった4人しかいない。。。
・この子
・やはり日本に1年間留学していた子
・フィリピンで10年弱会社を経営している社長
・中国で10年弱会社を経営している社長
1年間は異文化にもまれる経験が必須なのかなぁ、という気がしている。
で、冒頭の、日本から帰ってきた子に、
「うちで、日本とフィリピンでつなぐ役割を果たしてほしい。」
とお願いしたところ、即OKで、うちに入ってくれることになった。
この子のように優秀な子を、一回食事しただけで雇えるのはありがたい。
・トップ大学のフィリピン大学卒で
・講師としての優れた実績があってまじめで
・日本文化を理解し、日本語がある程度上手に話せる
優秀な人材を雇う仕組み作り が、フィリピンでは確実にできあがっていると思う。
日本での話をつれづれと聞いていたが、
「ところで、日本で出会ったCultural differenceの中で、一番ショッキングだったものは何?」
と質問した。
で、その子は興奮ぎみにこう答えた。
「もう、なんといってもGroup dynamics!!!」
「部活とか、バイトとかやってみたんだけれど、やっぱりフィリピンと全然違った」
「後輩と先輩の関係とか、Groupの中での役割分担が明示されずに自然に決まっているのに驚いた」
「あと、これをしなさい、あれをしなさいって色々言われない。グループのために何をしたら貢献できるか、自分で考えて行動しなさい、と言われる。これは驚き。」
「あと、人々のSource of the motivationは、他の人に競争して勝つこととか、給料が増えることではない。グループに貢献することそのものが、Source of motivation。敗者がうまれるとか、余計な給与を支払うとかが必要ない。なんて効率的なんだと思う」
この話を聞いて僕は大笑いした。
「そうなんだよね。
日本は、
個人と組織のWin-win関係が当然成立しているものとして、
何も明示化・約束されていないのに、
個人が組織のために自律的に貢献しようとしている、そういう社会だよね。
これが日本のすごさだけれど、反面、外国人からしたらとっても奇妙だよね。」
日本人が外国人のマネジメントするときによく陥る失敗がいくつかある。
1) 年上を尊敬しろ、などのような日本の関係性を無意識に求めてしまう
2) Job descriptionを明確化しようとしない
3) 「社長の立場に立って考えろ」と言ってしまう
4) 給与の上昇カーブなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」というWin-win条件を明示しない
これらの点は全て、日本のGroup dynamicsの特殊性に端を発していると思う。
1) 無意識に決まっている関係性は国ごとに違うので、年上を尊敬するとか、日本の文化を押しつけても、外国人にとっては「?」でしかない。響かないから、決して動いてくれない
2) 明確化されていない期待に応えようとする/答えられうるのは、日本人の珍しい、そして優れた素質。外国人に求めるのは無理がある。
3) 「自分が所属しているグループにおける自分の役割ってなんだろう?」「他の人とキャラがかぶっていないか?」など、日本人は常々無意識に考えている。じゃないと、組織で認めてもらえなかったり、最悪組織で浮いてしまうから。 外国人は組織の都合は日本人ほど考えず、もっとリラックスして好きなようにやっている。だから、社長のように全体最適を考える傾向が低くなる
4) 日本人は、所属グループへの貢献が、グループの他の人からの賞賛のもとになり、中長期には弱い形で金銭的な報酬へもつながる。だから、無意識にWin-winで組織に貢献しようとする。極端な場合はLose-Winで自分を犠牲にしてでも貢献しようとする。だから日本のベンチャーの場合、報酬体系は未整備で、ベンチャーの社長のテクニック=社員に夢を語ってただ働きさせることがうまいかどうか、ということが往々にしてありうる。 でも、外国人の場合、それでは通用しない。組織への貢献それ自体はインセンティブになりえない。金銭やキャリア、賞賛される仕組みなど、「この仕事を頑張るとあなたが得られるものは何か」ということを明示しないと、動いてくれない。この明示の中には、会社と企業の間でのWin-win関係が従業員の中でよほど強固に認知されている、という特殊な例も含まれる
それじゃぁ、どうしたらよいのかというと、下記のような打ち手が考えられる。
1) 相手の文化において、無意識に決まっている関係性を必死に探る。文献リサーチも有効。
2) Job descriptionを明確化するよう頑張る。時間を取る。
3) 部分最適=全体最適となるように、組織構造や手続き、仕事の目的をデザインする
4) 給与の上昇カーブなど示せないときは、従業員が組織へ貢献していなくても悪いのは従業員ではなく経営者、という認識を持つ
とにかく、その子には、次のように力強く言ってもらえて、うれしかった。
「ホント、Kato-san、こんな異文化の中で社長やっているの、Really amazing!」
レアジョブは色々とほめていただくことは多いが、
この異文化マネジメントの点について感心してくれたのは、たった4人しかいない。。。
・この子
・やはり日本に1年間留学していた子
・フィリピンで10年弱会社を経営している社長
・中国で10年弱会社を経営している社長
1年間は異文化にもまれる経験が必須なのかなぁ、という気がしている。
で、冒頭の、日本から帰ってきた子に、
「うちで、日本とフィリピンでつなぐ役割を果たしてほしい。」
とお願いしたところ、即OKで、うちに入ってくれることになった。
この子のように優秀な子を、一回食事しただけで雇えるのはありがたい。
・トップ大学のフィリピン大学卒で
・講師としての優れた実績があってまじめで
・日本文化を理解し、日本語がある程度上手に話せる
優秀な人材を雇う仕組み作り が、フィリピンでは確実にできあがっていると思う。