日本人は実質主義・結果重視、フィリピン人は形式主義・手続重視
新しいルールを提案・施行する上でまず重要なのは、みんなの納得感。
だから、ルールが合理的かどうか、
これが非常に大事。
これは、どんな国だろうが関係ない。
では、それ以外に重要な点はどうか、というと、
国も違えば文化も違う。
フィリピンでは、日本と違って、次の2点が重要かなぁと思う。
1) ルールが網羅的か
2) ルール発動までに適切なプロセスを踏めるか (予告・警告期間を設ける、など)
上記2点が守られていないと、例え甘めのルールでも文句が来る。
例えば、、、
「xxxの点がルールに書いてない」
(→ 日本人からすれば、そんなにルールを細かくして覚えられるの?
. という気もするが、書いてあること自体が大事な模様)
「私はルールを破ったが、そっちだってxxxのプロセスを踏んでいない」
(→ 日本人からすれば、ルールを破った上に文句を言うな、
. という気もするが、反論できる余地があると反論する模様)
日本人は次のように考える。
「ルールをものすごく細かくされても守れない」
「細かい話よりも、所属している会社やグループに迷惑をかけていないかどうか、これが大切」
この感覚からすると、フィリピンでは「?」なことも多い。
でも逆に言うと、網羅性とプロセス、この2点さえ守られていれば、
少々厳し目のルールでもよいのかなぁ、
という気がしている。
良くも悪くも、
日本人は実質主義・結果重視で、
フィリピン人は形式主義・手続重視 だなぁと思う。
(どちらかというと、です。例外ももちろんあります)
僕は日本人だけれど、フィリピン人向けルールを設計しているので、フィリピンに合わせようと努力中。
ただ、根がルール嫌いなので、楽しい作業ではない。
法学部出身だったらもう少しスムーズだっただろうなぁと思う。
ところで、確かアメリカは、フィリピンに近い、形式主義・手続重視だと何かで読んだ気がする。
これは、多国籍文化をマネジメントするという視点からすると、
形式主義の方が解釈の違いをうまない(=混乱を招かない)からだろうなぁと思う。
海外でこのブログを読んでくださる皆さん、
そちらの事情をご存知でしたら教えてくださいませ。
(特に、エジプト→シカゴのK君)
だから、ルールが合理的かどうか、
これが非常に大事。
これは、どんな国だろうが関係ない。
では、それ以外に重要な点はどうか、というと、
国も違えば文化も違う。
フィリピンでは、日本と違って、次の2点が重要かなぁと思う。
1) ルールが網羅的か
2) ルール発動までに適切なプロセスを踏めるか (予告・警告期間を設ける、など)
上記2点が守られていないと、例え甘めのルールでも文句が来る。
例えば、、、
「xxxの点がルールに書いてない」
(→ 日本人からすれば、そんなにルールを細かくして覚えられるの?
. という気もするが、書いてあること自体が大事な模様)
「私はルールを破ったが、そっちだってxxxのプロセスを踏んでいない」
(→ 日本人からすれば、ルールを破った上に文句を言うな、
. という気もするが、反論できる余地があると反論する模様)
日本人は次のように考える。
「ルールをものすごく細かくされても守れない」
「細かい話よりも、所属している会社やグループに迷惑をかけていないかどうか、これが大切」
この感覚からすると、フィリピンでは「?」なことも多い。
でも逆に言うと、網羅性とプロセス、この2点さえ守られていれば、
少々厳し目のルールでもよいのかなぁ、
という気がしている。
良くも悪くも、
日本人は実質主義・結果重視で、
フィリピン人は形式主義・手続重視 だなぁと思う。
(どちらかというと、です。例外ももちろんあります)
僕は日本人だけれど、フィリピン人向けルールを設計しているので、フィリピンに合わせようと努力中。
ただ、根がルール嫌いなので、楽しい作業ではない。
法学部出身だったらもう少しスムーズだっただろうなぁと思う。
ところで、確かアメリカは、フィリピンに近い、形式主義・手続重視だと何かで読んだ気がする。
これは、多国籍文化をマネジメントするという視点からすると、
形式主義の方が解釈の違いをうまない(=混乱を招かない)からだろうなぁと思う。
海外でこのブログを読んでくださる皆さん、
そちらの事情をご存知でしたら教えてくださいませ。
(特に、エジプト→シカゴのK君)
人材輩出企業
先日フィリピンで来たスタッフはリクルートグループ出身。
うちの会社がフィリピンでは人材を中途で採りにいっていない、という話をしたときに、
「フィリピンにリクルートみたいな会社がないから?」 と聞いてきた。
で、
「ないですねー レアジョブがリクルートみたいな会社にフィリピンでなりたいですね」
と答えた。
リクルートは、すごい会社だと思う。
・大企業なのに
・どんどん新規事業を成功させ、
・人材を輩出しまくっている
今日、いろいろ考えていて、
「リクルートみたいな会社」 だけでなく、
リクルートの事業そのものをフィリピンでやりたいなぁ、と思った。
Manila CEOさんがおっしゃる通り、フィリピンにはそもそも情報が少ない 。
新卒採用をしようにも、レストランを探そうにも、趣味で泳ぎに行こうと思っても、
選択肢の狭さに困る。
だから、リクルートの事業そのものをやりたいなぁ。
・「企業への招待」 からスタートし、
・各種情報出版業に進出し
・人材事業も手掛け
みたいな・・・
こういった事業の勝敗を決めるポイントは、
「自ら機会を創りだし機会によって自らを変えよ」的な社風にできるかどうか、
つまり、
仮説検証を高速で回すフィリピン人社員を大量に養成できるか、だと思う。
まさに、僕が今フィリピンで必死で取り組んでいることそのものではないか!
じゃぁ、よし、やるか!
・・・というように、休日にひとり妄想中。
レアジョブは、リクルート的事業は、100%、やりません。(少なくとも直近では)
英会話に専念します。
うちの会社がフィリピンでは人材を中途で採りにいっていない、という話をしたときに、
「フィリピンにリクルートみたいな会社がないから?」 と聞いてきた。
で、
「ないですねー レアジョブがリクルートみたいな会社にフィリピンでなりたいですね」
と答えた。
リクルートは、すごい会社だと思う。
・大企業なのに
・どんどん新規事業を成功させ、
・人材を輩出しまくっている
今日、いろいろ考えていて、
「リクルートみたいな会社」 だけでなく、
リクルートの事業そのものをフィリピンでやりたいなぁ、と思った。
Manila CEOさんがおっしゃる通り、フィリピンにはそもそも情報が少ない 。
新卒採用をしようにも、レストランを探そうにも、趣味で泳ぎに行こうと思っても、
選択肢の狭さに困る。
だから、リクルートの事業そのものをやりたいなぁ。
・「企業への招待」 からスタートし、
・各種情報出版業に進出し
・人材事業も手掛け
みたいな・・・
こういった事業の勝敗を決めるポイントは、
「自ら機会を創りだし機会によって自らを変えよ」的な社風にできるかどうか、
つまり、
仮説検証を高速で回すフィリピン人社員を大量に養成できるか、だと思う。
まさに、僕が今フィリピンで必死で取り組んでいることそのものではないか!
じゃぁ、よし、やるか!
・・・というように、休日にひとり妄想中。
レアジョブは、リクルート的事業は、100%、やりません。(少なくとも直近では)
英会話に専念します。
お客様と最も接する人 = アイデアを出す人 を維持できるか
昨日書いた 「組織のフラット化
」 と、
一昨日書いた 「意見を吸い上げ、即実行する仕組み 」 をまとめると、
次のようなことになります。
組織が小さいうち、例えば役員3名だけの起業当初は、もちろん組織は1階層。
その全員が、
お客様と最も接する人 = アイデアを出す人 = 意思決定する人 = 機能をつくる人
である。
マネジメントの仕組なんか全く必要なく、思いついたことをそれぞれが光速でやればよい。
だけれども、組織が成長し、
フルタイムスタッフが10名、パートタイムスタッフが20名くらいになると話が違ってくる。
例えば、こんな感じになる。
役員 ・・・ 意思決定をする人
フルタイムスタッフ ・・・ 機能をつくる人
パートタイムスタッフ ・・・ お客様と最も接する人 (少なくとも延べ時間で)
どう改善すべきなのかは、自分で考えることだが、
何を改善すべきなのかは、お客様から教えていただくもの。
だから、上記の場合、最前線にいるパートタイムスタッフは、
改善すべき点についてアイデアを一杯持っているはず。
お客様と最も接する人たちのアイデアを、
意思決定する人、機能をつくる人にいかに伝え、
いかに適切に判断し、実行につなげていくか。
これが重要になる。
これを実現するうえでは、組織の階層が少なければ少ないほどいい。
一方、昨日書いた 通り、組織の階層が少ないと、スタッフ一人一人に求められる力量が大きくなってくる。
このジレンマをいかに解決できるかが、、
いわゆる「売上3億円の壁
」を突破できるかどうかを分けるポイントの1つなのだろうと思う。
一昨日書いた 「意見を吸い上げ、即実行する仕組み 」 をまとめると、
次のようなことになります。
組織が小さいうち、例えば役員3名だけの起業当初は、もちろん組織は1階層。
その全員が、
お客様と最も接する人 = アイデアを出す人 = 意思決定する人 = 機能をつくる人
である。
マネジメントの仕組なんか全く必要なく、思いついたことをそれぞれが光速でやればよい。
だけれども、組織が成長し、
フルタイムスタッフが10名、パートタイムスタッフが20名くらいになると話が違ってくる。
例えば、こんな感じになる。
役員 ・・・ 意思決定をする人
フルタイムスタッフ ・・・ 機能をつくる人
パートタイムスタッフ ・・・ お客様と最も接する人 (少なくとも延べ時間で)
どう改善すべきなのかは、自分で考えることだが、
何を改善すべきなのかは、お客様から教えていただくもの。
だから、上記の場合、最前線にいるパートタイムスタッフは、
改善すべき点についてアイデアを一杯持っているはず。
お客様と最も接する人たちのアイデアを、
意思決定する人、機能をつくる人にいかに伝え、
いかに適切に判断し、実行につなげていくか。
これが重要になる。
これを実現するうえでは、組織の階層が少なければ少ないほどいい。
一方、昨日書いた 通り、組織の階層が少ないと、スタッフ一人一人に求められる力量が大きくなってくる。
このジレンマをいかに解決できるかが、、
いわゆる「売上3億円の壁
組織のフラット化
組織のフラット化、というと聞こえは良い。
・権限を委譲しやすい
・組織の風通しがよく、意思決定が迅速になり、情報が正確に伝わりやすい
実質、管理職に大きな負担を強いる仕組みだと思う。
100人スタッフがいるとして、
階層が5階層ある組織では、管理職1人が見る部下は2.8人。
階層が4階層ある組織では、管理職1人が見る部下は4.3人。
階層が3階層ある組織では、管理職1人が見る部下は9.5人。
2.8人だったら、特にすごいマネジメント能力がなくても何とかなるが、
9.5人いると、相当な力量・仕組が要求される。
・上司の本人のマネジメント能力
・部下の能力 (→ これ上司の能力以上に大事)
・会社のマネジメントの仕組
逆に言うと、力量・仕組がないならば、
フラット化なんてせず、
組織の階層を多くした方がよいんだろうなぁ、
と思っている
・権限を委譲しやすい
・組織の風通しがよく、意思決定が迅速になり、情報が正確に伝わりやすい
実質、管理職に大きな負担を強いる仕組みだと思う。
100人スタッフがいるとして、
階層が5階層ある組織では、管理職1人が見る部下は2.8人。
階層が4階層ある組織では、管理職1人が見る部下は4.3人。
階層が3階層ある組織では、管理職1人が見る部下は9.5人。
2.8人だったら、特にすごいマネジメント能力がなくても何とかなるが、
9.5人いると、相当な力量・仕組が要求される。
・上司の本人のマネジメント能力
・部下の能力 (→ これ上司の能力以上に大事)
・会社のマネジメントの仕組
逆に言うと、力量・仕組がないならば、
フラット化なんてせず、
組織の階層を多くした方がよいんだろうなぁ、
と思っている
意見を吸い上げ、即実行する仕組み
先日フィリピンに来たとき、どの航空券を買おうか迷った
・明日すぐにフィリピンに行く必要があるが、
・日本に帰る日取りが読めていない
成田発のOpen航空券を買おうか、
成田発の往復航空券を買って帰りの分を捨てるか、色々考えたが、
大坂まで新幹線で行き、関空発フィリピン行きの外資系格安航空会社の片道航空券で乗るのがよいとわかった。
(この格安航空会社を、ここではA社と呼ぶことにする)
で、A社の片道航空券をオンラインで購入し、
のぞみに乗って東京から関空まで行った。
だが、関空のA社のチェックインカウンターで、
「このままですとお客様を乗せることはできません」
と言われた。
なぜか、というと、片道チケットでは、下記の人を載せられないのだという。
・非フィリピン人で、
・労働ビザなどのビザが既にパスポートに貼られてない人が、
・フィリピンから出国する航空券を紙で持たない場合
フィリピンは、往復航空券があれば日本人はビザなしで渡航できる国だ。
だからはいつもは何の問題もなかった。
ただ今回は、片道航空券。
そして僕の労働ビザはあいにく申請途中。
だから、どうしても帰りの航空券を今すぐここで買ってほしい、とのことだった。
「片道航空券を御社のウェブで買うとき、そういった類の警告は一切出なかったんだけれど」
と言うと、そういった警告は一切出していないのだと言う。
だから僕は次のように抗議した。
「どれだけのお客さんが、フィリピンのビザ事情や御社のポリシーに通じていると思いますか?」
「御社なら片道航空券で行ける、そう思ってわざわざ東京から新幹線に乗って来た」
「そしたら、片道ではダメで、往復を買ってくれ、と言われている始末」
「僕の気持、わかりますか?」
「地上職員のあなたたちが悪いわけじゃない。」
「ただ、ウェブサイトに書いてほしいと言っている」
「そうじゃなきゃ、また僕と同じ目に会う人が出てきますよね?」
ふと横のカウンターを見ると、全く同じトラブルを抱えている人がいた。
地上職員の人に、こういったトラブルは何件来ているのかと聞いた。
「1日1~2件位ですかね (苦笑)」
とのことだった。
これを解決する手段としては、
片道航空券を販売したときに、画面のどこかに警告を出す。
ただそれだけ。
こんなもん、1万円もかからないでできるはず。
そしてこれをやるだけで、
忙しい時間帯のチェックインカウンターでもめる客1.5人/日×時間20分×365日×時給1000円、
年間18万円は節約でき、顧客の印象もよくなる。
で、こんなことは、僕が話した地上職員は百も承知なはず。
じゃあなぜやらないのか。
ここから先は想像になるが、
意見を現場から吸い上げて即座に実行する仕組がないか、
形式上あっても、実際には動いていないんだろうと思う。
だから、現場ならだれしもが気づいていることが即座に実行されず、
現場が、毎日毎日、不毛な問題にダラダラと取り組まざるを得ないのだと思う。
・現場が思いついたアイデアを、すぐ上に上げやすいか
・上がってきたアイデアを、まっとうな意見かどうかきちんと判定できるか
・まっとうな意見だとわかった場合に、即座に実行できるか
これが品質を分けるのだと思う。
安さを求めると、どうしても質を高くできない部分がある。
それはしょうがない。
そしてそれはお客さんも(多くは)納得してくれると思う。
けれども、コストをかけないで質を高める方法はいっぱいある。
そしてそれは、多くの場合現場から生まれてくる。
数ヶ月前に、「ANA的対応か、JAL的対応か 」で、このツイッターを取り上げた。
JALとANAの両社に、マイルをハイチに寄付したいと要望を送ってみた。JAL の回答:「そのようなサービスはございません」、ANAの回答:「過去にもお客様ご要望で四川大地震などで臨時対応したことがあり、早速担当部署に検討させます」。ユーザーと向き合う姿勢がまるで違う。
今なら、「それは間違いだ」って言える。
ユーザに向き合う態度が違うんじゃない。
会社の上層部が、現場にいるスタッフと向き合う態度が違うんだ。
ANAだって、「やる」とは別に言っていない。
最終的には、コストの問題で「やらない」という決断を下すかもしれない。
でも、現場は現場の意見を上に挙げることができる。
ANAが「やる」と即答したのは、「その意見を上と検討します」ということだと思う。
品質は、現場の細かい努力の積み重ねで獲得されるものだと思う。
だが、現場がいかに頑張っても、
マネジメントがしっかりしていなければ、
現場の努力が品質改善に結びつかないんだと思う。
現場の努力は、
品質改善の必要条件だが、 (=現場の努力がないと、品質改善できない)
十分条件ではない。 (=現場の努力だけでは、品質改善できない)
だから、現場から上がってきた真っ当な意見をいかに即座に実行できるか。
このマネジメントの仕組が合わさって始めて、品質改善の十分条件になるんだと思う。
高価格で提供した場合に高品質にできるのは当たり前だが、
低価格と高品質を両立できるかどうか。
ここは、経営力の巧拙が特に問われる分野なのだと思う。
ではひるがえって、自分自身の会社、レアジョブはどうなのか。
実は、うちの会社でも、ちょっとやり方を変えた。
講師か正社員、インターンのことしかいつも書いていないが、
うちのアルバイトの人も、意識が高くてとっても優秀。
で、あるときアルバイトの1人が、4ページにもわたるレポートを書いてきてくれた。
その内容を一言でいうと、「アルバイトの意見をもっと吸い上げてほしい」
ということだった。
ナルホド、と思って、意見を共有する仕組みを作り、動かし始めた。
・アルバイトスタッフが、作業中に何か問題点に気付く
・それを3~5行で「改善提案」としてまとめ、メーリングリストに投げてもらう
・僕やCTOが、早い時は10分で、遅い時は1日で返事をする
・即座に実行すべしと判断された意見は、即座に実行する
この仕組をつくってみて、
いいなぁ、なんでもっと早くやらなかったんだろ、と思う。
既にいくつかアイデアを実行した。
現場の意見を吸い上げて、判断して、よいものは即実行。
レアジョブはまだまだ発展途上のサービスだけれど、
これを続けていけば、もっともっと良いサービスになることができると思う。
(A社を批判する内容を上に書きましたが、
A社はけっこう、「飛行機が落ちる率」が低いことを書いておきます。
山崎豊子著「沈まぬ太陽」を見る限り、飛行機を落とさないためには現場が重要なようです。
おそらく、ある程度は、意見を吸い上げる仕組みがしっかりしているのだと思います)
・明日すぐにフィリピンに行く必要があるが、
・日本に帰る日取りが読めていない
成田発のOpen航空券を買おうか、
成田発の往復航空券を買って帰りの分を捨てるか、色々考えたが、
大坂まで新幹線で行き、関空発フィリピン行きの外資系格安航空会社の片道航空券で乗るのがよいとわかった。
(この格安航空会社を、ここではA社と呼ぶことにする)
で、A社の片道航空券をオンラインで購入し、
のぞみに乗って東京から関空まで行った。
だが、関空のA社のチェックインカウンターで、
「このままですとお客様を乗せることはできません」
と言われた。
なぜか、というと、片道チケットでは、下記の人を載せられないのだという。
・非フィリピン人で、
・労働ビザなどのビザが既にパスポートに貼られてない人が、
・フィリピンから出国する航空券を紙で持たない場合
フィリピンは、往復航空券があれば日本人はビザなしで渡航できる国だ。
だからはいつもは何の問題もなかった。
ただ今回は、片道航空券。
そして僕の労働ビザはあいにく申請途中。
だから、どうしても帰りの航空券を今すぐここで買ってほしい、とのことだった。
「片道航空券を御社のウェブで買うとき、そういった類の警告は一切出なかったんだけれど」
と言うと、そういった警告は一切出していないのだと言う。
だから僕は次のように抗議した。
「どれだけのお客さんが、フィリピンのビザ事情や御社のポリシーに通じていると思いますか?」
「御社なら片道航空券で行ける、そう思ってわざわざ東京から新幹線に乗って来た」
「そしたら、片道ではダメで、往復を買ってくれ、と言われている始末」
「僕の気持、わかりますか?」
「地上職員のあなたたちが悪いわけじゃない。」
「ただ、ウェブサイトに書いてほしいと言っている」
「そうじゃなきゃ、また僕と同じ目に会う人が出てきますよね?」
ふと横のカウンターを見ると、全く同じトラブルを抱えている人がいた。
地上職員の人に、こういったトラブルは何件来ているのかと聞いた。
「1日1~2件位ですかね (苦笑)」
とのことだった。
これを解決する手段としては、
片道航空券を販売したときに、画面のどこかに警告を出す。
ただそれだけ。
こんなもん、1万円もかからないでできるはず。
そしてこれをやるだけで、
忙しい時間帯のチェックインカウンターでもめる客1.5人/日×時間20分×365日×時給1000円、
年間18万円は節約でき、顧客の印象もよくなる。
で、こんなことは、僕が話した地上職員は百も承知なはず。
じゃあなぜやらないのか。
ここから先は想像になるが、
意見を現場から吸い上げて即座に実行する仕組がないか、
形式上あっても、実際には動いていないんだろうと思う。
だから、現場ならだれしもが気づいていることが即座に実行されず、
現場が、毎日毎日、不毛な問題にダラダラと取り組まざるを得ないのだと思う。
・現場が思いついたアイデアを、すぐ上に上げやすいか
・上がってきたアイデアを、まっとうな意見かどうかきちんと判定できるか
・まっとうな意見だとわかった場合に、即座に実行できるか
これが品質を分けるのだと思う。
安さを求めると、どうしても質を高くできない部分がある。
それはしょうがない。
そしてそれはお客さんも(多くは)納得してくれると思う。
けれども、コストをかけないで質を高める方法はいっぱいある。
そしてそれは、多くの場合現場から生まれてくる。
数ヶ月前に、「ANA的対応か、JAL的対応か 」で、このツイッターを取り上げた。
JALとANAの両社に、マイルをハイチに寄付したいと要望を送ってみた。JAL の回答:「そのようなサービスはございません」、ANAの回答:「過去にもお客様ご要望で四川大地震などで臨時対応したことがあり、早速担当部署に検討させます」。ユーザーと向き合う姿勢がまるで違う。
今なら、「それは間違いだ」って言える。
ユーザに向き合う態度が違うんじゃない。
会社の上層部が、現場にいるスタッフと向き合う態度が違うんだ。
ANAだって、「やる」とは別に言っていない。
最終的には、コストの問題で「やらない」という決断を下すかもしれない。
でも、現場は現場の意見を上に挙げることができる。
ANAが「やる」と即答したのは、「その意見を上と検討します」ということだと思う。
品質は、現場の細かい努力の積み重ねで獲得されるものだと思う。
だが、現場がいかに頑張っても、
マネジメントがしっかりしていなければ、
現場の努力が品質改善に結びつかないんだと思う。
現場の努力は、
品質改善の必要条件だが、 (=現場の努力がないと、品質改善できない)
十分条件ではない。 (=現場の努力だけでは、品質改善できない)
だから、現場から上がってきた真っ当な意見をいかに即座に実行できるか。
このマネジメントの仕組が合わさって始めて、品質改善の十分条件になるんだと思う。
高価格で提供した場合に高品質にできるのは当たり前だが、
低価格と高品質を両立できるかどうか。
ここは、経営力の巧拙が特に問われる分野なのだと思う。
ではひるがえって、自分自身の会社、レアジョブはどうなのか。
実は、うちの会社でも、ちょっとやり方を変えた。
講師か正社員、インターンのことしかいつも書いていないが、
うちのアルバイトの人も、意識が高くてとっても優秀。
で、あるときアルバイトの1人が、4ページにもわたるレポートを書いてきてくれた。
その内容を一言でいうと、「アルバイトの意見をもっと吸い上げてほしい」
ということだった。
ナルホド、と思って、意見を共有する仕組みを作り、動かし始めた。
・アルバイトスタッフが、作業中に何か問題点に気付く
・それを3~5行で「改善提案」としてまとめ、メーリングリストに投げてもらう
・僕やCTOが、早い時は10分で、遅い時は1日で返事をする
・即座に実行すべしと判断された意見は、即座に実行する
この仕組をつくってみて、
いいなぁ、なんでもっと早くやらなかったんだろ、と思う。
既にいくつかアイデアを実行した。
現場の意見を吸い上げて、判断して、よいものは即実行。
レアジョブはまだまだ発展途上のサービスだけれど、
これを続けていけば、もっともっと良いサービスになることができると思う。
(A社を批判する内容を上に書きましたが、
A社はけっこう、「飛行機が落ちる率」が低いことを書いておきます。
山崎豊子著「沈まぬ太陽」を見る限り、飛行機を落とさないためには現場が重要なようです。
おそらく、ある程度は、意見を吸い上げる仕組みがしっかりしているのだと思います)
ベンチャーでは、コストが最小限ですむ企画がよい企画
佐藤可士和さん曰く、
盛り込むことよりもそぎ落とすことのほうが大切ですから。これ以上少ないともう伝わらないというところまでシンプルにしています。
費用対効果は、ビジネスにおいて大事な要素。
おっきくコストをかけて、おっきな成果をうみたい。
そう考える人は、大企業が向いている。
ベンチャーは、かけられるコストが限られる。
「Aクラスの人しか採らない 」 と宣言している企業なら特にそう。
だから、ベンチャーでは効果よりもコストが大事。
・ベンチャーでは、コストが最小限ですむ企画がよい企画
・企画は最小限に絞り込んで即実行する
・機能などを追加したかったら、実行して効果がでるとわかった後にする
盛り込むことよりもそぎ落とすことのほうが大切ですから。これ以上少ないともう伝わらないというところまでシンプルにしています。
費用対効果は、ビジネスにおいて大事な要素。
おっきくコストをかけて、おっきな成果をうみたい。
そう考える人は、大企業が向いている。
ベンチャーは、かけられるコストが限られる。
「Aクラスの人しか採らない 」 と宣言している企業なら特にそう。
だから、ベンチャーでは効果よりもコストが大事。
・ベンチャーでは、コストが最小限ですむ企画がよい企画
・企画は最小限に絞り込んで即実行する
・機能などを追加したかったら、実行して効果がでるとわかった後にする
日本からしばらく離れてみて思ったこと
今フィリピンにしばらくいる。
海外を1年弱旅行したことはあるが、
旅行以外の形で、2週間以上日本を離れたのは実は始めて。
で、いろいろ発見があった。
・日本と言う国から、おいてきぼりにされている感が大きい (ニュースはウェブで見れるのに)
・日本という国の現実感が薄れていく (行ったことのない遠い国、という気がしてくる)
・土日やることがマニラではあんまりない (→ 結局仕事をし出す羽目に)
・日本食が恋しい
ホームシックにはなっていないが、
お腹がすくと、ラーメンや牛丼が頭の中をグルグル回り出す。
これは強烈。
頭の中で回り出すのが、
寿司のような高い料理ではなく、
数百円で食べれる食事であることが、
僕と言う人間を物語っているな、と思う。
海外を1年弱旅行したことはあるが、
旅行以外の形で、2週間以上日本を離れたのは実は始めて。
で、いろいろ発見があった。
・日本と言う国から、おいてきぼりにされている感が大きい (ニュースはウェブで見れるのに)
・日本という国の現実感が薄れていく (行ったことのない遠い国、という気がしてくる)
・土日やることがマニラではあんまりない (→ 結局仕事をし出す羽目に)
・日本食が恋しい
ホームシックにはなっていないが、
お腹がすくと、ラーメンや牛丼が頭の中をグルグル回り出す。
これは強烈。
頭の中で回り出すのが、
寿司のような高い料理ではなく、
数百円で食べれる食事であることが、
僕と言う人間を物語っているな、と思う。
CtoCのサービス市場において重要な二つのこと
レアジョブは、フィリピンから笑顔を分けてもらう事業をしている会社、
と昨日書いた。
別の言い方をすると、次のような位置づけになると思う。
・ CtoCのサービス市場を作ろうとしている 会社が
・ フィリピンで講師を調達し、
・ 日本市場でオンライン英会話事業を行っている
そして、CtoCのサービス市場において、次の二つが非常に重要だと思う。
・サービスの消費者への間口を広げるためのエンジニアリング
・サービスの提供者(=講師)への適切な評価&報酬システム
レアジョブをオープン化して、もっと間口を広げていきたい。
それは日本市場でのシェア拡大にとどまらず、
世界市場における市場開拓にもつながっていく だろう
同時に、適切な評価システムを作り上げ、報酬とリンクさせ、
講師がレアジョブで一生のキャリアを築き上げていこうと思えるようなサービスにしていきたい。
あ、もちろん、
講師の質とか、カスタマーサポートの質の維持・向上は
当然やるべきことと考えている & 取り組んでいます!
と昨日書いた。
別の言い方をすると、次のような位置づけになると思う。
・ CtoCのサービス市場を作ろうとしている 会社が
・ フィリピンで講師を調達し、
・ 日本市場でオンライン英会話事業を行っている
そして、CtoCのサービス市場において、次の二つが非常に重要だと思う。
・サービスの消費者への間口を広げるためのエンジニアリング
・サービスの提供者(=講師)への適切な評価&報酬システム
レアジョブをオープン化して、もっと間口を広げていきたい。
それは日本市場でのシェア拡大にとどまらず、
世界市場における市場開拓にもつながっていく だろう
同時に、適切な評価システムを作り上げ、報酬とリンクさせ、
講師がレアジョブで一生のキャリアを築き上げていこうと思えるようなサービスにしていきたい。
あ、もちろん、
講師の質とか、カスタマーサポートの質の維持・向上は
当然やるべきことと考えている & 取り組んでいます!
笑顔をフィリピンから分けてもらうサービス
フィリピンに来てもらった日本人経理スタッフ
が日本に帰国。
彼女からメールが届いた。
> 帰りの飛行機の中で「幸せってなんだろう?」ということを考えていました。
> なんでこんな風に思うんだろう?と考えてみたところ、
> 多くのフィリピン人がニコニコ笑っているから刺激を受けたようです。
> 土曜日はアニーとアテベ(アテベット?レセプションの彼女)に
> あちこち連れて行ってもらいました。
> 「タクシーにロックして。絶対カメラを出しちゃダメよ。」と念押しされる貧民街(?)に行き、
> その後一番大きいSMショッピングモールに行き、
> 両極端の雰囲気を味わいましたが、
> でもどちらでも皆ニコニコ笑ってました。
> そして表情が豊かですね!
そうそう、貧しい=かわいそう、じゃない んだ。
レアジョブというのは、ただ英語を勉強するだけのサービスじゃない。
インターネットを通して、笑顔をフィリピンから分けてもらう サービスでもあるんだと思った。
彼女からメールが届いた。
> 帰りの飛行機の中で「幸せってなんだろう?」ということを考えていました。
> なんでこんな風に思うんだろう?と考えてみたところ、
> 多くのフィリピン人がニコニコ笑っているから刺激を受けたようです。
> 土曜日はアニーとアテベ(アテベット?レセプションの彼女)に
> あちこち連れて行ってもらいました。
> 「タクシーにロックして。絶対カメラを出しちゃダメよ。」と念押しされる貧民街(?)に行き、
> その後一番大きいSMショッピングモールに行き、
> 両極端の雰囲気を味わいましたが、
> でもどちらでも皆ニコニコ笑ってました。
> そして表情が豊かですね!
そうそう、貧しい=かわいそう、じゃない んだ。
レアジョブというのは、ただ英語を勉強するだけのサービスじゃない。
インターネットを通して、笑顔をフィリピンから分けてもらう サービスでもあるんだと思った。
スキル表
ある方から、
単純に高く給与を上げても意味がない。
なぜその額面になったのかという納得感、
自分の働きが正当に評価してもらえていると受け取ってもらえるかの方が大事
と教わったのが2か月前 。
こっち(フィリピン)の経理スタッフに、
「Kato-san、Kato-sanって、私たちの経理スキルがどれくらいか、把握できていないでしょ?」
「だから、私たち、正当な評価を下してもらっていると思えない」
と言われたのが先月 。
「言ってること、もっともだ!」
「あかんあかん、社長としての責務を果たせていない。」
そう思った。
だから、今回は日本の経理スタッフにもフィリピンに来てもらった。
経理としてのスキルを全て書き出して、
レベル別に分け、
英語に訳し、
フィリピンの実情に合わせて調整し、
それぞれのスキルに値段を当てはめる。
こうしてできたスキル表をもとに、スタッフを査定し、給与を更改する。
これがようやく今日終わった。
最後に、 「これで正当な評価になったと思う?」 と、そのスタッフに聞いたときに、
そのスタッフがにっこりと笑ってくれたのだが、
そのときに何だか自分の努力が報われた気がした。
単純に高く給与を上げても意味がない。
なぜその額面になったのかという納得感、
自分の働きが正当に評価してもらえていると受け取ってもらえるかの方が大事
と教わったのが2か月前 。
こっち(フィリピン)の経理スタッフに、
「Kato-san、Kato-sanって、私たちの経理スキルがどれくらいか、把握できていないでしょ?」
「だから、私たち、正当な評価を下してもらっていると思えない」
と言われたのが先月 。
「言ってること、もっともだ!」
「あかんあかん、社長としての責務を果たせていない。」
そう思った。
だから、今回は日本の経理スタッフにもフィリピンに来てもらった。
経理としてのスキルを全て書き出して、
レベル別に分け、
英語に訳し、
フィリピンの実情に合わせて調整し、
それぞれのスキルに値段を当てはめる。
こうしてできたスキル表をもとに、スタッフを査定し、給与を更改する。
これがようやく今日終わった。
最後に、 「これで正当な評価になったと思う?」 と、そのスタッフに聞いたときに、
そのスタッフがにっこりと笑ってくれたのだが、
そのときに何だか自分の努力が報われた気がした。