日本も冬将軍がやってきて、本格的な冬ももうすぐそこですね。街
中にはクリスマスイルミネーションが輝いていることでしょう。今年は
アベノミックスでボーナスアップ、懐も暖かくなった方も多いでしょう。
技術士2次試験の口頭試験を受験されている方には、まさに今が正に
正念場ですね。風邪などひかず健康管理を十分にして、ベストの状態で
頑張ってください。
私もちょうど2年前の12月23日に東京渋谷の会場で受験したこ
とを、つい昨日のことのように覚えています。街はクリスマス一色の
中、緊張した足取りで経歴や技術士法など何度も何度も口ずさみむな
がら、試験会場に歩いていきました。面接が終わったら、ほっと気が
軽くなったので、東急百貨店に寄ってシャンペンとキャビア、チーズを
買って、自宅で家族たちと慰労会兼クリスマスパーティをしました。
試験準備のために家族サービスをさぼっていたので、久しぶりに家族と
の団欒を過ごすことができました。
さて、今年最話題になった中国情報について、二つほどお伝えします。
一つ目は中国の環境保全に関する取り組みです。
PM2.5で中国の大気汚染問題が大きく取り上げられていますが、中
国政府もただ黙認しているわけではなく、色々な対策をとっています。
その一つとして、北京市では今年中に、技術レベルが低く環境対策設備
が未整備な企業200社以上を撤退させる見込みだそうです。さらに2017年
までに1200社の撤退を目標にあげています。
また、中国では2020年までに、経済活動による温室効果ガスの排出を
40~45%削減する目標を掲げています。上海市では今年の11月末から
CO2排出量取引制度が始まりました。中国国内では広州の深圳市に引
き続き全国で2都市目となります。化学、電力、ホテル、航空会社など
温室効果ガスを大量に排出している191社をパイロット企業として選定、
2015年末までに排出枠を設定した上で、枠を超える排出場合には経済的
負担を、枠以内の場合には翌年への繰り越しあるいは売却することがで
きる仕組みとなっています。
日本は高い環境技術を持っているので、これから大きなビジネスチャ
ンスが広がるのではないでしょうか。
二つ目は上海自由貿易試験区の設置についてです。
今年9月29日から上海自由貿易区がスタートしました。今までの保税
区とは何が違うかというと、貿易手続きの簡素化、進出企業に対する企
業所得税の優遇制度、それから最も期待されているのは、人民元取引の
金融自由化が広く認められたことです。進出企業は製造業だけでなくサ
ービス業にも広く門戸を広げられ、レアアース製造、武器製造など国家
戦略製品以外は自由に投資が可能となっています、医療などのサービス
業の投資規制緩和についても新たに盛り込まれています。
この自由貿易試験区は、新たに貿易区を設置するのではなく、上海港
や上海浦東空港に隣接した既存の上海保税区の一部が、自由貿易区に変
更されています。第1期ではその面積は29km2となっています。
この上海自由貿易試験区は、米国を中心としたTPP交渉が本格的に動
き出し、あせりを強めた中国が打ち出した政策だともいわれています。
いずれは中国も資本自由化が全国的に動き出して、中国のTPP加入が現
実になる日が来るかもしれません。
尖閣問題以来チャイナー+ワンが叫ばれて、日本企業の中国離れがマ
スコミでは謳われています。しかし、こちらにいる限り中国の経済状態
はまだまだ旺盛であり、日本車の販売台数も去年の9月以前に戻ってき
ており、実際に撤退あるいは縮小する日系企業は少数派です。自由貿易
試験区は日本の得意なサービス産業にも開かれています。日本の得意な
物づくりに、さらに日本らしいサービスを組み込んだ製品で、中国市場
を攻めていけるのではないでしょうか。
それでは皆さん、Happy Merry Christmasとよい年をお迎え下さい。