一昨日のことですが…
いつもお世話になっている千僧駐屯地へ以下のイラストをお渡ししてきました。
もちろん、災害派遣へ行かれている第3師団の隊員様宛てですが…。
あと、中部方面隊隊員様宛てのモノも託してきました。
現地へこれらのイラストが行くかはわかりません。
ちなみに、5月15日の千僧駐屯地記念行事は、一般非公開となりました。
まあいう隊内行事扱いです。
夏祭りに関しましても検討中とのことです。
まあ仕方がないことです。
たくさんの隊員が、ハイチ、そして東北へ派遣されていますものね。
お祭りなんてしている場合ではないですから。
あと、数作作っています。
その一部。
松島基地の皆様へ…。
松島基地の友人へも直接メールでお送りしました。
地震発生後、ちょうど一週間で連絡が来てホッとしましたが、
隊員さん1名の件と航空機全滅の件では、ホント心が痛みました。
しかし、航空機はお金で何とかなるかもしれませんが、人の命と心はお金では買えません!
たくさんに被災された方が、一日でも早く安心した生活を送れますように…。
頑張れ!日本!
これくらいで崩れる日本じゃないよね?
そう思って一日一日感謝しながら生きていきましょう!
東北地方太平洋沖地震について…
少し遅くなりましたが、2011年3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震の影響により、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
阪神淡路大震災経験者であり、地震に対してトラウマがある私…少し落ち着いたので書かせて頂きます。
また、ブルーインパルス等のイラスト資料にご協力してくださっている松島基地勤務の大切な友人と連絡が取れず心が痛んでおります。
きっと彼なら、今ごろ松島基地の皆さんと救援活動、そして復旧作業をなさっており、落ち着いたころに連絡が入ると信じています。
さて、ツイッターからこのような心温かいツイートを見つけてきました。
「この写真を見て思った。僕らのヒーローは変身も出来ないし巨大ロボットにも乗っていない。だけど、東電の作業服や、迷彩色の服を着て、戦ってくれている。ヒーローって何万人もいるんだよ。http://
ホントそうです。
現地で頑張っておられる関係者の皆様…。
また、駐屯地や基地で残留され、守っておられる方々。
皆さんはヒーローです。
皆さんにお願いです。
「呼ばれでもしないかぎり、絶対に被災地に行かないこと」
→今は危険です。そして迷惑となります。絶対行かないでください。
「要請されないかぎり何も送らないこと」
→現地への宅配便は一部を除いてストップしています。
また受け入れ態勢も整っていません。
「ぜったいにこちらから安否確認の通信をしないこと」
→皆さんが一斉に行うと通信網がパンクしてしまい、緊急的な通信ができなくなります。
色々な情報が錯綜しておりますが、間違った情報に流されないようにお願いします。
一人でも多くに方々が勇気と希望そして夢を失いませんように…。
ミラー! (686)恩師
美里とともに東京へ戻ってきた次の日、美里の検診を兼ねて、僕が小さいころからお世話になっていた大学病院へ向かう。ここの小児科教授がまあいう僕の命の恩人であり、研修医時代の恩師である。ここの大学病院は、未来の生まれた病院でもあるから、今回もこちらでお世話になる。予定日は4月中旬なんだけど、帝王切開決定だから4月初め手術予定。できるだけ休暇を取って立ち会いはできないとしても、側にいてやりたいと思う。
まず産婦人科で検診を済ませる。年始早々の切迫早産の件もあるから念入りに検診。順調に回復しているようで、おなかの中の可愛い娘も元気に育っている。週数からしてちょっと大きめだからか、やはり4月初めのほうになりそうだ。もう少し安静が必要だと念を押されて、検診終了。会計を済ませた後、僕のために予定を開けてくださった教授と再会する。この教授は未来の主治医でもあるから、美里も顔なじみ。月末に未来の検診が入っている。
「久しぶりだね春希君。」
ほんとに久しぶり。手紙やメールなどでのやり取りはあってもこうして直接会うことはなかなかない。関西に住んでいる教授の患者さんの診察を代わりに僕がしているくらい。
「未来君のことなんだけど、3月くらいに検査入院させて、何事もなければ年に一度の経過観察でいいと思うよ。」
「そうですか。よかったです。」
ま、僕も主治医の一人のようなものだから同じ意見だけどね。色々と今度生まれてくる娘の話とか、去年行った海外派遣の話で盛り上がる。そして教授がこの僕に会いたがっていた本題へ入る。
「で、春希君、最近学会へ来ていないようだけど、医者としての仕事のほうはどうなのか?」
「あ…。ま…週1回の民間派遣くらいですね…。医者らしいことをしているのは。駐屯地の医務室にいることもほとんどないですし。仕事場では書き物ばかりです。たまに演習がありますが、指揮官としての仕事ですから医官らしいことはなかなか…。」
というと教授は困った顔をして僕を見つめる。
「君みたいな優秀な小児科医がね…。もっと経験を積めばもっと…。そこでだ、自衛隊やめて、うちへ来ないか。この私の助手として勉強してみないか?そして留学してみたらいい。アメリカにある最先端技術を持った病院がある。そこの教授と友人でね。君の話をしたら是非といわれてね。君にとっていい話だと思うのだけれど…。」
「はあ・・・。」
もちろんいい話だよ。これから医者としてやっていきたいのであればね。でも僕は将来政界へ入らなければならない。もちろん教授は知っておられるんだけどね…。
こういう話はちょこちょこ来る。でもすべてお断りしている。今回の話もお断りしないとね…。親子2代でお世話になっている教授だからほんと悩むんだけど…。曖昧な返事だけど、やんわりお断りさせていただいた。教授はもうちょっと考えて欲しいと…。本当にそろそろ途中退官して違う道へ進まないといけない方向になってきた。どうすればいいのだろう。そう思う一日だった。
ミラー! (685)一時帰省
妻の美里はなんとか退院。頼み込んで有休を取って東京まで送ることになった。といっても一泊二日で帰るんだけど。
僕は妻の荷物を持ち、搭乗手続き。まだちょっと調子悪そうな美里。でも人前ではそのように見せないところが女優だ。おしゃれなマタニテイーの装い。クリスマスに僕からプレゼントしたヒールのないおしゃれなブーツ。(実は妹に選んでもらったりする)おなかが目立たないAラインのコートにおしゃれに結んだマフラー。ほんとちょっと高級志向なマタニテイー雑誌に載っていそうな装いだ。さすが元カリスマモデル。美里と出かけるときは、美里が僕のコーデイネイトをしてくれるから助かる。僕が適当に選んだらダサいって言われる。老けて見えるらしい。ま、普段は制服だし…。
羽田までだけど席はいい席を取った。一番空いている時間なので、貸し切り状態だったので安心。これで普段の美里に戻る。
「美里、大丈夫?気分悪くなったら言ってよね。これでも僕は…。」
「わかってるわ。春希さんはお医者様ですもの。産婦人科じゃないけど・・・。」
と美里は微笑む。でもなあ…お医者さまだって言っても最近それらしいことしてないような気がする。僕はこれでも防医大をトップで出ているし…僕の現状を知っている様々な民間病院の先生たちはもったいないと言っている。そして辞めて来たらいいとまで…。これじゃなまってしまう。
この東京行きで、恩師の教授に会ってこようと思っている。もともと東京へ戻ったら会おうと約束しているしね。教授は僕が小さいころからの主治医だし、専修医のときもいろいろ指導してくださって、いつも経過観察などの軽度な関西の患者さんへの紹介状はこの僕へやってくる。僕は呼吸器系でお世話になったけれど、本来は僕の専門と同じ。その筋の権威。この前も電話で、本気で小児科医としてやっていくつもりであれば、アメリカの最も権威のある専門大学病院の教授を紹介するから留学してみてはどうかと言われたっけ…。
色々考えているうちに羽田に到着。美里のマネージャーが迎えに来てくれた。そして自宅へ。もう少し休養が必要だからと、即寝室へ。ま、僕が診察したところ、問題ないかな?
僕は美里の頭をなでて微笑むと、美里も微笑み返してくれた。
「ごめんなさい。忙しいのに休み取ってくれて…。」
「いいよ。たまには。優秀な部下たちだしね。僕がいなくても何とかなるし…。」
そういうと飛行機で疲れたのか、すうっと美里は眠った。
ミラー! (684)入院
大切な妻、美里が、切迫早産の疑いで1週間入院することになった。治療もあるけど、静養の意味もある。帝王切開による出産予定があと4カ月となり、待ち遠しい事もあるけれど、立ち会えるかわからない状態だ。一応手術予定日が確定になったら休暇を取る予定。今のところ、4月の春休みが濃厚だ。ちょうどちびたちの入学式が重なるころがちょうどいい。
今まで先生が太鼓判を押すほど順調だったのに、ここへきて切迫早産だなんて…。そして治まっていたつわりっぽい症状も出てきているみたいで、あまり食事も食べない。それでなくてもモデル体型で痩せている美里。一時妊娠して少し太ってたけど、今回のことで痩せてしまっている。何とか点滴で…。ああ心配。
お正月の休暇も終わり、まだ入院中だけど、いつまでも一緒にいるわけにはいけない。一緒に冬休みを過ごす予定だった子供たちは、東京へ戻る日まで芦屋へ預けることになった。そして優希が二人を連れて飛行機で東京まで戻る。優希は歩ちゃんと会うつもりでいたのに、それができなくなって残念そうだ。
「さあて、明日から仕事だからお見舞いには来れないけれど…。ごめんね美里。」
「仕方ないわ。仕事だもの。もう少しずつ動けるし…。京都からお姉ちゃんが来てくれるみたいだし…。雅美さんも来てくれるって…。だから心配しないで。ね?」
「んん…。」
何か言いたげな美里。もちろん僕はそのことに気が付いている。荷物をまとめて部屋から出ようとすると…。
「春希さん…何があっても浮気はダメよ。家に女性を入れないでね。成り行きでも…。」
「わかってるよ。他の人の目もあるし、勘違いされるかもしれないから…。どうしたの?いきなり。」
「ううん…なんでもない…。私妊娠しているでしょ?春希さんはとてもモテるし…心配なの。」
「そっか。大丈夫だよ。仕事が忙しいから、異性に目を向けている暇ないよ。仕事と、家族のことで精いっぱいだよ。じゃあ帰るね。」
といってお互い手を振り別れる。最近美里はこの僕が浮気するんじゃないかとばかり思っているみたいだ。ま、それはない。一応新婚だし、美里以外の異性は何にも興味ない。仕事で忙しいのに…。朝早く出勤して午前様もざらだ。家はほんと寝に帰っているだけ。営内に住めたら住みたいくらい家へ帰るのが面倒。そんな日常が明日から始まるわけ。頑張らないとね…。
3月4日に投稿したなう
ミラー! (683)体調不良
お祖母ちゃんを囲んで年越しパーティー。近況報告をしながら、楽しく会食。子供たちも子供用に準備された食事を食べながら楽しく過ごしている。
春陽の長男は、春から中学生。今の小学校からそのまま中学へ。エスカレーター式だから受験はない。帰国子女でのんびり育っている。優希もそのままでもいいんだけど優希自身が違う学校を受験したいというので、尊重。ま、駄目でも今の学校があるし…。優希も春から6年生。ちびたちは1年生だもの。ほんと早いな。
楽しく会食をしていると、途中で美里が箸を置いた。なんか気分がよくないみたい。そういうところに気がついたのはやはり女性である雅美だった。
「美里さん、大丈夫?」
「え…ええ…。」
そういや昨日夜からずっと様子が変だった。雅美はやはり気になるようで、美里に寄り添う。そして症状を問診するわけ。雅美はこれでも産婦人科医。
「遠藤。美里さんを客間へ連れて行って。内診とかしてみたいの。」
「え?うん…いいけど。」
といって、僕は美里を連れて僕ら一家が泊る客間へ。そして美里をベッドへ横にして内診と触診。
「ちょっと遠藤おなか触ってみて。これ、張ってない?美里さん、いつからおなか張ってる?この時期にしてはきついと思う。」
「え?どういうこと?」
「切迫気味かも。今晩安静にして様子を見て治まらないようだったら病院へ行ったほうがいい。無理させてないよね?遠藤。」
「もちろん。」
「美里さん、絶対安静よ。いい?遠藤傍にいてあげて。何かあったら私を呼んで。」
僕はうなづく。
え?切迫早産気味?今まで順調だったのに?原因は?そういや昨日からなんか変だった。何かあったのかな?美里はいつの間にか眠っていた。僕は美里の手を握ってじっと様子を見ていた。
次の日、張りがおさまらない状態だったので、近所の大学病院へ受診。するとやはり切迫早産。とりあえず様子を見るために数日入院となった。この病院はVIP室がある。そこへ入院。美里はなにも話してはくれなかったけれど…。きっと何か大きなストレスがあったのでしょうと言われた。それしか思い当たらないから。なんだろうね…それって。気になるよね。
ミラー! (682)兄弟そろう年末
大みそか。僕が小さいころ一時住んでいた芦屋のおうち。ここには兄夫婦と子供たち、僕のおばあちゃんが住んでいる。今年は兄夫婦に念願の男の子が生まれたし、僕も久しぶりに休みが取れたので、みんなで集まって新年を迎えることになっている。
数日前から来ている春陽の家族が出迎えてくれた。そして春斗。お祖母ちゃんは少し遅れてやってきた。いまだ海外派遣のことで機嫌が悪いお祖母ちゃん。もう終わったことなのに。
「お祖母ちゃんこんにちは!」
と、うちの子供たちが言うとお祖母ちゃんは微笑む。なんだかんだ言っても、ひ孫たちが可愛い。特に優希は遠藤家の未来の跡取りだから、とてもかわいがる。昔の亡くなった元総理大臣であった曾お爺ちゃんを見ているようだ。ひ孫の春斗をよくかわいがったものだ。跡取りだからって。もちろん未来も僕の子供だって知っているから、かわいがってくれるけれどちょっと違う。
リビングには、瑞貴君を抱いた雅美が出迎えた。ほんとに小さく生まれたのに大きくなっている。
「遠藤、待ってたよ。診てみて、瑞貴のこと。」
「え?僕、瑞貴君の主治医じゃないし。」
「だって、瑞貴の主治医頼りないんだもん。遠藤は優秀な小児科医でしょ?新生児も得意なくせに。」
「優秀じゃないよ。最近あまり医療的なことしてないし。」
「何言っているの?引き抜きの話が絶えないって噂じゃない。」
ま、そうだけど…。色々とオファーが来ているのも確かな話。ちょっと迷ってたりする。仕方がないので、カバンからいつも持っているセットを取り出して手をきちんと消毒して瑞貴君を診察する。少し心雑音が残っていたりするけれど、心配ない。順調順調。ほんと雅美はこの僕を頼りすぎ。出産の時といい今日といい…。
とりあえず兄弟が揃ったので、年越しパーティーの準備。女性たちはお手伝いさんたちとともに準備。僕たち男たちは子守。そういう感じで時間が過ぎて行った。
ミラー! (681)おかしい妻
塾へ通う息子、優希のお迎えのあと、美里抜きで外食。子供たちはやっぱりママのご飯がおいしいと、車の中で話していた。そして帰宅。
「ただいま。」
と帰ってくるともう美里の後輩は帰った後だった。思ったより早いね。
「あれ?もう帰っちゃったの?」
「うん。疲れているだろうから早く帰ってもらったの。」
と美里は苦笑。なんか空気がおかしいんだけど。
「ごはん食べたの?」
と僕は声をかける。あり合わせのもので食べたらしい。でもなんか美里の様子が変だ。
「聞いてママ。この前の小テスト、僕ねえ、一番だったよ。」
と優希が冬期講習の中間に行われた小テストの結果を見せる。何とただ一人満点を取って一番になったのだ。
「すごいね優希君。さすがパパの子だね。」
「えへへ~~。勉強したところ全部出たんだもんね。偶然だよ。」
と照れる優希。大みそかと元旦は冬期講習が休みなので、やっと勉強から解放される優希。
「ねえパパ。明日から芦屋のおばあちゃんちへ行くんでしょ?」
「ああ、行くよ。」
そう、大みそかと元旦の一泊二日。芦屋のおばあちゃんの家にお泊まり。妹の春陽一家も来ているので久しぶりに大勢で迎える新年。それに最近生まれた春斗の息子。名前を瑞貴君。生まれてひと月になる。生まれた時心配したけど、順調に育っているんだよね。
「瑞貴君まだちっちゃいからあまり騒がないようにね。」
と僕は子供たちに念を押す。もちろん子どもたちは瑞貴君に初めて会うんだよね。お祝いも持っていかないと。美里が東京で選んできたベビーウエア。きっと気に入ってくれると思うんだ。
子供たちのお泊まり準備を済ませ、子供たちは寄り添って眠っている。僕と美里も狭いけれど一緒の布団。僕は美里のおなかを触りながら、色々話す。
「後輩、元気だった?」
「う、うん。とても。」
なんかいつもの美里と違って言葉少なげだった。きっといろいろ疲れているんだろうと思って何も気にしなかったけれど…。美里は大きくため息をついて眠りに就いた。