ミラー! (681)おかしい妻 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (681)おかしい妻

 塾へ通う息子、優希のお迎えのあと、美里抜きで外食。子供たちはやっぱりママのご飯がおいしいと、車の中で話していた。そして帰宅。



「ただいま。」



と帰ってくるともう美里の後輩は帰った後だった。思ったより早いね。



「あれ?もう帰っちゃったの?」

「うん。疲れているだろうから早く帰ってもらったの。」



と美里は苦笑。なんか空気がおかしいんだけど。



「ごはん食べたの?」



と僕は声をかける。あり合わせのもので食べたらしい。でもなんか美里の様子が変だ。



「聞いてママ。この前の小テスト、僕ねえ、一番だったよ。」



と優希が冬期講習の中間に行われた小テストの結果を見せる。何とただ一人満点を取って一番になったのだ。



「すごいね優希君。さすがパパの子だね。」

「えへへ~~。勉強したところ全部出たんだもんね。偶然だよ。」



と照れる優希。大みそかと元旦は冬期講習が休みなので、やっと勉強から解放される優希。



「ねえパパ。明日から芦屋のおばあちゃんちへ行くんでしょ?」

「ああ、行くよ。」



そう、大みそかと元旦の一泊二日。芦屋のおばあちゃんの家にお泊まり。妹の春陽一家も来ているので久しぶりに大勢で迎える新年。それに最近生まれた春斗の息子。名前を瑞貴君。生まれてひと月になる。生まれた時心配したけど、順調に育っているんだよね。



「瑞貴君まだちっちゃいからあまり騒がないようにね。」



と僕は子供たちに念を押す。もちろん子どもたちは瑞貴君に初めて会うんだよね。お祝いも持っていかないと。美里が東京で選んできたベビーウエア。きっと気に入ってくれると思うんだ。



 子供たちのお泊まり準備を済ませ、子供たちは寄り添って眠っている。僕と美里も狭いけれど一緒の布団。僕は美里のおなかを触りながら、色々話す。



「後輩、元気だった?」

「う、うん。とても。」



なんかいつもの美里と違って言葉少なげだった。きっといろいろ疲れているんだろうと思って何も気にしなかったけれど…。美里は大きくため息をついて眠りに就いた。