パッチ・アダムスさんはアメリカのお医者さん
学生時代から金儲け優先の医療のあり方に疑問を持ち、
愛とユーモアを根底において、人に優しい医療を目指し、
ホスピタルクラウンやクリニクラウンを始めた人です
ホスピタルクラウンとは、笑いが身体の免疫力を上げ、
健康維持や病気の身体にも良いという観点から、
この『笑い』を病院にも届けようとする活動です
入院生活は決して楽しいものではなく、
患者本人ばかりかその家族の負担、
ストレスも大きいものです
病院は、病気を治すことが目的の場所がゆえ、
仕事にユーモアを取り入れて患者に接する
医師・看護士もいますが、やはり業務の範囲内では限られます
そこで、クラウン(道化師)の病院訪問により
笑いを病院に届けるという活動を始められました
クリニクラウンは、主に入院中の小児の病室を訪れ、
遊びやコミュニケーションなどを通じて心のケアをする専門家
日本では臨床道化師と和訳されています
パッチさんには7つの信条があります
1.ひとをケアする理由はただひとつ。人間を愛しているからです。
2.ケアは愛を動詞化する。ケアは概念ではなく、行動です。
3.ひとを思いやるという人生を送ることによって、
あなたは自分のなかで一番深い平和と安らぎを得る。
4.良い意味のお返しをすること(良きカルマを積む/カルマからの解放)。
例えば、米国がアフガンに爆弾を落とし始めたとき、
私はアフガンの人々を愛したいと思い、即座に現地に飛んだ。
5.平和のためにクリエイティブになる。
例えば、死の床でアメイジング・グレイスを歌う。
6.情熱を持ち、不可能だと思っていた夢を見る。
7.ひとをケアすることは、科学的見地からしても、
あなたのためにいいことがある。
というものです
わたしは、パッチさんの活動をテレビで見て
とても感動し、感謝し、いずれは目指したい
存在になりました
2002年2月パッチさんはアフガニスタンを訪れました
同時多発テロの報復としてアメリカが行った空爆から
4ヶ月 その傷跡も生々しい首都カブールに入りました
目的は戦争で疲弊した子供達に笑いと癒しを届けること
インドの支援で建てられた小児病院
老朽化した施設には薬も機材も充分ではありません
そこにいる子供達の姿は悲惨でした
空爆で体中に大怪我を負い、包帯で覆われて
(悲惨すぎてこのように表現するしかありません)
さらに、飢えでガリガリにやせ細っていました
泣き叫ぶ子供達にパッチさんはピエロの格好で
おどけて遊んでいます が、目から涙が
インタビュアーの「どうしてこのような活動を?」
の質問に、涙を流して、こう答えています
「あなたは、飢えた子供を抱いたことはありますか。
想像ではなく実際に抱いたことはありますか。
抱けば、答えは必然的に出ますよ。」
重い病気で苦しむ患者さん達にいつも笑いを
届ける優しくてユーモアのある楽しい人物の
パッチさんが涙を流しているのを初めて見て
戦争の被害者である子供達の悲惨さを痛感しました
あの子たちは、欲と富に目がくらんだ大人たちの
犠牲になっているのです
パッチさんの活動が世界に広まれば
戦争の悲惨さに気付く人も増えるはずでしょう