「なほのSTORY 〜告白〜」
「なんとか今すぐ帰ってきてほしい…」
窓の外に感じられる空は、
オレンジ色からピンク色へと移り変わり、
そしてあっという間に紺色に。
わたしはまだ夕焼けを感じられる時間に
すべてのカーテンを閉め、
なかなか寝てくれない娘を抱き抱え、
1時間、長いときには3時間も、
ただひたすらに家中を歩いていました。
レストランオーナーの夫は、
週6回はディナータイムに出勤していました。
グアムは保険の関係で
分娩後24時間以内に退院するので、
娘を産んだ20時間後には帰宅し、
夫はその翌日には職場復帰。
産後の疲れを取る暇もなく、
孤独な育児が始まりました。
あまりにも娘が寝てくれず、
たったひとりで何時間も家中を歩き、
孤独と疲れで限界に達したとき、
レストランにいる夫に、
なんとか帰ってきてほしいと
泣きながら頼むことさえありました。
7年間も待ち望み、
体外受精でようやく授かった娘。
だから最幸の子育てがしたくて、
わたしはおむつなし育児や、
完全母乳育児を頑張っていました。
夜の授乳のときもおまるに座らせるので、
添い乳をしながら…ということはなく、
夜中に2~3回、授乳に起き上がり、
おまるですっきりさせてから寝る
というのを繰り返していました。
娘にはちゃんと母乳をあげたいと、
搾乳さえしたことがないので、
哺乳瓶を持っていないママでした。
「僕たちは本当に最幸のチームだね!」
結婚してから、
夫はよくこのように言っていました。
声を聞きたい。会いたい。
少しでも長く一緒にいたい。
触れていたい。
そんな恋愛時代に比べて、
結婚はともに生活するということ。
結婚してチームになるということは、
人生の苦楽を
共にもっとも上手に乗り越えるために、
役割分担をしたり、
サポートしあって生きるということ。
きっと彼はそういう意味で
わたしたちは「最幸のチーム」
と言っていたんだと思います。
たしかに娘が生まれるまでは、
夫が家計を支えるお仕事をし、
わたしが家事をして、
夫ができるだけ心地よく
毎日を過ごせるように、
いろいろと工夫をしていました。
家のことだけでなく、
父の会社を手伝っていた経験を生かして
彼のお仕事上のボスである実母や、
スタッフとの問題解決のために
専属コーチのような役割もしていました。
またレストランで働くだけじゃなく、
彼の人生が彩りあふれるものになるように、
彼のいろいろな活動を応援し、
ときに背中を押すこともしていました。
彼もまた、
自分のチカラを生かしてお仕事をしたい
というわたしを全力でサポートし、
悩んだときには相談に乗ってくれました。
経済的なことを除いて、
彼がわたしにNOと言ったことはないくらい、
わたしの最大の理解者でいてくれました。
わたしたちは、
それぞれが「それぞれの役割」
を生きることで、
とてもうまくいっていたので、
自分たちを「最幸のチーム」だと
思っていたんです。
でも「よいチーム」になるには、
やっぱり明確な「目標」があって、
チームメンバーが皆でそれを共有している
必要がありますよね。
グアムで結婚生活を始めたとき、
わたしたちにとってそれは、
「お金では得られないしあわせを手に入れる」
ということだったと思います。
東京でいわゆるエリートコースにいた夫が、
会社をやめて母親の飲食店を手伝うと決めたのも、
東京やパリでキャリアウーマンだったわたしが、
グアムという小さな常夏の島に嫁ぐと決めたのも、
それぞれにお金や肩書きでは得られない
しあわせの存在に気がついたからでした。
東京や、世界で活躍する友人たちを見ると
こころがざわざわするけれど、
でも、わたしたちはこの南の島で、
何よりも温かいものを手にしている
と感じるために助け合うというのが、
わたしたちチームが、
チームである理由だったのかもしれません。
写真:娘の1ヶ月のお祝いにグアムのビーチで。
でも、娘が生まれ、
わたしたちの関係は少しずつ変わっていきました。
少なくともわたしにとって夫は、
「わたしの人生を豊かにしてくれる存在」
=================
というよりも、
「いてくれないと困る存在」
=================
に変化していきました。
こう言うと、産後の方が
固い絆で結ばれているような感じだけれど、
実はとても余裕というか、
スペースのない関係になった感じがするんです。
結婚してから出産までの7年間に
彼に対して持っていた思いやりを、
生きていくための必要条件になった夫に、
わたしは持てなくなっていました。
「なんでもっと早く帰ってきてくれないの!」
「どうして言わないと気づいてくれないの!」
わたしの中にはどんどん彼に対する不満が
鬱積していきました。
これまでは、
相手にお願いしたりしなくても、
あうんの呼吸でお互いに気づいて、
とても心地よくサポートし合えていたのに、
娘が生まれた途端に、
世界最強だと思っていた
わたしたちのチームワークは、
急にワークしなくなりました。
いちいち言わなければやってもらえない。
やってくれてもちゃんとできない。
そんなのやらないのと同じこと。
そんな風に思ううちに、
私の中には不満が、
彼の中にはがんばっているつもりなのに
というイライラが溜まっていき、
いろいろなことがボタンの掛け違いのように、
心地よく進まなくなりました。
わたしたちチームの共通の目的は
「お金では得られないしあわせを手に入れる」
だと思っていました。
願っても願っても手に入らず、
お金があってもどうにもならない
不妊という問題は、
まさに「お金で買えないしあわせ」
の象徴だったのかもしれません。
でもいざ娘が生まれてみると、
お金で解決できることは
いくらでもあるように思えました。
少なくともお金があることで、
孤独な育児のストレスを発散することは
かなりできるように感じました。
すばらしくかわいい娘の存在。
圧倒的に美しい海や空の色。
そうしたプライスレスなものを手にしているのに、
わたしは少しずつ経済的自由と、
時間の自由を望むようになりました。
そしてそれを与えてくれない夫に、
どんどんイライラが募りました。
そうした理由も含めて、
わたしは夫に日本に帰国したいと懇願し、
わたしたちは2015年の3月末に
9年間暮らしたグアムを離れ、
湘南の海沿いに引っ越しました。
それからの精神的・経済的困窮については、
【なほのSTORY】や、
この「なほのSTORY ~告白~」の中でも
とても正直に書いているので、
ぜひ読んでみてください。
いずれにしても、
家族としての平和も、
経済的豊かさも手にしたくて
日本に帰国したのに、
現実は悪化の一途をたどるばかりでした。
今思うと、
わたしたちがチームとして
うまく機能しなくなったのは、
ひとつに、
わたしたちふたりにとって
「目標」がズレてきたからだと思います。
娘が生まれ、
日々の生活にかかるお金はもちろん、
今後の教育費など、
妥協したくないお金の必要性を
実感する機会が増えました。
妻が好きなことをお仕事にして、
社会でいきいきと働くために必要なお金も、
現実味を持つようになりました。
「お金では得られないしあわせを手に入れる」
のが共通の目標だったわたしたちにとって、
お金の重要性を認識するということは、
わたしたち夫婦の共通の目標に関する、
とても重要な路線変更だったわけです。
こうしてわたしたちは、
夫婦共通の目標を失いました。
共通の目標がないから、
ともに喜びを味わうことができない。
どこに向かっているかわからないから、
何がよくて何が悪いのかがよくわからず、
自分のことも、
相手のこともほめることができない。
すべてが「タスク」になってしまいました。
だから、
タスクをこなしたか、こなさなかったか、
できたか、できなかったかというだけ。
「タスク」だからやって当たり前なので、
すべてが減点方式。
それぞれの「タスク」が進まないと
相手が困るので、
相手のやらなかった、できなかったことを
責めるようになりました。
そして、それは相手に対して
減点しているだけではないんですよね。
実は、自分に対しても、
ものすごく厳しく減点している。
自分を自分で減点しながら、
自分には価値がないと、
どんどん自分への愛と信頼が減っていく。
それと反比例するように、
減っていく自分への愛と信頼を埋めるように、
相手に自分を満たしてほしいと思うのだけど、
相手に対しても減点方式を採用しているので、
相手が自分を満たしてくれたと感じることは
とても少なくなってしまう。
仮にそう思えたとしても、
相手の足りないところばかり目につくように、
習慣ができてしまっているので、
相手が自分を満たしてくれることは
ほとんどないわけです。
なんとなく、
「しあわせな家族」になりたい
という想いはあるけれど、
じゃあ、
「しあわせな家族」ってなんなのか。
そんなことを相談する時間もなく、
毎日の生活に追われているうちに、
わたしたちの距離はどんどん離れていきました。
「なほのSTORY ~告白~」第11夜では、
そこからわたしたちがどんな風に
愛と信頼を再構築するようになるのか
お話していきたいと思います。
★ ★ ★「告白 ~第11夜~」に続く ★ ★ ★
この「なほのSTORY ~告白~」では、
「奇跡」と言われた
【なほのSTORY】のヒットと、
その後のいわゆる”成功”を経験したわたしが、
次第に自信をなくしていく様子を
赤裸々に綴っていくつもりです。
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※2017年10月1日に連載を開始した
【なほのSTORY】は、
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