サクラクエスト 第19話 「霧のフォークロア」 感想 | ながめせしまに@無為

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第19話 「霧のフォークロア」

 

 

 

感想

 現在進行しているストーリーを整理すると、

①瑞池祭りの復活 ②廃校の再活用 ③マキのオーディション の三つが大きな流れ。②と③は次回で解決というのがこれまでの進め方である。 

 

その他にストーリーに関連している問題として、④商店会と観光協会の完全和解→間野山が抱える問題意識の共有 ⑤各キャラの契約期間後の動向 ⑥サンダルさんはジョーカーになるのか ⑦これまで扱った題材をどう回収し解決にからめるか(ex映画、TV、教授のノートの活用 )などがある。これらの材料を、この物語を着地させる上でどう絡めて結ぶのかは気になる。

 

現状町興しという実質正解がない問題を扱っているという事もあり、仮に①瑞池祭りの復活を最終回で結ぶ流れとするなら、どうなれば成功といえるかは相対的なものであり解釈にもよるので、予めストーリーの中で合格ラインの指標が出ると安心して見ることができるかもしれない。

 

 

瑞池祭り

今回は三種の祭具のうちの一つ、吊り太鼓を入手。残すは黄金の竜だが、竜という素材を考えるとこの物語で一番親和性が高いのがリリコであるため、リリコの将来の動向を示唆しながら再掘り下げるエピソードで発見という流れになりそうな気がする。

 

そして、御神体が何かもまだ明らかにされていない(?)神輿の復活も必要であろう。そのため、三種の祭具を揃えてもすぐに祭り復活には到らず、神輿、予算、商店会の人達の説得などクリアすべき課題はまだ山積しているように見受けられる。そう考えると、やはり瑞池祭りが由乃の国王としてのミッションの最後の結びとなるのかもしれない。

 

 

廃校の再活用

 由乃らの話によると、給食会で活用するという話でこれが町興しに成功したという例もあるらしい。どういう事なのかあまりピンとこないが、次回を見れば分かるのだろうか。恒常的かつ継続性のあるようなイベントのようには思えないだけに、目から鱗的な展開なら嬉しい。

 

 

マキと父親

 マキと父親の最大のすれ違いは、マキの何としても結果を出さなければいけないという思いつめた考えによるとこが大きいように見受けられる。

 

マキは親の援助のもと進学させて貰った大学を、役者をやるために投げた事が、特に父親に対して大きな負い目になっている。それゆえ、中途半端な自分でありたくないという気持ちが強く、結果を残すためにストイックに頑張り過ぎたのではないだろうか。

 

それでも結果を残せない自分に情けない気持ちになり、父親に合わす顔がないという心理が根底にあり、それゆえ中途半端な状態で戻ってきてしまった自分を見せたくない気持ちもあわさって、父を見るとつい反発してしまうのかもしれない。

 

一方、父はマキに対してマキが思うようなことを求めているわけではない。それは「昔のお前は良く笑っていた」という言葉から、父がマキに求めているのは結果を残すことではなく、マキが笑って幸せに生きていく事を願っているような言葉に聞こえた。子供の幸せを願わない親はいないというが、父の言葉にはまさにそんな気持ちが込められているように感じる。

 

父はマキの出演するTV番組は全てチェックしていることから、マキの努力は認めているのだろう。そしてなかなか結果が残せずに焦り、次第に出演する番組でも心から笑っていない娘の表情を見て、父は心が擦り減っていく娘のことを心配しているのではないだろうか。

 

 

マキのオーディション

 書類審査に通ったマキは一度は挑戦前に逃げてしまう。幾度も失敗を重ねてきたマキの心情を思えばこの気持ちも理解できるものがある。幾度も不合格を重ねれば心は疲弊し擦り減っていくものである。また必要ないと落とされることに怯えてしまう気持ちになっていても無理はない。

 

マキの弟からこの事を聞いた由乃はマキの挑戦を促す。これまで失敗を重ねながらも、一緒に同じ目標に向かって仕事をなそうとした前向きな由乃の言葉だから、マキの心に響いたのかもしれない。ここは少し展開が性急だったこともあり、自分の想像力で補うしかないが、由乃らの励ましだからこそマキは素直に受け入れることができ、失敗を恐れずにまた挑戦してみようという気持ちになったのだと解釈している。

 

 

マキの契約期間後の動向

 この様子だと、契約期間後の動向は、やはりマキが最もやりたくてその道を選んだ役者の世界に戻る可能性が高いように思える。

 

由乃らとの活動を終えた時、たとえこの一年の活動が上々の成果とはいえない物だとしても、この活動を経て精神的にも成長し一皮むけたマキは、小さい頃に見せていた笑顔をまた見せるような役者になっているのかもしれない。

 

 

その他

会長の禊ぎ

 市中引き回しの刑に処される会長。会長がチュパカブラ王国を始め、間野山再興に尽力する理由の一つに、瑞池祭りをぶち壊した過去の贖罪があるようだ。

 

ただ、千登勢と東京に向かう際に約束をすっぽかしてまで間野山に残ろうとした理由は、まだ納得できるほどの理由は明らかにされていないように思う。若い時分の会長がどう間野山を思っていたのかもう少し肯定的な側面で理由付けされるといいのだが。

 

 

マキ家の夕餉

 弟がいうように面白い掛け合いだった。今回のエピソードでは最もクスっとしたシーンだった。

 

 

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