
発行年月:2010年08月
サ イ ズ:470P 15cm
酸鼻を極めた薬師寺事件から、はや14年。
時効を目前にした7月、蒼こと薬師寺香澄のもとに、
謎の封筒が届いた。
送り主は「響」、封筒の中身はただひとこと「REMEMBER」――。
蒼は京介たちの手を借りずに、過去と向き合い記憶を辿り始める。
『原罪の庭』の真相に迫る、「建築探偵シリーズ」最高傑作。
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建築探偵シリーズ番外編。(通算13作)
このシリーズは出版順に読んだ方がいいです。
番外編となっていても、短編集でない限り(いや短編集でも)
順番通りに読んだ方が絶対にいいです。
特に本作に限っては、シリーズ第5作目の『原罪の庭』の
ネタバレになってるので、先に『原罪の庭』を読んでください。
さて・・・読むまでに約2年かかりました。
なんせ『原罪の庭』でのダメージが凄まじかったから
読んでも大丈夫か?と自分が心配だったのですよ。
ちょっと引きずりましたけどね(^◇^;)
薬師寺事件から14年。
時効までわずかという時に届いた1通の手紙。
封筒の中身はただひとこと「REMEMBER」
送り主は「響」
その名前には覚えがあった。
あの日、温室のガラスに隔てられた外側から、睨みつけていた少年。
REMEMBER・・・何を思い出せというのか?
時効が近くなると、にわか探偵達が騒ぎ出す。
勝手な憶測や思い込みをネット上に無責任にばら撒く。
そして自尊心の為だけに悪意が蒼を包囲し始める・・・
悪意の手は翳にも向けられ・・・
あぁ~もう心臓に悪い!!
蒼の本当の名前が書かれたカード
突然、様子が変わり距離を置く翳
このあたりのショックったら半端ない。
思い入れの強いキャラがショックを受けると
こちらのダメージも半端ない。
胸がズキッとするのよ。
こういう感情は麻痺してると思ってたのに元気に顕在でした。
京介の気持ちがちょっとはわかる。
蒼に何かしたら殺してやるって・・・
そして泣きそうになった。何でだよ翳ぃ~(ノ◇≦。)
もう大丈夫だと思っていた蒼だけど、自分の感情に
蓋をしただけでは何も解決はしない。
心は少しずつ軋み始める。
過去と向き合う決意をする蒼だが、特殊な記憶力を持つ蒼にとって
それはあの壮絶な過去をリアル体験するってことで・・・
まったくもう!こういう時は京介に頼りなさい!
子供扱いされても、ちゃんと成長してるのは
みんなわかってるんだから、甘えるんじゃなくて
頼りなさい!
まぁ~門野のじぃさんに相談したのは正解だった。
あの女ルポライターもいい仕事してくれた。
蒼も少々ヒッキーになりながらも、頼もしい一面も見せてくれた。
そして翳は・・・
もぉ~~~!!!本当にもぉ~~~!!
ズキッとヒビが入った心をどうしてくれるぅ~
蒼が真相を話した時もさぁ~
泣けるじゃないのぉ~
いい奴だぁ~。
最後の部分は自宅で読んでよかったよぉ~
鼻水まで出ちゃったよぉ~・゜゜・(lll>_<、lllll)・゜゜・。
薬師寺事件の新しい事実も出てきます。
そして過保護な3キャラも最後に笑わせてくれました。
結構マヌケだったです(○ ̄m ̄)
あのシーンは結構お気に入りですヾ( 〃∇〃)ツ ウキャッ
あぁ~蒼って本当にステキな人たちに囲まれていてよかったぁ
それは蒼の人柄なんだよね
願わくば、この関係がずーっと続いてくれますように(*>人<*)
建築探偵桜井京介の事件簿
第一部
シリーズ1作 「未明の家」
シリーズ2作 「玄(くろ)い女神」
シリーズ3作 「翡翠の城」
短編集「桜闇」
シリーズ4作 「灰色の砦」
シリーズ5作 「原罪の庭」
第二部
シリーズ6作 「美貌の帳」
シリーズ7作 「仮面の島」
番外編「センティメンタルブルー」
シリーズ8作 「月蝕の窓」
シリーズ9作 「綺羅の柩」
番外編 angels 天使たちの長い夜