
私の防災・その308 命を守るために命を懸けることの是非
東日本大震災の時、障害がある方の死亡率は一般の方の2倍でした。
支援がなければ避難することも出来ない人達の命を守る為に何が出来るか国、地方行政、地域の防災組織、福祉関係者、医療機関等でも模索が続いています。
私は先天性難病で身体のあちこちに不具合がある重度知的障害者のもえもえの母として、もえもえが災害時にも助かるために何が出来るかを考え続けています。
もえもえが災害時に助かるためには支援者の存在が欠かせません。
もえもえ一人では自分の身を守ることが出来ないからです。
支援者の方にはもえもえの命を守るために最善を尽くして欲しいと思っています。
ただし、私が支援者の方に望む「最善の行動」は「もえもえと支援者の方が共に助かるための最善の行動」であり、もえもえの命を守るために支援者の方の命を危険にさらして欲しいとは考えていません。
支援者の命も失われてはならない大切な命です。
先日のNHKスペシャルで東日本大震災の時に
津波に襲われた雄勝病院のことを取り上げていました。
入院患者さんを守るために病院へ戻って共に無くなられてしまった病院関係者の方々がいらっしゃいます。
心優しく責任感が強い方々だったのでしょう。
心から尊敬の念と哀悼の意を表します。
ただ、今後大きな災害が発生した時には病院関係者の方々や福祉施設のスタッフさん等、弱い人達を守る立場の人たちも先ずはご自身の命を守ることを大切にしていただきたいと私は思います。
「トリアージ」と言う言葉をご存じでしょうか。
災害時や救急医療現場で一人でも多くの命を救うために軽傷者や助かる見込みの無い人ではなく「手を尽くせば助かる人」を優先的に助けることで非情な選択を迫られることもあるため「命の選別」と言われることもあります。
一般的には災害や事故の救助現場で一人でも多く助けるために「生きていると確認できた人から助ける」とか救急医療の現場で「今治療すれば助かる可能性が高い人から治療する」ことをさしますが、わたしは災害時に避難する時も一人でも多く助かる為の「避難のトリアージ」があってしかるべきと考えています。
勿論、一人では避難することが難しい人を簡単に見捨てて良いと言うことではなくて、見捨てずに済む為の事前の努力、避難する時に少しでも余力があるならその余力を目の前の助けを必要とする人のために貸していただきたいと思います。
ですが、例えば安全な場所にいた人が危険な場所にいる要支援者のもとへ駆けつけてまで助けようとしなくて良いと言うことです。
手を引いたり背負って避難している時にそのままでは到底助からない状況ならば、手を離したり背負っていた人を降ろして一人だけでも確実に助かる道を選んでほしいのです。
命を守るために大切なのは各々の命を守るためにて切ることをする「津波てんでんこ」です。
そして、支援する側の人だけが生き残った時も「死なせてしまった」と悔やむよりも「自分という一人の命を守った」ことを正しいと認めてほしいのです。
支援する人にもその人が亡くなったら悲しむ人や生きていて欲しいと心から願う人がいます。
一人でもあなたのために悲しみの涙を流す人は少ない方が良いし、あなたの無事を喜ぶ人が多い方が良いのです。
支援する人達は支援される人達を守るために最善を尽くしてくれることを私達は知っています。
見捨てたくて見捨てる人はいないことも知っています。
支援を必要とする人達が災害後を生きる為にも支援する人達はご自身の命を守ってください。
実際に体験した方々の心の傷は私ごときが推し量れるものではありませんが、少しでも心の重石が軽くなって欲しいと心から願っております。
そして、今後発生するであろう大きな災害ではこの様な非情な選択を迫られることが無くなるように、国も地方行政も医療や福祉関係者もそして支援する側も支援される側も一人一人が「その時」への備えを進めて欲しいと思います。
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特に災害弱者と呼ばれる方ほど備えは必要です。
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