『へうげもの 15巻 (山田芳裕)』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『へうげもの 15巻 (山田芳裕)』

 

4063871282 へうげもの(15) (モーニング KC)
山田 芳裕
講談社 2012-07-23

by G-Tools
 

 

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【あらすじ】

戦国甲子園決勝戦。雨天を飛び交う、弾丸、春画、白き潮。我らが織部も数奇なる世のため、浪漫飛行。嗚呼栄冠は、東軍に輝いた。敗北の将・三成が末期で見せた乾坤一擲。織部のハートをストラックアウト。そして近づく徳川時代。果たして「笑福の世」の実現は成るか!? 激乙山田的関ヶ原、「痰の毒」なる柿カラーが目印に候。

 

 

功名よりも茶器に興味を示す人物・古田織部を主人公とした戦国時代を舞台とするマンガ。

この古田織部は実在した人物で、利休の弟子で、利休七哲のひとりであり、

織部焼・織部流の創始者としても有名な人物です。

 

戦国時代のマンガといえば、戦争で生き残り、立身出世が主流でありますが、

このマンガは『文化』・・・特に茶の湯の世界が中心に描かれています。

そのおかげで、このマンガは非常に新しい視点から戦国時代を描かれております。

千利休の影響で、茶の湯が多くの大名に流行ったことは有名ですが、

漫画というジャンルで、本格的に安土・桃山文化の世界を描いた作品は他に読んだことがありません。

そういった意味で、多くの読者にとって、『新しい作品』であると思います。

 

『戦国時代のもう一つの顔』である安土・桃山文化を描いているということで、

どうしても地味な印象を受けるかもしれませんが、文化的なことだけでなく、

ちゃんと戦国マンガらしい部分(独自解釈が多いけど)も描かれているので

そういった意味でも、戦国ファンが安心して買える作品だと思います。

 

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ここからは、15巻の感想。

15巻では、ついに関ヶ原の戦いが描かれることとなりまして、西軍・東軍の武将の

この戦いにかける想いが描かれることとなりました。

 
まんが栄養素-へうげもの 15巻

 
まんが栄養素-へうげもの 15巻
 

そんな15巻のメインとなるのは、もちろん関ヶ原の戦いですね。

説明不要だと思いますが、関ヶ原の戦いとは、『豊臣秀吉』が死んだことをきっかけに、

全国が『徳川家康』が率いる東軍と、『石田三成(実際は毛利輝元だけど)』が率いる西軍に

分かれて戦うこととなった戦です。 関ヶ原の戦い自体の内容だけでなく、『徳川秀忠』の遅参、

『真田昌幸』・『真田信繁』の活躍、『黒田如水』の野望など注目される出来事が様々あり、

恐らく、最もに有名で、人気のある戦いではないかと思われます。
 

で、本編。

本編では、『徳川家康』が『石田三成』を関ヶ原におびき寄せたことにより、戦が始まります。

布陣としては、東軍を西軍が囲んでいるという状況で、パッと見は西軍有利であるわけですが、

『徳川家康』としては、『小早川秀秋』・『吉川広家』などと裏切りの約束をしているため、東軍が

圧倒的に有利な状況であると思っております。

 
まんが栄養素-へうげもの 15巻

 
まんが栄養素-へうげもの 15巻
 
そんな状況で、関ヶ原の戦いが始まります。

東軍・西軍の武将による一進一退の攻防が描かれることとなるわけですが、

戦が始まっても、松尾山に陣取る『小早川秀秋』や、南宮山に陣取る『毛利秀元』が

動く気配はありません。 西軍としては彼らが山から下りて東軍へ攻め込めこむことを期待し、

東軍としては『小早川秀秋』が裏切り西軍の横っ腹を攻め込むことを期待するわけです。
しかし、段々と、両軍ともに、動きを見せない彼らに対して、イライラを隠せなくなります。

 
まんが栄養素-へうげもの 15巻
(↑関ヶ原の戦いの勝敗のカギを握っている『小早川秀秋』)
 
そんな状況に、『徳川家康』は自らの陣を前進させ、『小早川秀秋』に早く裏切るようにと

プレッシャーを与えることとなります。 このプレッシャーのかけ方が、この漫画の面白さで

ありまして、具体的にはネタバレになるので書きませんが、大笑いしてしまいましたよ(笑)。

(さすがに主人公が可哀想でしたけど・・・)
 
で、結果的には、歴史の通り、東軍が勝利をすることとなります。

これ以降は、『石田三成』の逃亡・斬首が描かれつつも、『徳川家康』による西軍側についた

武将の粛清が始まることとなりました(毛利とか)。 恐らく、次巻以降は、次なる大戦である

『大坂の陣』までの徳川の治世が描かれていくのだと思われます。 次巻も楽しみです。

 

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【総評】

関ヶ原の戦いです。

思っていた以上に本格的に関ヶ原の戦いが描かれたので、非常に面白かったですよ。

次巻以降は、徳川の治世で、主人公がどのような活躍をしていくのか気になりますね。

次巻も大いに期待したいです。

 

点数的には

96点

です。

 

 

では、ここまで。

 

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