【マンガ感想】
『へうげもの 14巻 (山田芳裕)』
へうげもの(14) (モーニング KC)
山田 芳裕 講談社 2012-01-23 by G-Tools |
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【あらすじ】
秀吉の死により、泥沼の朝鮮侵略がようやく終結。死にものぐるいで戦った武将たちの不満は官僚派の筆頭・石田三成に集中。世に言う「七将」襲撃事件をまあまあまあと丸く収めたのが家康。三成を政権から追放するナイフエッヂな政略で、次の天下は徳川さんとの声しきり。とにかく時代はゴーゴー「関ヶ原」。「ヘウケモノ」な茶碗を世に放つ織部。東西分かれてのくんずほぐれつに、危ない橋を平気で渡ります!
功名よりも茶器に興味を示す人物・古田織部を主人公とした戦国時代を舞台とするマンガ。
この古田織部は実在した人物で、利休の弟子で、利休七哲のひとりであり、
織部焼・織部流の創始者としても有名な人物です。
戦国時代のマンガといえば、戦争で生き残り、立身出世が主流でありますが、
このマンガは『文化』・・・特に茶の湯の世界が中心に描かれています。
そのおかげで、このマンガは非常に新しい視点から戦国時代を描かれております。
千利休の影響で、茶の湯が多くの大名に流行ったことは有名ですが、
漫画というジャンルで、本格的に安土・桃山文化の世界を描いた作品は他に読んだことがありません。
そういった意味で、多くの読者にとって、『新しい作品』であると思います。
『戦国時代のもう一つの顔』である安土・桃山文化を描いているということで、
どうしても地味な印象を受けるかもしれませんが、文化的なことだけでなく、
ちゃんと戦国マンガらしい部分(独自解釈が多いけど)も描かれているので
そういった意味でも、戦国ファンが安心して買える作品だと思います。
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ここからは、14巻の感想。
14巻では、『徳川家康』による『上杉討伐』が始まりつつも、石田光成が挙兵するという展開が
描かれまして、関ヶ原の戦いの前哨戦が描かれることとなりました。
(↑豊臣秀頼に上杉討伐へ行くことを伝える徳川家康)
(↑石田光成に西軍の総大将になることを打診される毛利輝元)
そんな14巻のメインとなるのは、もちろん関ヶ原の戦いへの前哨戦ですね。
前哨戦のメインとなるのは当然、多くの大名の囲い込みでありまして、御茶頭として絶大な
影響力を持っている主人公・『古田織部』もまた、石田側から打診を受けることとなりました。
しかし、主人公は、徳川側の囲い込みを担当する立場であるため(影響力を持っているため)、
石田側の打診を当然のごとく断ることとなり、佐竹氏の説得へ向かうこととなりました。
(石田側は毛利輝元の説得に成功し、そして、西軍に大名を取り込もうと大名の女房達を
人質に取るという行動に移る・・・細川ガラシャが殺害される)
現時点で、佐竹氏は、徳川側についているものの、いつ裏切るかわからない状態で、
もし、徳川家康が石田光成を討つために西に向かえば、佐竹氏が江戸を攻め込む可能性が
あるようです。 そこで、徳川家康は佐竹氏の茶の湯の師である主人公・『古田織部』に
佐竹氏の説得を依頼することとなります(成功報酬は徳川の世になった時に、数奇に
関するすべてを主人公に任せるという約束)。
その説得シーンに関しては、今巻の中でも一番面白いところであるので詳しくは書きませんが、
主人公・『古田織部』らしい説得方法は大いに笑わせてもらいましたし、何よりも、非戦闘員の
ような存在の『古田織部』が関ヶ原の戦いで成した役割が判りやすく描かれたのが良かったですね。
いや~、面白かったです。
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【総評】
ついに関ヶ原の戦いまで話が進んできました。
次巻では、ついに関ヶ原の戦いが描かれることとなると思われまして、ますます盛り上がって
行くのだと思われます。 次巻も大いに期待したいですね。
点数的には
96点
です。
では、ここまで。