http://www.aspo-ireland.org/newsletter/Newsletter71.pdf
11月に発行された ASPO Newsletter #71 に面白いことが載っています。
こういう技術的な情報は重要ですね。
4ページの2段落目(ベネズエラ):
→ (オリノコ川流域に埋蔵されている)タールサンドは瀝青の層が深すぎる地点にあるために、カナダのタールサンドのような露天掘りができない。よって、一本の油井の周囲に五本の井戸を掘削し、蒸気を注入し、中央の井戸から流動化したタールを回収する。
オリノコタールは自噴しないってことです。
自噴しないと、油を回収するのに大量にエネルギーを消費するようになります。
いくらサウジアラビア並みの埋蔵量がある、といっても、これでは同列には比べられません。
もちろん、油の質(重いか軽いか)も重要な差です。
が、それだけでなく、「サウジアラビアにあるような、穴掘れば勝手に噴いてくる油田」がいかに有利な油田かを考慮しなければならないわけです。
そういう有利な油田は先に掘ってきてしまっているわけです。後に残されるものほど、不利な油田になる傾向があるわけです。
6ページの5段落目(ノルウェー):
→ 需要を満たそうとして天然ガスの回収を増やしすぎるのは(採掘している石油会社にとって)危険。油田からの油の回収を増やすために油田に再注入する天然ガスの量が減ってしまう。(ガスより価値の高い液体燃料の得られる量が減ってしまう)
→ ノルウェーでは、産出した天然ガスの6割が(単なる廃棄処分として)燃やされるか、油田に再注入されているか、油田・ガス田が操業するための燃料として使用されるか、のいずれかに充てられている。(残り4割が、都市ガス・産業用ガス・LNG用として外部へ販売されている、という意味)
→ 従って、(天然ガスの産出量を見るときは)グロスの量(地下から出てきた産出総量)なのかネットの量(上記のような産油地帯での消費量を除いた、外部へ販売可能な純産出量)なのかに注意する必要がある。
いやいや~。勉強になりました。