Q&A3316 Q&A3302「PRP卵巣注入について」の続き | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 46歳

 

PRP卵巣注入では、自己血液の他に薬剤は何を混ぜているのでしょうか。通っている病院でお聞きしたら「自分の血液と後は何が混ざっているか分からないし、何年後に卵巣の状態が正常なのか分からないから、僕はおすすめ出来ない、ご主人とお話を聞きに行くのはいいけど、うちの病院ではPRP子宮はおこなっていて、それは内膜の薄い方に自分の血液を採血し分離機にかけ使ってますが、卵巣にはまだおすすめ出来ない」と言われました。

 

使っている薬剤自分の血液と他何を混ぜ使いますか。安全性も教えて頂きたいです。リプロでPRP卵巣にやった場合、その後の治療、採卵に体外受精はリプロでやらないといけない形ですか。私は中々卵胞が見えて来なくて、去年の10月から卵胞が育たなくなりました。最後は中刺激をしました。今は自然周期にして、薬も今周期は何もなしです。前周期はE2が462ありましたが、卵胞が見えないと言われました。エストラーナテープを2日おきに3枚貼ってました。テープだけのホルモンで462もE2は出るんですか。そのあと390にE2は下がり、私は排卵したんじょないか?と感じました。排卵前はソワソワするので、もしかしたらと思いました。今回はテープも何も無しの周期です。少し揺さぶってみてみましょうと先生に言われました。もう不妊治療に疲れました。涙が止まらない日々にも疲れました。お金もかかるのに結果も出ない。保険適応になり以前より高くなりました。私は46歳で保険適応の年齢ではないので全て自費です。疲れました。

 

A 新しい治療に否定的な見解の医師がおられることはしばしばあります。PRPについても同様です。PRPはご本人の血液のうち血小板成分を分離して使います。薬剤は何も混ぜていません。血小板は遠心分離だけで分離できますし、凍結乾燥(PFC-FD)の際にも薬剤の添加は不要です。凍結乾燥は、溶液を凍結した状態で高真空下に曝すことで、昇華によって水分を除去する方法です。したがって、前回も書きましたが、注入時の針によるリスク以外のリスクはありません。なお、注入時の針によるリスクとは、採卵のリスクと同じです。

 

リプロダクションクリニックでは、PRP治療は当院で採卵移植を行う方だけとしています。前回も書きましたが、現時点での打開策は、PRP卵巣注入しかないと私は思います。

 

また、エストラーナテープだけのホルモンでE2が400前後出る方もおられます。

 

下記の記事を参照してください。

2022.4.3「☆PRP卵巣注入510例の後方視的検討

2022.2.25「PRP子宮内注入:基礎的検討

2022.2.14「PRP子宮内注入:最近の論文

2021.12.19「反復着床障害(RIF) その3

2021.12.11「Q&A3140 ☆PRP治療について

2021.11.29「☆PRP卵巣注入による卵子形成促進 その2

2021.9.18「☆PRP療法による着床率改善

2021.9.4「☆移植周期のPRP療法

2021.8.10「PRP卵巣注入による卵子形成促進

2021.2.25「☆PRP療法の基礎的検討

2019.12.12「PRP療法について:オピニオン

2019.6.13「☆PRP療法について

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。