*明日は寺子屋「神経科学」の追加の追加開催です!!13時から開催!!!
今月の寺子屋は「シュメール」です。前回(昨年末)の宗教史、裏の宗教史を踏まえて、大御所のシュメール登場です。
サイキックアタックの追加開催も16日(月)です!!!!
いろいろとお楽しみに!!
リクエストも歓迎です!
昨日は「サイコパスのすゝめ」でした!!
サイコパスってどんな人なのでしょう、、、
Wikipediaを見てみると!
良心が異常に欠如している
他者に冷淡で共感しない
慢性的に平然と嘘をつく
行動に対する責任が全く取れない
罪悪感が皆無
自尊心が過大で自己中心的
口が達者で表面は魅力的
(以上、犯罪心理学者のロバート・D・ヘアの定義)
極端な冷酷さ
無慈悲
エゴイズム
感情の欠如
結果至上主義
(オクスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンの定義)。
まさにハンニバル・レクター!
この「サイコパス」講座はまといのば講座としてこっそり開催しましたが、ディープなメンバーとディープな内容で展開できました!!
(この講座も近いうちに再開催したいですねーー)
余談ながら、セミナールームにあるゴルゴの日めくりカレンダーの言葉がたまたま「非常時に最も危険なものは、危険そのものよりも それを恐れる人間が起こすパニックだ(ゴルゴ13)」でしたw
偶然の一致とは言え面白いですね。
まさにそうですねー
パニックは役に立ちません。
パニックにならず、冷静に問題を整理して、自分の感情をワキにおいて(自分を勘定に入れずに)対処すると、良い方法は見つかるものです。
ゴルゴと同じ暗殺者であり、ミュンヘンオリンピックのテロの報復として、モサドによって組織された実行部隊(イスラエルは否定していますが)の自伝があります。
少し長いですが、こんな一節です。
(引用開始)
フランクフルトに帰ると、恐怖感の輪郭がだんだんと明確な形をとってきた。カールやあとの三人にとってもそうだったにちがいない。七ヶ月たって、しかもベイルートの場合を除いても五つの暗殺作戦に成功しながら、なぜいい知れぬ恐怖感にみまわれるのだろうか。そう、冷静に考えてみると理由はすこぶる単純明快なものに思われた。
いざ五人の暗殺に成功してみると、それがいかに朝飯前のビジネスであったか、一同にはおのずと分った。少人数でも資金とわずかな決断力さえあれば、人をわけもなく見つけ出して殺せるのだ、刑罰さえ受けないで。結局は自分たちもひと握りのテロリストと同じようなことをやっているのではないか。しかし、こちらとしてはターゲットはあくまでもテロリスト、罪なき第三者ではない。いつまでもそんな奴らに好き放題な真似をやらせておくわけにはいかない。たったそれだけの違いであるが、これは天と地ほどの違いだ。
しかし、自分たちがこれほどお手軽に人殺しができるのなら、相手にもそれができるはずである。そして自分たちがさしたる障害もなく相手を殺せるのなら、自分たちだっていつそのように殺されるのか知れたものではない。自分たちが奴らについての情報を金で買ったのであれば、資金力が豊富で人殺しを何とも思わない奴らも、当方についての情報を金で買えるはずである。暗殺チームもテロリスト側も人殺しをやりとげるためにやむなく犯行の痕跡を残してきた。双方とも情報を入手するために密告者や情報屋と接触しなければならなかった。そのような連中や手先が一人でも相手側にキャッチされたら、それで万事休すだ。こんどは自分たちがテロリスト側に付け狙われる番となる。街角で止まれば銃口に気を配らなければならないし、夜は夜で部屋にもどって明りをつけ、ベッドに横たわったとたん天井までぶっ飛ばされるかもしれないのだ。
(引用終了)(ジョージ・ジョナス「標的は11人」pp.251-252)
自分たちがこれほどお手軽に人殺しができるのであれば、相手にもそれができるはず、というのは重要なポイントです。
暗殺が朝飯前のビジネスであったことが、言い知れぬ恐怖の震源となるわけです。
しかし、これはまさにサイコパスらしからぬ発想です。
サイコパスは恐れを知りませんし、実際に悲惨な結果となるような決断もひょうひょうとします。
ケビン・ダットンは父がサイコパスであったと言います。
その父についてこう書いています。
(引用開始)
(サイコパスであった:引用者注)父がパニックになるのを見たことがなかった。冷静さを失うのを見たこともなかった。何かでカッとなるのを見たことがなかった。正直、そうなってもおかしくない場面が何度もあったのに。(引用終了)(ケビン・ダットン「サイコパス」)
そして父について「現代の生活には理想的な人格の持ち主」と考えます。
少なくともゴルゴとビジネスをするには理想的な人格の持ち主かもしれませんw
パニックにならないのですから。
なぜ現代の生活には理想的なのかと言えば、、、、
サイコパスであるお父さんはこう言います。
「人間が進化の過程で恐怖を発達させたのは、捕食者から身を守るためなんだとさ」と(サイコパスの:引用者注)父が私に言ったことがある。「でも、原始時代じゃあるまいし、今どき、治安の悪いエレファント・アンド・キャッスルの界隈だって、サーベルタイガー(剣歯虎)はそんなにうろついてやしないよな」
アドレナリンというトウソウ(闘争or逃走)ホルモンは現代において、それが引き起こすパニックは役に立たないのです。
上司から怒られてアドレナリンが出て、その結果としてトウソウしても仕方ないのです。
サーベルタイガーが目の前にいるときは、IQを下げて、一目散に逃げるべきなのかもしれません(もしくは一目散に戦うべきなのかもしれません。そう言えばディカプリオの映画レヴェナントのクマとの闘いはすごかったです)。
しかし我々が住む現代において、アドレナリンだけを暴発させてトウソウしても役に立ちません。
役に立たないどころか、ゴルゴの言うとおりにパニックは「最も危険なもの」です。
(あわてて付け加えますが、アドレナリンは重要です。アドレナリンを暴発させることを、アドレナリンというホルモンに支配されることを批判しています。アドレナリンは重要なホルモンですし、悪玉ホルモンのように言われるコルチゾールも大事なホルモンです。ホルモンに使役されず、ホルモンを使役すべきなのです)
サイコパスとはどんな人なのでしょうか?
ハンニバル・レクター??
大量殺人者??
我々は社会の中に相容れない異常者として考えがちです。しかし人口の4%ともいわれます(東アジアはぐっと少なくなり0.1%とされます)。これは驚くべき多さです。
小学校のクラスに一人はいるし、友達100人いるうちの4人はサイコパスです。
前述のケビン・ダットンによればサイコパスの多い職業の上位10位は次のとおりだそうで、
1位 CEO
2位 弁護士
3位 テレビやラジオのジャーナリスト
4位 小売業者
5位 外科医
6位 新聞記者
7位 警察官
8位 聖職者
9位 コック
10位 軍人
うーん、なるほどーーという感じがしますね。
2位の弁護士というか、Lawyerというのはうなづけますねw
いまHuluでずっと見たかったSuitsを見ています。
スーツを来たLawyersの物語です。
*キャラクターの中ではドナが一番好きです。
サイコパスかどうかは別として、パニックにならず、ある意味で共感能力や心を捨てて機能を果たす姿がかっこよすぎます。
極限まで合理的で機能的になってから、その先に人間らしさなるものが立ち現われてくるように思います(あくまでも主観的な感想ですが)。
NYの一流法律事務所ですので、顧客はCEOが多いです。1位と2位が期せずして見れます(^o^)
これは以前も紹介しましたが、サイコパスというとハンニバル・レクターのようなイメージがあります。というかハンニバル・レクター博士こそが、サイコパスを世に知らしめたと言っても良いかもしれません。
ケビン・ダットンによればこんなサイコパス度判定テストがネットに出回っているそうです。
(引用開始)
インターネット上に次のようなクイズが出回っている。ある女が母親の葬儀で見知らぬ男と会う。女はなぜかその男に惹かれる。この男が自分の運命の人だと確信し、たちまち恋に落ちる。しかし電話番号は尋ねずじまいで、葬儀が終わったあとは探しようがない。数日後、女は自分の妹を殺す。いったい、なぜ?
答える前に少し考えてみよう。どうやら、この簡単なクイズで、あなたがサイコパス的な思考の持ち主かどうかがわかるらしい。女が妹の命を奪う動機はなんだろう。嫉妬?、その後、男と妹が同じベッドにいるのを目撃したのか。復讐?、どちらもありそうな話だが、正解ではない。あなたがサイコパス的思考の持ち主だとしたら、次のように答えるはずだ。妹が死ねば、葬儀に再び男が現れるかもしれないから(引用終了)(ケビン・ダットン「サイコパス」)
フェイスブックで「サイコパス診断テスト!!」とか言って、投稿されていそうなテストですね。
妹が死ねば、葬儀に再び好きな男が現れるかもしれないと考えるのは、我々が想像する猟奇的なサイコパス像にぴったり合います。
しかし、現実は違います。
正確に診断されたサイコパスたちに同じ質問をしたところ、葬儀に再び男が現れるかもしれないから、と答えた人は皆無だったそうです。
(引用開始)
標準的な臨床プロセスを踏んで適切に診断された正真正銘のサイコパスーーレイプ犯、殺人犯、小児性愛者、武装強盗ーーに同じクイズをやらせてみたら、どんな結果が出たか、わかるだろうか。
『妹が死ねば、もう一度葬儀ができるから』と答えた人間はひとりもいなかった。ほとんど全員が「恋愛関係のもつれ」が動機だと答えた(引用終了)
非常に凡庸な回答なのが、非常に面白いですね。
僕等がサイコパスを特殊な異常犯罪者と思って切り離そうとしてもそれは実態と違うのです。
誤解を恐れず言えば、我々はサイコパシー性を能力の1つとして持つべきなのかもしれません。
ケビン・ダットンはこう言います。
「サイコパシーは太陽の光のようなもの。浴びすぎればおぞましい発癌物質のように死を早めるおそれがあるが、適度に浴びれば健康にも生活の質にも大いにプラスになる」と。
物理空間から情報空間へと大移動しているいまだからこそ、過去の最適化ではなく、未来の最適化の1つとしてサイコパシーを取り上げても良い時期かもしれません。
One more thing!
セミナーで紹介したTEDレクチャーはこちらです。ジム・ファロン「殺人者の精神の探求」
そしてそのジムの著作がこちら↓
サイコパス・インサイド―ある神経科学者の脳の謎への旅/金剛出版
¥3,024
Amazon.co.jp
そして繰り返し引用しているお馴染みのケビン・ダットンがこちら↓
サイコパス 秘められた能力/NHK出版
¥2,592
Amazon.co.jp
そして最初に引用したのがこちら!
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)/新潮社
¥761
Amazon.co.jp
この作品を原作としたスティーブンスピルバーグの傑作が「ミュンヘン」
*すさまじいの一言につきますね。
そして蛇足ながら、ハンニバルです!!
ハンニバル [DVD]/東宝
¥2,052
Amazon.co.jp