











僕が人前で初めて演奏したのは、確か1986年。高校二年の時、あまり喋ったことのなかった同級生からバンドへ誘われて、ベースを弾きました(お前、フォークギター弾けるんならベース出来るら?と勧誘された)。他のメンバーもこの同級生が集めてきて、全く初対面でした。
(ギターが発起人の同級生、ボーカルがやはり同学年の女の子。ドラムとキーボードが二つ年上の専門学校のお姉さんたち。ベースが僕でした)
ベースは持ってなかったけど、売ってやるよ、っていう別の同級生から四千円でベースを買って、バンドスコアをコピーして練習しましたっけ(このベースは今でも持ってる)。
一番最初にスタジオで合わせたのがレベッカの「メイビートゥモロー」。
あと当時デビューしたばかりのPEARLの1stアルバムから二曲。
バンド発起人の同級生が《これ演りたい》と全ての曲を選曲しました。僕は言われた曲を練習しただけですけど、誰かと音を合わせて演奏するってのが新鮮で、楽しかったです。
練習して、ライブやろう!ってなって、袋井市の南公民館のホールを借りて、何組かのお兄さんバンドと一緒に演奏しました。自分たちのバンド名はPEARLの曲から【ONE STEP】。これも発起人のヤツが名付けた。
余談ですが、このバンド発起人、イベント一週間前に不祥事をやらかして学校から謹慎をもらい、本番はギター抜きで演奏したという苦い思い出がある。バカヤロウなヤツでした。
なんだかんだ、この時の縁をきっかけに、この後も三つほどバンドを経験させてもらいましたが、どれも人の音楽の趣味に合わせてばかりだったので、楽しいけど多少の不満がつのって、かといって自分でバンドリーダーはやれると思わなくて、バンドから距離をおくようになりました。
そして数年後、ギターの弾き語りで初めて人前で歌ったのは、忘れもしない1993年12月19日(日)、場所は磐田FMステージでした。ひどい風邪を引いた後でしたが、本番なんとか声が出てホッとしたことを覚えてます。23歳の冬、もうすぐ24歳になるって時のことでした。
・LONGER/ダン・フォーゲルバーグ
・IF YOU ARE PASSING BY THAT WAY /ゴダイゴ
・ALONE AGAIN /ギルバート・オサリバン
・君の瞳に恋してる/ボーイズ・タウン・ギャング
とにかく「ロンガー」が好きで歌いたくて歌いたくて。「アローン・アゲイン」もそう。当時はカラオケボックス全盛期。これを歌いたくて仕方ないのにカラオケに入ってない!ってのが選曲の理由(!?)。じゃあ自分でギターで歌っちゃおう、と。
今でも弾き語りでカバー曲を選ぶ時は、カラオケに入ってる曲はわざわざ自分でやらなくても、ってちょっと考えます。が、近年はもう、こんな曲まであるの?ってレア曲まカラオケにあるらしいので、カラオケ定番曲も気にせずバンバン歌ってます。上記の初ライブのセットリスト曲もカラオケに既に入ってたりするかのも。
ここから来月のフリーダムフォーク集会のお知らせです。













普段はイベント出演者の中で《眠くなる担当》とご自身で笑って仰ってたけど、作られる歌世界の小粋で素敵なこと。他愛のない独り言のようで寓話のような、何も難しくない言葉を三分間の小品に見事にまとめてる。こういう歌が作れたらどんなにいいだろう。


奇しくもこの日集った三人は、ギターをガシャガシャ掻き鳴らさない、シャウトしない三人で、午後の屋外にぴったりな音楽をユッタリと鳴らしてくれました。特に穂乃実さんとcomisoleくんは、二人はどこか似ている、と思われた方も多くいたようです。
二人の音楽は別物だけど、ステージでの佇まいというか、ガツガツしてないユッタリした間の取り方はちょっと似てるかも。聴き手に露骨にグイグイ迫っていかない。押しと引きなら引きの、静と動なら静のアプローチ。音を小さくすればお客さんの方からなになに?と耳を傾けてくるのです。
こういうアプローチを、聴き手へのサービスが足りない、と思う人がいるのかしら。客にサァ盛り上がりましょうと煽ることなく、ただ淡々と真摯に歌う姿は僕はとても好感ですね。
この日の三人とも、夢や未来の希望を高らかに歌い上げるわけでないし、世の不条理を訴えもアジりもしない。かといって恋愛事情を切々とアピールするでもない。とっても私的でぶっきらぼうな奥ゆかしい歌の世界を作っておられて、たいへん楽しませてもらいました。誰もがこんな歌をもっともっと作ったらいいのに。皆さんお疲れ様でした。
追記。二人の歌を聴きながらハルノオトさんと目が合って、《ヤバイね!》と僕がそっと言うとハルさんは《ヤバイでしょ!》と、してやったりの笑顔。そうでしょうとも。若い才能は眩しい。




二人とも百戦錬磨のライブ巧者なので、当たり前ですが上手いんです。盛り上がろうぜーなんて陳腐なこと言わずとも、シャイな浜松のお客さんが問答無用で騒いじゃうほどに。お客さんと一緒に楽しもうって気持ちが二人からガンガン伝わってきた。
こんなにも皮膚感覚でライブ楽しい!って思えたのはいつ以来だろう。ヒライマサヤ君を初めて観た時もこうだったな。初めてって免疫が無い分、驚きとインパクトで感動するものですけど、でもリクオは次もまた是非観たい。



二枚ともずっと聴いています。部屋で『リアル』聴いて、車では『夜汽車を貫通するメロディヤ』聴いて、どちらも最高。
名古屋、袋井市、浜松市と、三日連続のライブ観戦終了です。自分が歌ったわけでもないのに、三夜の濃いライブはグッタリ身体に疲れを残しました(夜勤明けで寝不足でしたもので)。こんなに連続で家を空けるのは今後しばらくないでしょう。三日間もひとり夜遊びに出してくれた家族に感謝。素敵な演奏を観せてくれた演者さんに感謝です。
10月に入って、これでしばらくフリーダムフォーク集会の司会以外の音楽イベントは控え、大人しくしてようと思います。娘の試験のスケジュール次第で、うまく隙間があったらどこかへフラッとお邪魔するかもですが(12月が試験の谷間と聞いてますが、基本は無理に外出はやめときます)、来年の春までは大人しく引きこもっています。凄いライブをお腹いっぱい観て食い溜めしたので、これで乗り切ろうと思います。
11月9日に予定しているフリーダムフォーク集会は、一次会の出演者が決まりそうです。また改めてお知らせします。11月のフリーダムは第二土曜日開催なので、お間違えないよう、よろしくお願いします。
マシス



当然ながら、ご自身で作られたこの小屋にハルさんの歌とギターが似合い過ぎています。畦道の辻楽師、とでも呼びたくなる。「誰にも聴かせられない歌」はハルノオト流ブルースで、このタイトルだけで名曲になる運命が決まってる。ラストに歌われた軽トラックの歌は気持ちの良いロードソング。なんて素敵な歌を作ったのだろう。






01. SPARKLE
02. LOVE’S ON FIRE
03. 人力飛行機
04. 夏への扉
05. 僕らの夏の夢
06. Sync Of Summer
07. Paper Doll
08. ポケット・ミュージック
09. シャンプー
10. ONLY WITH YOU (アカペラ)
11. I LOVE YOU…Part Ⅱ (アカペラ)
12. クリスマス・イブ
13. 蒼氓
14. さよなら夏の日
15. メリー・ゴー・ラウンド
16. 今日はなんだか
17. LET’S DANCE BABY
18. アトムの子
---Encore---
19. パレード
20. Ride On Time
22.恋のブギ・ウギ・トレイン
23.YOUR EYES
一曲目のおなじみ「SPARKLE」イントロのギターで、キタキターと思ったけど、歌い出したヴォーカルがコモッて聴こえて、アレ?って思った。久しぶりのホールコンサートだから自分の耳が慣れてないのか?間奏で達郎がスタッフに耳打ちしてましたが、対応調整をしたのか、三曲目あたりで気にならなくなってた。
二曲目の「LOVE’S ON FIRE 」はライブで初めて聴きました。そもそもアルバム『SOFTLY』が出てからのライブは観てなかったので、当然のこと。会場まで来る道中のカーステで『RAY OFHOPE』と『SOFTLY』を聴いてきまして、おお「LOVE’S ON FIRE 」カッコイイー。ライブで演ってくれたらいいな、と思ってたので、嬉しかったです。
そう、達郎コンサートは定番曲もさながら、聴いたことない曲が聴きたいと思うもので、ようやく聴けた「人力飛行機」も嬉しかった。アウトロでメンバーのソロ演奏がたっぷりと気持ち良かった。
《世の中ギスギスと殺伐とした空気ですが、せめて自分のコンサートの間はそれらを束の間忘れて頂けたら》と達郎。夏の歌を三曲続けて聴いていただきます、と言って始まった三曲が、個人的に大好きなセレクトで素晴らしかった。ああ「夏への扉」何度聴いても大好き。そして「僕らの夏の夢」コーラスの《golden summer , we are together》で思わず目頭が熱くなりました。そしてそして新曲「Sync Of Summer」聴けて嬉しい格好良かった良い曲だな。
ファンは思い出の懐かしい曲を聴きたがるものでしょうけど、格好良い新曲を僕はステージで観たいです。どしどしステージでキメて欲しい。
「Paper Doll 」は古参ファンは大好きであろう佳曲。この歌もアウトロでソロ長めたっぷりヴァージョン。続く「ポケット・ミュージック」は言わずとしれた名曲。自分の人生にそっと寄り添ってくれる《音楽》への敬意を、これほど何気ない言葉で美しく完璧に歌った曲は他にないと思う。
エレピに座って弾き語りは「シャンプー」。始まる前にポロポロッと「雨は手のひらにいっぱい「2000トンの雨」「ドリーミング・デイ」を一節だけ披露するサービスも。
恒例のひとりアカペラコーナーでは、アルバム『BIG WAVE』から二曲。アルバム発売40周年だそうです。そして続くはもちろん「クリスマス・イブ」。わかっていてもこのお約束が嬉しい。
大好きな『蒼氓』は気合たっぷり10分を越えるかの熱演でした。いつだってこの歌はコンサートのハイライトの瞬間を生みます。心が舞い上がりそうな演奏。
ワイヤレスは嫌い、と常に言っている達郎があえてハンドマイクで歌う「さよなら夏の日」。会場の左右へ歩いて行って、ファンに手を伸ばすように歌い喜ばせます。これって前に「君の瞳に恋してる」でやったパフォーマンスがウケたので定番化したのかも。
《来年デビュー50周年で、300曲以上作ってきた》ということで、自分のお気に入り曲でもライブで何年もやれていない、という曲がどうしてもあるのだそう。7年ぶりの「メリーゴーランド」ご機嫌だ最高。シュガー・ベイブのナンバー「今日はなんだか」懐かしい。そして大定番「LET’S DANCE BABY 」。みんな一斉に立ち上がります(達郎コンサートはこの曲までは座って聴くお約束)。心臓に指鉄砲のクラッカーで火薬の匂いがプーン。達郎《昨日より(クラッカーの音が)多い!》。ラストはイントロで客席は大爆発「アトムの子」で本編終了。
アンコールは、まず竹内まりやの新譜の宣伝。そして、自分が来年デビュー50周年ということで、《21歳の時、部屋のこたつの中で作った歌を、2024年にステージで歌うなんて》と「パレード」を軽快に演奏。
そして達郎がテレキャスターを空カッティングすれば、もちろん「Ride On Time 」。恒例のマイクなし歌唱パフォーマンスもバッチリ決めてくれました(オレ、いくつまでコレやるんだろ笑←達郎)。三階席の上まで轟く生声のスキャット!we got a take!a! ride !on! tiiiiiiiiime!素晴らしい。
「クリスマス・イブ」も「Ride On Time 」も達郎コンサートでは絶対に聴けるけど、今回じっくり聴いてみて、なんて丁寧に歌ってることかと思いました。そして、毎回だからマンネリ、ではなく、曲が始まった瞬間から本当に嬉しくなる、お約束まで昇華したマンネリの強度を思い知らされます。
こんなもので終わらない、とばかり放たれる「恋のブギ・ウギ・トレイン 」で会場が一瞬でダンスホールに。長い長い。達郎御年71歳、3時間出ずっぱりで歌ってこの元気よ。
ここでオマケがくることを期待したけど、この夜は弾き語り「ラスト・ステップ」はなく、いつも通り「YOUR EYES 」で終演。

パンフレット買うと無料でもらえるオマケのステッカー。今回のパンフに寄せられたミッツ・マングローブの文章がただただ秀悦。よくぞ言ってくれた、と膝を打つ名文でした。
パンフレットに《コンサートは果たし合い》という山下達郎のコンサートは、毎回《たっぷり》チケット代以上の音楽をもらった!と心の底から思わせてもらえます。バンド演奏からも達郎からも、お客さんに絶対に損はさせない、最高水準のパフォーマンスをこれでもかと提供して満足して帰っていただく、という矜持がステージからビシバシ伝わってくる。これはずーっと変わりませんね。だから何度でも観たくなるし、チケットは毎回入手困難な状況なのでしょう。
達郎のコンサートは可能な限り見続けていきたい、と思ってたけど、近年、達郎の年齢のことを思えば、こんな凄いものを目の当たりに出来るのはこれが最後かも、と考えてしまいます。今回のチケットも、申し込みどうしよう、と少し迷いました。これまでに一番凄い時を観てきたから、もういいかなと。でもこうして行って観れば満足させられちまう。
コロナにかかって以来、お酒を止めたら声の調子が以前より良くなった、という達郎ですけど、それでも、これを当たり前にいつだって観れると思ってちゃいけない、奇跡のようなものを今日は観てきたのだと、そう噛み締めて観なくてはもったいないです。
3時間半が当たり前だったのが、3時間弱になろうと、たっぷり観た!という満足度は変わりません。むしろ、71歳で出ずっぱり歌いっぱなしで3時間なんて、凄すぎます。化け物ですね。
マシス



























さすがに今聴くと、ヴォーカルのエコーや音に時代を感じてキツイとこもあるのですが、どの楽曲も勢いがあって、白井貴子のキャリアでもノッていた時期だと想像できます。CMに使われた「PRINCESS TIFFA」とか懐かしい。
なかでもやっぱり「NEXT GATE」は好き。これは今聴いても格好良いです。
「Raspberry Gun」の《ダンダンドゥビドゥダンダン》のAからGへ行くコード進行とか、とても洒落てます。
白井貴子って、申し訳ないですが僕も数十年ぶりに今回聴いたほどで、熱心なファンと言えません。けれどいくつかのアルバムは音をリマスタリングして再発してくれたら、こんなに良いアルバムか、と再評価あるんじゃないかと思います。



