
町内会の決まり事で、毎年この時期に一回、朝から山に入って雑草を刈ったり枝を払ったりしてます。日曜日に頑張ったおかげで今、筋肉痛なのですが、普段の運動が足りてないので、ちょうど良い汗をかいたと思いたい。今年も無事に終わって良かったです。
山から降りたその足でタワーレコードへ直行。注文していたCDが届いたとの連絡を受けて、馳せ参じました。

ギルバート・オサリバンの新作アルバム『Songbook』です。これ、今年の9月に輸入盤で出てたのですが、日本盤がきっと出ると信じて待っていて、でも、これはどうも出そうもないと意を決し、取り寄せてもらいました。なんでもAmazonだと配信オンリーの販売らしくて。どうしてもCDで欲しくてタワレコで頼みました。
ギルバート・オサリバンは日本にファンも多く、レコード会社もこれまではせっせと邦盤を出してくれてたけど、ついに今作は輸入盤のみらしい。セルフカバーアルバムで新曲は一曲しか入ってないので、歌詞カードの対訳は、無くてもマァ仕方ない、と諦めます。
佐野元春、友部正人、ギルバート・オサリバンの三人は僕にとって特別で、好きすぎて手に入る作品は可能な限り持っていたい。なので今作もいつもならもっと早く飛びついて買っててもおかしくなかったけど、モタモタしてたのは、セルフカバーのアルバムということで、なんだ新曲じゃないのかと気後れしたからです。
オサリバンはどうして今、セルフカバーをやろうと思ったのでしょう。選曲はアルバム未収録のシングルが多いので、そこはとても良いと思う。意外だったのがわりと最近のアルバム『Gilbert O'sullvan』から二曲も選ばれてること。これはファン投票とかレコード会社の選曲だったら絶対に出ない曲たちで、本人のこだわりが感じられてちょっと面白いです。
ヴォーカルが衰えた、て数年前よりネットで言ってる人がいましたけど、僕はこれまで新作アルバムを聴いてる限り、ギルバート・オサリバンのヴォーカルが衰えたなんて一度たりと思ったことなかった。新曲を歌うオサリバンはいつだってエバーグリーンな元気な声を聴かせてくれていたのです。これまでは。今作で初めてオサリバンの今のヴォーカルを目の当たりにした気がします。
YouTubeで事前にいくつか先行公開してる音源を聴いていた時に思ったけど、オリジナルの録音に比べてどうしても声が弱く感じるところはある。「アローン・アゲイン」「クレア」「ナッシング・ライムド」のような代表曲は特に苦しそうに聴こえてしまうのが切ない。
で、改めて、オサリバンはどうして今回セルフカバーをやろうと思ったのか。これはオサリバンのツアーメンバー、ビル・シャンリーとの演奏を記録しておきたかったに違いないです。はっきり言ってビル&ギルバートという二人のユニットのアルバムと言っていい。
アルバム全曲、オサリバンのヴォーカルとピアノ、それにビル・シャンリーのギターとコーラスだけの編成で、これが現在のオサリバンのライブで聴けるアレンジなのでしょうね。

このビル・シャンリーの演奏がちょっと素敵です。オリジナルのアレンジに入ってるストリングスやコーラスのフレーズを、なんとギターで弾いて再現しようとしてる。「ウィ・ウィル」の合いの手のコーラスをスライドギターに歌わせるなんて、これが本当に気の利いた演奏で、オサリバンが絶大な信頼を彼に寄せてるのが伝わってくるのです。こんなギターが身近に居たらどんなに助かることか。
新曲の「A Kiss is a kiss」はなんてことないシンプルなバラード曲ですが、、オサリバン印ともいえるタッ・タカ・タッ・タカというアローン・アゲインなピアノフレーズとお得意の転調を駆使した佳曲。この歌で聴けるオサリバンのヴォーカルは瑞々しくて、声の衰えは気になりません。
やはり新曲って、その時の喉の調子から生まれて来た歌だから、声のノリがいいのは当然でしょう。
ギルバート・オサリバンはアルバムを70年代に5枚、80年代と90年代に4枚、2000年代、2010年代は3枚と定期的に出し続けてくれてます。10年に3枚以上のペースは保ってる。
2020年代は今作で2枚目。セルフカバーだけどアリにします。なら、あと5年以内にもう一枚出してくれるんじゃないかしら。年齢も年齢ですが、期待しますよ。
オサリバンの活動を見ていると、僕は静かに勇気づけられます。僕はこと自分の音楽活動に関してスローペースなので、周りの誰が活発に動いていても、それで自分が影響を受けることはまずありません。
(追加。周囲の影響を受けるとすれば、素敵な音楽を聴けた時だけです。身近で僕が興奮するような音楽を生み出せる人がいたら、それは大いに刺激をもらいます)
夢に向かって目標や計画を立てて邁進する人って(素晴らしいことだけども)、ある意味エネルギーの暴風竜のようなもので、そのペースを目の当たりにすると、自分のペースがわからなくなっちゃうことがある。特に体力が落ちてる時なんかに、もしアクティブな人がそばに来たら、申し訳ないけども嵐に巻き込まれないよう、僕は頭を低くして直撃を避けると思う。ある程度の距離を保とうと努めます。オサリバンはきっとずっとそうしてきた人だと、なんとなく思うのです。でなきゃ島に住んで家族と自然と音楽のみの生活なんてしてないですよ。
マシス