ライセンス停止のお知らせでツイッターの方で、あちこち拡散されて、いろいろと励ましのお言葉を頂いております。ベトナムで事業を行う際は、行政機関の動きがリスクとなってしまいます。また商習慣が日本と違いますので、こちらが当然当たり前でと思っているようなことが、ベトナムでは全く違っていたということがよくあります。ベトナム人妻と私との価値観の違いも当然ありまして、特に金が絡んで来た場合、いろいろ問題が発生するのはやむなしと思っております。
それと最近つくづく思うのですが、この技能実習制度、本当に複雑怪奇であり、一般の方々が理解するのはとても難しいです。人材派遣会社が技能実習業界に加わってくることはよくある話ですが、大半の方は派遣の延長で考えてきます。また派遣会社の社長はそれなりの年齢に達している方々が多く、この制度を理解しようと頑張るのですが、正直いくら説明しても本当の意味で理解することができない。理解ができなければ、営業として実習生を受け入れる会社を見つけることができず、折角時間をかけて作った監理団体が宝の持ち腐れとなってしまうケース、あちこちで見かけるようになりました。
この際だからあえて言いますが、この業界そんな簡単なところではありません。派遣のように入れてナンボではなく、建前上技能実習という形式を取るため、いろいろな書類の作成と提出が義務づけられています。一歩間違えれば受け入れ停止を食らい、それまで培った信用とともに水の泡。正直な話、外国人労務に関して素人が手を出すべき業界ではないと思います。
海外から受け入れる人材に関しても、それぞれの国の送出し機関と呼ばれる派遣会社と交渉しなければなりません。どの送出し機関が良いのか悪いのか、海外での取引経験のない人が行ったところでわかるわけもない。良いように接待されて、社長や理事長と持ち上げられて良い気持ちになって終わりです。生き馬の目を抜く海外の人たちと、日本という井の中の蛙状態の中小零細企業の社長が交渉をやり合えるわけもなく、結局自分にとって良い思いをさせてくれる送出し機関と付き合い、不良外国人をあてがわれる。それが今の日本社会にはびこる外国人問題の一翼を担っているのです。
協同組合という組織についても、一般の人たちにとってなかなか理解ができないものです。株式会社と違うといっても、じゃ何がどう違うのか説明してくれと言われても、うーん。私も本にかいてあるような説明はできますが、かみ砕いて素人の方に説明をとなると、言葉に詰まってしまいます。そして、どうして株式会社ではなく、協同組合が間に入り、組合員となった会社に対して実習生を送り出す仕組みを作ったのか、このような仕組みにしたメリットがあったからだと思うのですが、どうもよくわからない。
だいたい人手不足で労働者がほしいといっている中小零細企業の経営者にとって、ただ人が欲しいのにどうしてここまでわけのわからない制度を理解しなければならないのか、そして理解したところで何のメリットがあるのかさっぱりわからないのです。
だからいろいろな問題が発生したときに、制度がよくわからないから反論できず、奴隷制度だと言われたままになってしまう。
技能実習制度ではなく、もっと簡単でわかりやすく受入れができやすい制度に切り替えた方が良いと本当に思います。そして、外国から来て働く人たちの人権を守り、唯一ネックとなる言葉を習得させ、日本人と同等の給料を支払っていく。このような形に切り替えないと、今後日本自体がダメになってしまうような気がします。
ホントムダが多いよね。技能実習制度は・・・。そこまで厳密に制度を守らせようとしても、そもそも制度の建て付け自体が移民を受け入れないためのこじつけだから、偽装の制度を守らせるとはなんか変ですね。意味がよくわかりません。
「なんでこんな面倒な書類をいちいち提出しなければならないんだろう。監理費管理簿なんて何の意味がある?軽微変更、状況がコロコロ変わるのは当たり前じゃないか!監査、どうしてここまでいちいち言われなければならないんだろう、おたくは労基署か!給料ちゃんと払っているのに、えっこれじゃダメなの?組合は大丈夫といったのに、組合に聞いてくれ!作業している内容が計画と違う?仕事がうまくできないから、この子に合った仕事をやらせているんだよ!帰国させたくても、実習生だからできないでしょ。なんの問題がある」
あちこちから聞こえてきた受入会社のぼやきを一部紹介しました。
次回から、ベトナム送出し機関の裏側と称して、送出し機関の実態についていろいろと書いていこうと思います。よろしくお願いします。