【特定技能】業界関係者必読!外国人ドライバーの件、風向きが変わってきた | 続・奥様はベトナム人

続・奥様はベトナム人

ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

 

 

 さて、今年の3月に閣議決定され、動き始めた外国人ドライバーの件。一時期の熱に浮かれたような話はだんだんなくなり、なんか風向きが変わりつつあります。というのも、ドライバーを育てるという発想がそもそもトラック、バス、タクシー協会ともなく、どうも外国から簡単にドライバーを連れてくればいいという感じで簡単に考えていたところが、世論の反発や外国人を簡単にドライバーとして招聘できないということがわかり始めたあたりから、バックギアを引き始めたなという感じです。

 

 あのね、皆さん、考え方が甘くありませんか?

 

運送関係者 「農業でも他の技能実習生でも実際に免許を取って運転している人がいるのに、どうしてあえてドライバーとして在留資格を設定する理由があるの?」

 

答え「それはあくまでも実習の一部として取っているものであり、業としてドライバーをそもそも認めているわけではない。」

 

運送関係者「外国人でも実際に日本でドライバーしている人がたくさんいるじゃないか?そういう人を連れてくればいいんじゃないの?」

 

答え「定住者や永住者などの身分系の在留資格なら可能ですが、ある程度の日本語力を持っている外国人ドライバーは数が少ないです。仕事としては、外国人にとってドライバーは魅力的ですが、日本の場合は言葉の壁があり、なかなか難しいのが現状です。」

 

運送関係者「他でドライバーを取り始めて、うまく行ったらそのドライバーを引っ張ってうちもやろうかな?」

 

答え「すみませんが、それを引き抜きというのですよ。」

 

運送関係者「留学生をドライバーにすればいい。その方が楽だし、余計なお金かからないから」

 

答え「留学生がドライバーをやりたがると本気で思っているのですか?」

 

 運送業界、どうして人手不足になったのか、よーく理由がわかりました。どうして日本人の、それも若い人達がやりたがらないのか、仕事の内容からすれば一目瞭然ですからね。なんで人が採用できないのか、また採用しても離職率が高いのか、一度業界全体で反省して考えればいい。800人中途採用して、800人1年足らずでやめていく業界が健全な労働環境でないのは明らかですよ。いくら効率化を目指すといっても、それを今までできなかったから、今日の人手不足があるわけで、日本人でどうにかなるのなら、どうぞやってみてください。こちらもあえて火中の栗を拾うことはしませんよ。

 

 東南アジアの交通状況を見ると、向こうのドライバーを日本に連れてきて運転させることはまず止めた方がよい。なぜなら、交通ルールを守るといった日本では当たり前のことが、外国では難しいからです。ベトナムでいうのなら、バイクを平気で3人や4人で乗り、混んでいれば我先に進み、歩道でも平気で運転していき、一時停止はしない、車線はあってないもの、ガンガンクラクションは鳴らす、この人達に日本の交通ルールや日本人の譲り合い精神を理解しろといっても、無理。わかるわけがない。そもそもそういう環境で生活していないのだからね。

 

 だから日本語教育をしながら、日本の交通ルールも勉強し、できればベトナムの交通ルールに慣れていない、若い学生などを育てているのが必要ですし、それには初期投資がかかるのは当たり前。その投資が出せないのなら、外国人ドライバーを使わず、日本人だけでなんとかやっていく方法を選択すれば良い。

 

 私が以前から移民について議論をしなければダメだという理由は、こういうことがあるからです。人手不足の解消を外国人に頼れば、それに伴うリスクは当然考えなければならないし、社会全体がそのリスクを許容していかなければならない。そのリスクの許容ができないのなら、これからどんどん人口減少していく日本において、どう人がいなくても社会全体を回すことができるのか、そこに予算を投入していかなければならない。

 

 全然そんな議論が出てこない。ただその場しのぎのことばかりしているから、ダメなんです。

 

 運送業界もその他人手不足と言われている業界も、中長期の人材の採用計画はなく、派遣でとりあえず即戦力の人材を入れれば良いという短絡的な経営の考えで、正直この先、生き残れるのでしょうか?

 

 安全運転ができる外国人ドライバーの育成には時間がかかります。日本語教育には大体6〜8ヶ月、日本の交通ルールの理解などに3ヶ月程度、また運転免許試験に合格させるためには3ヶ月程度、少なくとも1年の教育期間が必要となります。もちろんそこには費用もかかります。

 

 私はドライバーに関しては、日本語教育と交通ルールの理解と徹底は必然だと思います。業として行う以上、ここをいい加減にできません。それこそ車は一歩間違えれば人を殺します。送り出す側の責任として、そう思っています。

 

 しかし、残念ながら、簡単にドライバーを雇えると思っている運送業界と、ただ適当な人員を送り出せば良いと思っている人材紹介業界が多く、このまま行けば、どこかで大きな犠牲が出てしまうことでしょう。

 

 どこの会社でも良いですから、今後の外国人ドライバーの採用に関しては、育成して、日本の社会にあった人材を使うんだという気概ある会社はないのですかね。

 

 私はドライバーに関しては、本当に変な外国人は入れたくありません。

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ ベトナム情報へ
にほんブログ村