続・奥様はベトナム人

続・奥様はベトナム人

ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

技能実習制度のことや特定技能、今度新設される育成就労、技術・人文知識・国際業務等の就労ビザなどのことを

当事者目線で記事を書いていきます。

2007年から業界に入り、17年間第一線でやってきました。

そのため、この制度の裏の裏まで知っております。

協同組合では事務局長や理事を経験し、派遣会社の総務もしておりましたので、大半のことはできます。

現在はベトナム人妻が会長を務め、義妹が副社長を務めるベトナム政府認定送出し機関

「つばき人材育成有限会社」(外国人技能実習機構 認定番号 VNM000375)の日本支社長をしております。

いろいろ批判が多い制度でありますが、真面目に一生懸命頑張っている監理団体や送出し機関があることも

知って頂きたいと思っております。

 最近ベトナムの技能実習生の集まりが少なくなったと思いませんか?ホーチミンの他の送り出し機関からも求人されても、人数を集めることができず、監理団体からお叱りを受けることが多々あると、ボヤキの話を聞くことも多くなりました。

 

 弊社も同様に実習生の募集に四苦八苦しています。以前と違い、実習生は仕事の内容や給料にもかなりうるさくなりました。自分が思っている条件と合わなければ、平気で行かないと言います。人材の質も大きく変わってきたと実感せざるを得ません。

 

 何が原因でしょうか?

 

 私が考察するに、円安も一つの要因ではありますが、ベトナム人が直接日本で働く状況をSNS等で情報が取れるようになり、仕事を選び出したこと。それから地域によって給料の格差があること。工場の仕事の方が建設や農業に比べて楽に稼げることなど、日本の状況がわかり、賢く立ち回るようになったことがあると思います。

 

 最低賃金でもそれなりの残業があれば、応募してきます。最賃に毛が生えた程度で残業もなければ、実習生は見向きもしません。

 

 稼ぐことができなければ、行く意味がないと考えています。韓国や台湾も人材確保の競争相手でありますし、韓国へ行きたがっているベトナム人は増えていると思います。

 

 北部と比べてまだ人を集めることはできますが、それもそう長く続かないと思っています。

 

 具体的な話はここではしませんが、大手の送り出し機関はすでにいくつかの監理団体からの大型案件を抱えていますから、その人数確保のために動くため、新規の案件には手を出さないでしょう。中小零細の送り出し機関は、たとえ受注が取れても面接人数の確保が難しいため、今後休止もしくは廃業するところが増えてくるでしょう。ベトナム人も日本ではなく、他の国への就職を希望することが多くなるでしょう。

 

 そこで次の国はインドネシアかミャンマーかですね。という話になりますが、2017年以降のベトナムと同じことをまた繰り返すことになります。

 

 今、インドネシアの実習生でどこもかしこも入れようとしています。しかし、すでに今年からあまりにも急激なインドネシアへのシフトのため、インドネシアの送り出し機関の体制が整わない状況です。間違いなく実習生の質の低下は始まりますし、インドネシアの人達も仕事の内容も日本の会社のこともよく知らないまま、送られていきます。今後どうなるか結果は見えていますよね。ベトナムのときと同様、「私は騙された」という実習生が増えていきますよ。10年前のベトナムと同じです。日本に行ければいい、そこでどんな仕事でも働ければいい、建設や農業などの大変な肉体労働のところへ送り込まれていく、結果どうなるか、同じ事の繰り返しですよ。そろそろこんな焼き畑農業ではなく、東南アジアの若者をどうやって日本の社会に入れて働いてもらうか、戦略的に考えて動かないと、そのうち日本に外国人が来なくなりますよ。

 

 目の前のことしか見ていないとしか言いようがない。これは外国人労働者問題に限ったことではありませんがね。日本の政治も同じですからね。

 

 弊社はこれからもベトナムでしっかりとした人材を送り出せるようにしていきますが、インドネシアでも実はお手伝いを始めています。外国人材を安い労働力として見ていないところへは遠慮なくインドネシアの送り出し機関を紹介しています。

 

 弊社で一生懸命教育した大切な人材は、待遇も給料もしっかり出していただける会社へ送り出します。

 

 まだベトナム人を使いたいと思っている監理団体や会社の方々は、一度弊社に問い合わせしてみてください。よろしくお願い致します。

 

 

 

 約2ヶ月以上、ブログの更新が途絶えてしまいました。別に送り出し機関が潰れたわけではありませんが、大体仕事が忙しくなるとプログの更新が滞りがちになるので、更新が少ないときは順調であるとも言えますので、どうぞご心配なく。

 

 ところで、現在お客様がホーチミンに訪れている最中ですが、アテンドもせず、会社の事務所に来ていろいろと改善をしているところです。弊社がメインで取引している監理団体は、たぶん日本でも有数の厳しい監理団体であるともいえ、今回はかなり厳しいお叱りを受けてしまいました。そもそも弊社のミスなので仕方ありませんが、一歩間違えば実習生の送り出し自体も停止になるような、とんでもない出来事だったので、私も数日食べ物が胃を通りませんでした。なんとか面接自体は監理団体のご協力もあり、無事できたのですが、採用なしの帰国ということもあり得る今までこの事業を行ってきた私にとって最大の危機だったのは間違いありません。

 

 ベトナム人と仕事をする難しさをつくづく実感いたしました。

 

 さて、このブログですが、そろそろnoteにでも移動するかと考えています。正直ブログにはかけないことが多くて、どうしても突っ込んだ内容は不特定多数のところでの発信に向かないのです。Xでの発信はちょこちょこしていますが、それでもかなり文章は抑えています。やっぱりある程度の内容については、クローズされたところでの話になるだろうと思います。

 

 私が当初このブログの前身である「奥様はベトナム人」は約10年前に書き始めたものでした。その当時、業界関係者が赤裸々に暴く実習生の問題はかなりの反響がありました。しかし、最近ではいろいろなところからの情報発信もあり、そろそろこのブログの役目も終わりに近づいてきたのかなと思っております。

 

 今後の方針が決まるまでは単発的な更新となるかもしれませんが、発信そのものは続けていこうとは思っております。方針が決まりましたらまたお知らせいたします。

 

 

 

 

 一時期人が集まらず、職種によっては手数料が下がったと思われたベトナムハノイの送出し機関の手数料が、どうも100万越えをしているという話が聞こえてきました。

 もともと手数料自体8,000ドルあたりだったので、今のレートだと余裕で120万ぐらいになりますから、高いといえば高いのですが、ほぼホーチミンに比べて倍以上の金額になっております。正直、私共からすれば、1人で2人分ですから、うらやましい限りですが、いろいろと訳がありそうです。

 

 現在ベトナム人実習生は、以前に比べて集めやすくなりましたし、質もだいぶ戻ってきました。それだけ国内の景気があまりよくないという裏返しでもあります。巷のニュースではコロナ後だいぶ景気も良く、国内経済が好調であるような話も出ていますが、飲酒運転の取り締まり激化に伴うローカルの飲食店の相次ぐ閉店や、海外への輸出産業の低迷、不動産バブルの崩壊などで、私の体感では決して景気は良くありません。また、ホーチミン中心部の空き店舗は相変わらず減っておらず、コロナ前の状況にはまだまだ及ばないように思えます。

 

 そのため、多くの人たちが仕事にあぶれている状況なので、多少の円安でも日本で働きたいという人たちが増えているのも事実なのです。

 

 しかし、コロナ後に入ったベトナム人実習生の質があまりにも悪かったせいで、日本側の企業が次の国へと送り出し国を変えてきました。そう、インドネシアがポスト・ベトナムとして台頭し始めてきたのです。当初ポスト・ベトナムはミャンマーでした。日系企業の進出及び日本人も東南アジア最後のフロンティアとして、ミャンマーに力を入れており、ベトナム人に負けない人材育成ができていた国でありましたが、例のクーデターの影響と緊急避難措置に伴う特定活動の在留資格があるため、失踪等のリスクが一番高い国になってしまいました。

 

 そこでインドネシアが次の国として、急速に人気を集めています。イスラムという宗教上のリスクはあるとはいえ、ベトナム人と比べて日本語能力が高く、性格も穏やかなインドネシアの人たちは瞬く間にベトナム人に代わる新たな人材として、日本で活動をしています。

 

 私もインドネシアを視察し、そのポテンシャルに今後ベトナムはインドネシアにとってかわられる危機感を感じました。

 

 そして、面接がだいぶ減り始めたベトナムは、ようやく自分たちが傲慢で調子に乗っていたことをわかり始め、再度日本への営業を強化し始めました。最近ベトナムの送出し機関からの営業電話が増えていませんか?そのうえ、アポが取れた監理団体に対して、再びキックバック等の実弾をばらまき始めましたが、すでに日本側もそんな危ない橋を渡る気はサラサラなく、送出し機関の信用を失うだけになりつつあるようです。

 

 これからベトナムの送出し機関は厳しい状況になると思います。今までのような濡れ手に粟の状態ではなく、インドネシア等の他国との競争となり、より質の良い実習生を育成し、送り出さなければなりません。またハノイでは、ブローカーへの紹介料が15万ほどであり、北の人材の最大の供給源であるゲアン、タインホア、ハティンは、そこの地域出身者が日本での多くのベトナム人の犯罪にかかわっているケースが多く、わかっている関係者はその地域出身者はそもそも面接候補者に入れないようにしています。うちもそうですが。

 

 そのため、南部の送出し機関から候補者の供給を行いますが、そこでは一人当たりの紹介料が30万ほどであるという話も聞いています。

 

 この手数料の高さが、今後ますますベトナム離れを引き起こさないか、正直心配なところがあります。ハノイから実習生を受け入れている監理団体や受入会社は一度実習生たちの手数料の調査をすることをお勧めいたします。手数料が高い場合、残業等の給料への要求が厳しくなり、いろいろと問題を起こす引き金になりかねません。

 

 それからもしベトナムからほかの国への切替を検討している監理団体や受入会社は、もしハノイからの受入をしているのなら、インドネシアに切り替える前に一度南部の送出し機関を検討してみてください。同じベトナム人でも北部と南部は結構違いがあります。送り出し国の変更は、社内でも体制を大きく変えることになるので、手間もかかると思います。手数料も安いですしね。

 

 最後は自分のところの宣伝になってしまいましたが、これからはベトナムも今までのような殿様商売はできません。育成就労では日本語要件も厳しくなるので、ベトナムの送出し機関もかなりの数が経営を退くことになるでしょう。厳しい時代が到来したと思っています。