最近ベトナムの技能実習生の集まりが少なくなったと思いませんか?ホーチミンの他の送り出し機関からも求人されても、人数を集めることができず、監理団体からお叱りを受けることが多々あると、ボヤキの話を聞くことも多くなりました。
弊社も同様に実習生の募集に四苦八苦しています。以前と違い、実習生は仕事の内容や給料にもかなりうるさくなりました。自分が思っている条件と合わなければ、平気で行かないと言います。人材の質も大きく変わってきたと実感せざるを得ません。
何が原因でしょうか?
私が考察するに、円安も一つの要因ではありますが、ベトナム人が直接日本で働く状況をSNS等で情報が取れるようになり、仕事を選び出したこと。それから地域によって給料の格差があること。工場の仕事の方が建設や農業に比べて楽に稼げることなど、日本の状況がわかり、賢く立ち回るようになったことがあると思います。
最低賃金でもそれなりの残業があれば、応募してきます。最賃に毛が生えた程度で残業もなければ、実習生は見向きもしません。
稼ぐことができなければ、行く意味がないと考えています。韓国や台湾も人材確保の競争相手でありますし、韓国へ行きたがっているベトナム人は増えていると思います。
北部と比べてまだ人を集めることはできますが、それもそう長く続かないと思っています。
具体的な話はここではしませんが、大手の送り出し機関はすでにいくつかの監理団体からの大型案件を抱えていますから、その人数確保のために動くため、新規の案件には手を出さないでしょう。中小零細の送り出し機関は、たとえ受注が取れても面接人数の確保が難しいため、今後休止もしくは廃業するところが増えてくるでしょう。ベトナム人も日本ではなく、他の国への就職を希望することが多くなるでしょう。
そこで次の国はインドネシアかミャンマーかですね。という話になりますが、2017年以降のベトナムと同じことをまた繰り返すことになります。
今、インドネシアの実習生でどこもかしこも入れようとしています。しかし、すでに今年からあまりにも急激なインドネシアへのシフトのため、インドネシアの送り出し機関の体制が整わない状況です。間違いなく実習生の質の低下は始まりますし、インドネシアの人達も仕事の内容も日本の会社のこともよく知らないまま、送られていきます。今後どうなるか結果は見えていますよね。ベトナムのときと同様、「私は騙された」という実習生が増えていきますよ。10年前のベトナムと同じです。日本に行ければいい、そこでどんな仕事でも働ければいい、建設や農業などの大変な肉体労働のところへ送り込まれていく、結果どうなるか、同じ事の繰り返しですよ。そろそろこんな焼き畑農業ではなく、東南アジアの若者をどうやって日本の社会に入れて働いてもらうか、戦略的に考えて動かないと、そのうち日本に外国人が来なくなりますよ。
目の前のことしか見ていないとしか言いようがない。これは外国人労働者問題に限ったことではありませんがね。日本の政治も同じですからね。
弊社はこれからもベトナムでしっかりとした人材を送り出せるようにしていきますが、インドネシアでも実はお手伝いを始めています。外国人材を安い労働力として見ていないところへは遠慮なくインドネシアの送り出し機関を紹介しています。
弊社で一生懸命教育した大切な人材は、待遇も給料もしっかり出していただける会社へ送り出します。
まだベトナム人を使いたいと思っている監理団体や会社の方々は、一度弊社に問い合わせしてみてください。よろしくお願い致します。