【ベトナム送出機関】ベトナムを選ぶ理由について ① | 続・奥様はベトナム人

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ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

 

 

【お断り】

 これから連載するブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場もあることから公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

第1章 ベトナムを選ぶ理由

(1)実習生希望者層

 ベトナム総人口は9,555万人(2018年)

 労働人口は5,425万人(労働人口とは15歳以上で従業者・休業者・完全失業者を合計した人数)

 

 

(2021年ベトナム現況)

 年間約8万人が日本へ入国しており、今後も暫くは増加傾向が続くと思われます。昨今のコロナ禍の影響があるとはいえ、いつまでも続くわけもなく(2022年3月からの入国規制緩和により、実習生の入国が復活した)、業界ごとにズレはあるものの、需要はいずれ回復してくると思われる(回復したもののベトナム側で人を集めることができず、インドネシアにシフトした会社も多い)。米中の状況によっては、脱中国の動きが活発になり、東南アジアを中心とした一大世界工場になる素質は十分にあります。

 また、経済発展に伴うベトナム国内の給与水準の上昇を懸念する声がありますが、最低賃金はハノイでも3万円/月にも届かず、技能実習生(以下実習生)希望者自身も3〜4万円/月の収入が多く、10〜15万円/月の日本とはまだまだ大きな格差があります(但し、円安の影響はかなり大きい)。日本においても、実質賃金の上昇が見込めれば、まだしばらくは所得格差は続くと思います。ベトナムが経済発展しているものの、実習生希望者層がその恩恵をうけられるようになるのはまだまだしばらく時間がかかります。

 

(実習生を取り巻く環境)

 ベトナム北部で実習生希望者層はハノイからバスで3時間圏内の各省及び、ゲアン省・ハティン省・タインホア省の実習生輩出層の御三家が多いです。北部送出し機関の場合、30%がこの御三家の出身です。送り出し統計で、ゲアン省・ハティン省・タインホア省は失踪率が高いため、上記募集を行っていない送出し機関もあります。送出し機関の中には、上記地域出身者からインターネットでの応募があった際は、通常の調査に追加して公安調査まで実施し、その後一次選抜の参加のときも、特別に注意を払って監視と調査を行うようなところもあります(アフターコロナ後は人も集まらないため、ここまで厳しくしていないようです)。

 最近は、より中部に近いクアンビン省、クアンチー省出身者、逆に中国国境沿いの北部のランソン省、ラオカイ省の出身者も多くなっています。送出し機関がすでに飽和気味の地区を離れ、より北部、より南部へと奥地に入っていった結果と考えられます。また、数年前に比べて、キン族ではない率がわずかだが上がっている印象です。

 

*ベトナムは少数民族が 53 存在しますが、キン族ではなくても、ベトナム語は話すことができ、特段何も変わらないため、必要以上に気にする必要もなく、採用面接で出会う機会があれば、「珍しい」と思う程度で大丈夫です。

 

 ベトナム南部ではベンチェ省やヴィンロン省、最南部のカマウ省などまだまだ地方からの若者が多く、実習生候補者は比較的集まりやすいです。

 各地から集まってくる実習生になる年齢層は職種を問わず、18 歳~25 歳が非常に多く、30 歳前後になる場合、後に詳しく述べますが、建設・縫製等の不人気職種である場合が多いです。特に南部の若者は、建設・農業で働く気概のある者が少ないようです。ガテン系は北部の方が、根性があって良いと思います。30 歳前後の層に技能実習の人気がないわけではなく、単に実習実施者の希望により求人の絶対数が少ないことが原因です。少ない理由としては、日本語能力、長期に渡って働いてもらう場合に年齢が高くなりすぎることが考えられます。但し、男女ともに 30 歳前後の場合、既婚者・子育てが一段落しており、就労経験・人生経験が多く、落ち着いていたり、仕事に対して熱心・真面目・黙々と働く人材が多く、職種によっては、向いていると思います。日本語の習得能力をある程度目をつぶれば、30 年代はしっかり仕事をする印象があります。

 一方、毎年、秋~冬になると、実習生の採用面接に 18 歳の若い候補者が多くなる傾向が強いです。何故なら、ベトナムの高校卒業が 5~6 月であり、前職要件を満たす為の約半年をあけるとなると、その時期になるためであります。多くの若い人材の中から、選抜したい場合、この時期を狙うのも良いと思われます。

 

米 前職要件とは、技能実習制度は現地企業で働く現地人が、日本と同系職種の企業で働くことで技術を学び、帰国後、祖国の発展に貢献するという建前の上に成り立っているため、実習生になるためには、ほぼ同系の職歴が必要になります。但し、厳格に経験者を募集・派遣できるわけもなく、現地に実在する企業に在職証明書を金銭で発行してもらうことがまかり通っております。

 

(2)気質 (あくまでも一般論であり、例外はたくさんあります)

 年齢・性別を問わず、ベトナム人は非常に近視眼的であります。「明日の一万円より今日の百円」と揶揄されるゆえんでもあります。実習生の借金問題にもこの気質は大きく関係しています。「100 万円払っても早く日本へ行きたい!」という考え方が蔓延しています。 

 ここに、実習実施者が優良か悪質かの意識はなく、高い費用がかかった挙句、ろくでもない実習実施者に当たってしまった結果が巷を騒がしている各種報道であります。 

 日本人であれば、大抵が思いつく「少し時間がかかっても、費用が安く、いい実習実施者へ行ったほうが最終的にはいい」という考え方をするベトナム人は決して多くありません。とにかく「早く日本→稼いで送金」という意識であり、3~5 年トータルで考えることは少なく、仮にあっても、かなりのとんぶり勘定であります。更に、どんぶり勘定の割に、中国人ほどではないが、金に貪欲なベトナム人が多いです。入国早々に「残業、残業」と要求するベトナム人も少なくありません。

 また実習生の親や祖父母にあたる人たちが、「賄賂を多く支払った方が、より良い待遇が得られる」と思 っている場合が多く、安い手数料だと騙されると迷信的に信じている為、高い手数料の送出し機関の方が良い送出し機関だと思っている節があります。その為、あえて高い手数料の送り出し機関を選ぶ傾向があります。

 以下は男性に限りますが、ビール、主にアルコール好きな者が多く、基本的に明るく、楽しいことが好きです。定期的に BBQ、スポーツ等のイベントを会社や地域単位で開催することで、距離が縮むこともあります。

 そして、上記の明るい・楽しいことが好きにも繋がりますが「寂しがり屋」の一面もあります。孤独を極度に嫌う為、1 名での採用はあまりオススメできません。

  また、何名であっても、実習実施者は「各自ちゃんと見ている」ことを「言葉」(日本のような以心伝心・暗黙の了解等はあり得ません。はっきりと口で伝える必要があります)で伝える必要性があります。

 

(3)21世紀のベトナム人にとっての実習生とは?

 ここ数年のベトナム人(特に 2000 年生まれ以降)は以前(5 年以上前)に比べて、ハングリー精神が非常に希薄です。兎にも角にもお金を稼ぎたいというガツガツした感じは薄く、20 歳未満は男女ともに非常に幼く感じます。ベトナム国内でも就労経験が多くなく、日本で「もう帰りたい」と弱音を吐く者もいるため、フォローやメンタルケアに要注意です。

 都市部(ハノイ・ホーチミン)の実習生は、家庭が裕福な場合もあり、仕事に意欲のない者も少なくありません。中には親が働かない我が子を見て、仕事をさせるため、強制的に送出し機関に入れ、日本へ送るケ ースも稀にあります。間違ってこのような実習生を採用した実習実施者は、3 年間、問題を起こす実習生に振り回されることにもなり、大変な思いをすることになります。(本当に採用面接は大切です)

 また、日系企業がベトナム各地に増えたことで、将来の青写真を具体的に持つベトナム人が徐々に増えてきており、お金よりも、日本語能力、日本での就労・生活経験という箔を付け、そこで働く為に実習生を目指す者も増加中てす。

 一方で、25 歳以上、且つ、既婚者(特に子どもアリ)は一昔前の実習生のイメージが未だに残ります。家族を養っていかなければならない為、当然と言えば、当然ですが。

 上記のように、若いか否か、既婚か否か、子持ちか否かで、各々にとって、優先すべきものが異なることが非常に多いです。。

 そのため、実習実施者は「実習生=お金を稼ぎたい」という時代遅れのステレオタイプ的な対応を一律に行ってしまうと、ハイペースで増加中の「そこまでお金を求めていない若い層」に不満が溜まる結果となります。

 実習生各々が何を望んでいるのか、優先順位をどこに置いているのかを見誤らないように注意が必要です。

 

⇒ベトナムを選ぶ理由について ② へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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