Marc のぷーたろー日記 -70ページ目

「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」('93)

 

人気テレビゲーム「スーパーマリオブラザーズ」を実写映画化した冒険ファンタジーです。主演はボブ・ホスキンス、共演はジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、サマンサ・マシス、フィッシャー・スティーヴンス、リチャード・エドソン、ダナ・カミンスキ他。

 

Wikipedia「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」

 

世紀の大失敗作のように言われていたので、逆に興味があって観てみたのですが、確かに酷い (^^;;;

 

テレビゲームというものを全くやらないので、当然ながら「マリオ」に全く興味も思い入れもないのですが、そんな自分が観ても「これをマリオの実写版とするのはあまりに無理がありすぎる」と思ってしまうほど。

 

また、「マリオ」を完全に無視したとしても、純粋に1本の映画として観てもダメ。支離滅裂で意味不明。何をどう考えたらこういうストーリーが作れるのか謎だし、何故この脚本で制作にゴーサインが出たのかも謎。

 

名優ボブ・ホスキンスが出演したことを後悔したというのも大いに納得。

「マジック・マイク ラストダンス」('23)

 

人気俳優チャニング・テイタムが10代のころにストリッパーをしていた際の実体験から着想を得た青春映画「マジック・マイク」('12)「マジック・マイク XXL」('15) に続く、シリーズ第3作です。主演はチャニング・テイタム、共演はサルマ・ハエック=ピノー、アユブ・ハーン=ディン、ジェメリア・ジョージ、ジュリエット・モタメド他。

 

Wikipedia「マジック・マイク ラストダンス」

 

う〜ん…。

 

もっといくらでも面白くできたはずなのになぁ…。

 

クライマックスのショーが全てで、それ以外はストーリーもキャラクターもどうでもいいっちゃどうでもいいのかもしれないけど、それにしても…。

 

執事のヴィクターはいいキャラだし、クライマックスのショーのシーンも悪くないんだけど、それ以外があまりにテキトー (^^;;;

 

「ストーリーなんてどうでもいい」と割り切るなら、2作目のような陽気なコメディらしい演出にすればいいのに、中途半端に湿っぽいのもダウン

 

そもそもダンサーたちを単なる「ダンスロボット」のようにしか描かないくらいなら、過去2作のストリッパー仲間を、特別出演ではなく、メインに登場させた方が同じ話でもよっぽど面白くなったはず。ギャラが高くなって払えなくなったからなのかもしれませんけど、そういうところが「わかってない!!」と批判したくなるポイント。

 

とにかく、悪いところを挙げればキリがないけれど、40代になっても現役ストリッパーとして通用するチャニング・テイタムの肉体美は見事でしたけどね。

 

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「アイ・アム まきもと」('22)

 

孤独死した人物の葬儀を行なう民生係の孤独な中年男を描いたイギリス・イタリア合作映画「おみおくりの作法」('13) を日本を舞台に翻案リメイクしたドラマコメディ映画です。主演は阿部サダヲさん、共演は満島ひかりさん、宇崎竜童さん、松下洸平さん、宮沢りえさん、國村隼さん、松尾スズキさん他。

 

「おみおくりの作法」を観た時に「日本でリメイクしてもいいかも」とすぐに思えてしまうほど、日本人に受け入れられやすい話と感じたので、リメイクを知った時には「ようやく!!」という気持ちでした。ただ、主演が阿部サダヲさんと聞いた時には微妙な違和感はありました。オリジナル作品のエディ・マーサンとはあまりにタイプが異なりますし。

 

ところが実際に観てみると、ちょっとビックリ。

 

ストーリーの大まかな流れは驚くほどオリジナルのまま。

 

しかし、コメディ色を全面に出し、阿部サダヲさんの個性を活かした明るい作風にすることで、逆に一段と切なさや悲しさを際立たせているのは見事グッド!

 

ただ、一貫して阿部サダヲさんの独擅場だったのに、最後の最後に宇崎竜童さんが全部持って行ってしまったのは「本当にそれでいいの?」という疑問を感じちゃいましたけど (^^;;;

 

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「小早川家の秋」('61)

 

小津安二郎監督が東宝で撮った唯一の作品で、京都の造り酒屋を舞台に、家族の悲哀をユーモアを交えて描いたホームドラマ映画です。出演は原節子さん、司葉子さん、白川由美さん、団令子さん、新珠三千代さん、二代目中村鴈治郎さん他。

 

Wikipedia「小早川家の秋」

 

ほんのわずかな出演シーンしかない役にも当時のスターや名優を贅沢に起用していて、東宝がいかにこの映画に力を入れていたかがよくわかります。

 

そして、それらの役者の個性や魅力を存分に活かした役柄と演出で、それぞれにちゃんと見せ場が用意されているのも見事。まさに群像劇の教科書のよう。

 

ただ、ストーリー自体は大して面白くない (^^;;;

 

大スターや名優の共演を楽しむ「お祭り映画」として観るべきなんでしょう。その点では充分に楽しめました (^^)v

「サスペリアPART2 完全版」('75)

 

猟奇連続殺人の謎を描いた、ダリオ・アルジェント監督によるサスペンスホラーの完全版です。主演はデヴィッド・ヘミングス、共演はダリア・ニコロディ、ガブリエレ・ラヴィア、マーシャ・メリル、クララ・カラマーイ他。

 

Wikipedia「サスペリアPART2」

 

邦題は「サスペリアPART2」となっていますが、これは同じアルジェント監督による「サスペリア」('77) が日本で大ヒットしたことに便乗して付けられた邦題で実際には無関係。そもそも「サスペリア」より前に作られた作品ですし。

 

でも基本的な作りは「サスペリア」と完全に同じ。

 

映像や音楽は凝っていて、アーティスティックなこだわりを感じますし、そこが高く評価されているのも納得。

 

が、ストーリーはテキトーで本当に面白くないし、描写がグロテスクなだけで、これっぽっちも怖くない。

 

監督が撮りたい映像ありきで、そのためだけにストーリーが作られているので登場人物の言動が不自然だし、そもそも主人公を含めて、登場人物に全く魅力がない。

 

いずれにせよ、ダリオ・アルジェント監督の作品は全く好みじゃないってことを再確認しただけでした。

 

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「ダークグラス」('22)

 

不慮の事故で視力を失った高級売春婦に迫り来る見えない恐怖を描いた、ダリオ・アルジェント監督の10年ぶりの新作となるホラー映画です。主演はイレニア・パストレッリ、共演はアーシア・アルジェント、アンドレア・ゲルペッリ、アンドレア・チャン他。

 

Wikipedia「ダークグラス」

 

何じゃこりゃ!? (@o@)

 

ダリオ・アルジェント監督のホラーは、色彩などの映像は確かに凝っているものの、話は支離滅裂で、これっぽっちも怖くないのだけれど、まさにそのダメなところしかない映画でした。唯一の見どころであるはずの映像面も大したことなかったし。

 

もう高齢なんだし、そのまま引退しておけば良かったんですよ。

「エージェント:0 漆黒の暗殺者」('21)

 

無関係な市民を巻き添えにしたことで引退を決意した伝説の殺し屋が、ボスからの指令で謎めいた標的を追う姿を描いたアクションスリラーです。主演はアンソン・マウント、共演はアンソニー・ホプキンス、アビー・コーニッシュ、エディ・マーサン、デヴィッド・モース、リチャード・ブレイク他。

 

二転三転するストーリー展開は面白くなくはないのだけれど、主人公がクールに格好つければつけるほど、間抜けに見えてしまい、「この映画って実はコメディ?」と思ってしまうほど。

 

主演のアンソン・マウントは確かにルックスはいいけど、アビー・コーニッシュが美味しいところを全部持って行った感じ。

 

それにしても、大した映画でもない、典型的なB級映画なのに、アンソニー・ホプキンス、エディ・マーサン、デヴィッド・モースが脇で出演しちゃう無駄に豪華なキャスティングにはちょっと驚き。

「フィアー・ザ・ナイト」('23)

 

妹のバチェロレッテパーティーで強盗団と遭遇した戦場帰りの元兵士の女性が、パーティーに参加した人々を救おうと反撃に挑む姿を描いたサスペンスアクションです。主演はマギー・Q、共演はカット・フォスター、トラヴィス・ハマー、ジア・クロヴァティン、ハイディー・クァン他。

 

ストーリーは予想通り無茶苦茶。

 

「女vs男」という安易な対立構造にしろ、田舎の男たちはクソ野郎だらけというステレオタイプの描き方にしろ、あまりに雑。

 

でも、そんなことはどーでもいいのです。

 

この映画で良かったのは、女たちが敵を倒して「ちゃんと」息の根を止めること。

 

本気で殺しに来ている敵を倒していながら、とどめを刺さず、気絶させたまま何もせずに放置し、その後、息を吹き返した敵に反撃されるというアクション映画にありがちな間抜けな展開が本当に嫌いなので、完膚なきまでに敵をしっかり殺すのはグッド!

 

これだけで観る価値はありました (^^)v

「シーフォーミー」('21)

 

ペットシッターのアルバイトで訪れた人里離れた豪邸で、強盗グループに遭遇した目の不自由な少女が、視覚障害者サポートアプリ「シーフォーミー」を介してつながった女性を頼りに、強盗たちに立ち向かうさまを描いたアクションスリラーです。主演はスカイラー・ダヴェンポート、共演はジェシカ・パーカー・ケネディ、ローラ・ヴァンダーヴォート、キム・コーツ、パスカル・ラングデイル、ジョー・ピングー、ジョージ・チョートフ他。

 

オードリー・ヘプバーン主演の「暗くなるまで待って」の現代版といったイメージですが、物足りなさでいっぱい。

 

難しいことを考えなければ、主人公の成長も描いた青春映画のような趣もあり、それなりに楽しめなくもないのですが、肝心のスリラー部分が雑すぎて全然ダメ。

 

主人公が都合良く、賢くなったり、バカになったりするご都合主義はともかくとして、主人公があまりにあっさり、しかも簡単に敵を倒しちゃうのはダウン

 

そして何より、強盗の手口がどう考えてもおかしい。

 

だって、強盗たちを裏で操っている人物の立場なら、ドリルで金庫を破る必要なんてないはず。今の住人はその金庫の存在自体も知らないようだし、計画では痕跡を残さずにこっそり奪い取るはずだったというなら、そんな荒っぽいやり方は不要のはず。

 

盲目の女性と強盗グループの戦いというアイデアが先行するあまりに、肝心のストーリーがテキトーになっちゃった典型例という感じ。

「宗方姉妹」('50)

 

小津安二郎監督が松竹を初めて離れ、新東宝で撮った作品で、大佛次郎さんの同名小説を原作とし、伝統的な価値観を尊ぶ姉と今を謳歌する妹を中心に起こる悲劇を描いた文芸映画です。主演は田中絹代さん、高峰秀子さん、共演は高杉早苗さん、上原謙さん、山村聰さん、笠智衆さん他。

 

Wikipedia「宗方姉妹」

 

1950年の時代背景を考えると、なるほどと思える部分はありますし、「メロドラマ」としても、さすがに今の感覚で観ると相当に古臭いですが、悪くはないです。

 

ただ、妹のキャラクターがどうしても受け付けず…。

 

言ってることは正論だし、現代的な価値観を持っている人物として、本来は感情移入しやすいはずのキャラクターなのですが、くどいほど自分のことを名前で呼び続けるなど、細かいところがあざとくて、おじさんが妄想で描いたキャラクターにしか見えないのです。

 

演じる高峰秀子さん本人は魅力的だし、こういう「わざとらしいキャラクター」もそつなく演じていてさすがだとは思いますが、現実味のないキャラクター造形が最後まで大きな壁となって物語に全く入り込めませんでした…。