Marc のぷーたろー日記 -68ページ目

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」('21)

 

2020年に91歳で亡くなった映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネの波瀾万丈の音楽人生を、晩年のモリコーネ本人をはじめ、彼を知る幾多の関係者の証言や名曲名場面とともに振り返ったドキュメンタリー映画です。出演はクリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、ベルナルド・ベルトルッチ、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ジュゼッペ・トルナトーレ他。

 

Wikipedia「エンニオ・モリコーネ」

 

この手のドキュメンタリー映画では仕方ないのでしょうけど、それにしても関係者によるモリコーネの賛辞が無駄に多すぎ。そのせいで2時間半を超える長尺に。

 

モリコーネが素晴らしいことくらい、この映画を観る人にはわかっていることなんですから、そんな賛辞の言葉を無駄に並べるんじゃなく、モリコーネの業績や本人の言葉にもっと絞った方が良かったように思います。

 

それにしても改めて彼の業績には驚かされます。

 

古典的、伝統的ヨーロッパの音楽と実験的現代音楽の融合、クラシックからポップスまで何でも対応できる幅の広さ。彼がいなければ、映画音楽だけでなく、「音楽」というもの自体も今とは違っていたかもしれません。

 

そして一番驚いたのは、「音楽の天才」の彼が、もともとは医者になりたかったのを、トランペット奏者だった父親に半ば強制されるような形でトランペット奏者にさせられたのが最初だったということ。幼い頃から音楽家になりたかったわけではなかったことにも驚きましたが、トランペット奏者から作曲家になったというのにも驚き。言われてみれば、確かにトランペットが印象的に使われている曲が多いような気も。

 

とにかく、モリコーネの音楽は好きでも彼本人についてほとんど何も知らなかった自分にとっては新たに知ることばかりの映画でした。

「湯道」('23)

 

放送作家の小山薫堂さんの脚本で、古い銭湯を継いだ兄弟の確執の行方を描いたお風呂コメディです。主演は生田斗真さん、共演は濱田岳さん、橋本環奈さん、小日向文世さん、吉田鋼太郎さん、窪田正孝さん、夏木マリさん、角野卓造さん、柄本明さん他。

 

Wikipedia「湯道 (映画)」

 

鈴木雅之監督らしいコメディ演出、豪華なキャストなどなど、面白くなる要素は充分あるし、実際に面白くなくはない…。

 

が、物語自体はめっちゃあっさりしているのに、どーでもいいところの描写や演出が

 

くどい。

連続ドラマW「坂の上の赤い屋根」('24)

 

真梨幸子さんの同名小説を原作とし、18年前に起きた女子高生両親殺害事件を題材にした、新人小説家による連載企画をきっかけに、関係者たちが「黒い感情」の深みにはまっていくさまを描いたダーク・ミステリー全5話です。

 

Wikipedia「坂の上の赤い屋根」

 

「物語」としては面白かったですし、女性の描き方の生々しさや「いやらしさ」も女性作家の作品らしいリアルさを感じました。

 

が、物事があまりに都合良くうまく行きすぎていて説得力が全くない。これならいっそのことオカルトホラーにしてしまった方がよっぽど納得が行きます。また、登場人物たちが揃いも揃って歪み方を含めて同じような人物にしか見えず、それが作り手の意図通りだとしても、結果として人物描写が薄っぺらいものに。

 

リアリティや説得力が全てではないけれども、もうちょっとストーリーは練って欲しかったなぁ…。題材を含めて好みの題材なだけに残念。

「Pearl パール」('22)

 

1979年の田舎の農場を舞台にしたホラー映画「X エックス」('22) に登場した殺人鬼パールの若かりし日々(1918年)を描いた前日譚となるホラー映画です。主演はミア・ゴス、共演はデヴィッド・コレンスウェット、タンディ・ライト、マシュー・サンダーランド、エマ・ジェンキンズ=プーロ他。

 

Wikipedia「Pearl パール」

 

よくできてる (^^)

 

前作が王道のスプラッタホラーにヒッチコックの「サイコ」('60) などのテイストを加えていたのに対し、本作は1918年を舞台にしつつも、1950年代のハリウッドの不倫メロドラマ風の映像で描かれたホラー。逆の見方をすると、往年の不倫メロドラマのホラー風パロディとも言えるかも。

 

とにかく、前作で主人公と殺人鬼の老女の1人2役を演じたミア・ゴスの熱演ぶりが強烈で、彼女の存在自体がホラーでした (^^;;;

 

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「マッシブ・タレント」('22)

 

ニコラス・ケイジが自身のようなスターをパロディにして演じたアクションコメディです。共演はペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、アレッサンドラ・マストロナルディ、デミ・ムーア、ニール・パトリック・ハリス他。

 

Wikipedia「マッシブ・タレント」

 

笑った (^O^)

 

最初から最後まで本当にくだらないんだけど、日和ることなく「セルフパロディ」に徹してるのがグッド!

 

ニコラス・ケイジのファンなら相当に楽しめるはずで、熱心なファンのためのニコラス・ケイジ本人からのプレゼントみたいな感じ (^^)

 

コメディのイメージが全くないペドロ・パスカルのコミカルな演技もいいし、とにかくキャストやスタッフが「真面目にふざけてる」のが素晴らしい (^^)v

「1秒先の彼」('23)

 

台湾映画「1秒先の彼女」('20) の主人公の男女を逆にした日本版リメイクで、周囲とはワンテンポずれた男女を描いたラブファンタジーです。主演は岡田将生さん、清原果耶さん、共演は福室莉音さん、片山友希さん、しみけんさん他。

 

Wikipedia「1秒先の彼」

 

予想外に、ストーリー全体の流れが「1秒先の彼女」と全く同じでビックリ (@o@)

 

その一方で、単に男女を逆にしただけでなく、一方の主人公を「ルックスは満点だけれど性格に難あり」の人物にしたり、舞台を京都にすることでファンタジーに薄っすらと説得力を与えたり、ワンテンポ遅いキャラクターを長くて画数の多い苗字で表現したりと言った細かいアレンジがグッド!

 

ただ、主人公2人のキャラクター造形は「1秒先の彼女」の方が好みかなぁ (^^;;;

 

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「1秒先の彼女」('20)

 

何をするにもワンテンポはやく、他人とはズレてしまうせいで恋も仕事も冴えない日々を送っていたアラサー女性が経験する不思議な体験とその謎解きの旅を描いた台湾のラブファンタジーです。主演はリー・ペイユー、リウ・グァンティン、共演はダンカン・チョウ、ヘイ・ジャアジャア他。

 

Wikipedia「1秒先の彼女」

 

ファンタジー部分の設定が雑でテキトーなのがちょっと気になりましたが、前半はゆるめのラブコメディ、後半はしっとりとした切ないラブストーリーという構成は、それ自体は特に新鮮ではないですが、とても効果的でグッド!

 

また、主演の2人が際立って美男美女というわけではないけれども充分に魅力的に見えるキャラクターなのもグッド!

「コードネーム:プリンス」('14)

 

かつてプリンスの異名を取った伝説的殺し屋が、失踪した愛娘を救出するために、因縁のある古巣の暗黒街で繰り広げる壮絶な闘いを描いたハードボイルドアクションです。主演はジェイソン・パトリック、共演はブルース・ウィリス、ジョン・キューザック、ジェシカ・ロウンズ、ジーア・マンテーニャ他。

 

Wikipedia「コードネーム: プリンス」

 

下手くそな映画だなぁ…。

 

主人公が「誰もが恐れる伝説的殺し屋」という設定にジェイソン・パトリックが悲しいまでに合っていないし、それを補うためか、主人公の過去を知る周囲の人物が何度も何度もセリフで説明しちゃうとか、観ている方が恥ずかしくなるレベル。

 

救いようのない馬鹿な娘1人のせいで大勢が死ぬという不快さも、この手の娯楽アクション映画としてはダウン

 

とにかく、娯楽アクション映画というものについて、いろんなところが「間違ってる」映画でした。

「アルティメット・サイクロン」('15)

 

大嵐が迫る中、大型送電線のベテラン架線作業員(ラインマン)が、娘同然に育てた姪の命と都市のライフラインを守るために決死の作業を続ける姿を描いた災害アクションです。主演はジョン・トラヴォルタ、共演はケイト・ボスワース、デヴォン・サワ、ジュリー・ベンツ、ギル・ベロウズ、シャロン・ストーン他。

 

Wikipedia「アルティメット・サイクロン」

 

趣旨は素晴らしい。

 

人々の生活を守るために日夜命懸けで働いている「ラインマン」の仕事ぶりはもちろん、事故で亡くなる人も少なくない現実、そして亡くなったラインマンを追悼し、遺族を支援するための基金が存在することを世の中に広く知ってもらうのは意味のあることだと思います。

 

が、ストーリーがあまりに酷い…。

 

ハリウッドらしい陳腐なラブストーリーを絡めるのはまだしも、PTSDに苦しむ復員兵やストーカーなど、この物語に全く必要とは思えない要素が多すぎる上に、それらがストーリーとして全くまとまっていないので支離滅裂。

 

良い題材なのに、これでは台無しダウン

 

関係者が多すぎて、その希望や意見を尊重しすぎた結果なんでしょうけど、それにしても本当に酷い出来。

「タイム・トゥ・ラン」('15)

 

カジノから大金を奪い、バスジャックして逃走を図った強奪犯たちを追って、マフィアや警察らが展開する死闘を描いた犯罪群像劇です。主演はジェフリー・ディーン・モーガン、共演はロバート・デ・ニーロ、デイヴ・バウティスタ、ジーナ・カラーノ、ケイト・ボスワース他。

 

Wikipedia「タイム・トゥ・ラン」

 

お世辞にも傑作ではありませんが、二転三転するストーリーやわかりやすく張られた伏線の回収など、時間潰しの娯楽映画としては充分に楽しめるレベル。

 

ただ、「ボス」の最後の行動は微妙…。

 

そのための伏線は充分に張られていたので意外では全くないのですが、それでもあまりに都合が良すぎてダウン

 

そこまでの展開が悪くなかっただけに、最後の最後でシラけちゃいました…。ここはもう一工夫が欲しかったなぁ…。