アダマン号に乗って
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パリのセーヌ川に浮かぶユニークなデイケア施設の船で、個性豊かな人々が交歓するさまを描いたドキュメンタリー映画です。
ナレーションは全くなく、無料のデイケア施設に集まった精神疾患のある人々の姿や彼らへのインタビューを淡々と見せるだけ。物語的抑揚は全くないにもかかわらず、最後まで飽きることなく観ることができたのは、それこそが作り手の手腕なのでしょう。
ただ、感想をどのように述べるべきか大いに悩む内容でした…。
同じ題材でも日本なら精神疾患のある人の姿にモザイクをかけ、声も変えるのではないかと思うのですが、この映画ではそういった「加工」なしにそのまま見せているのです。
もちろん、精神疾患のある人たちに対する世の中の偏見をなくしたいとの意図があるのでしょうが、フランスでも現実には偏見が根強くあることは映画の中でも当事者から語られていますし、見せ方として本当にこれでよかったのだろうかという思いに。
こういう「素晴らしい」施設が存在することを広く知らしめるのが目的であれば、その意図は間違いなく果たしているとは思いますけど…。