「高速道路家族」('22) | Marc のぷーたろー日記

「高速道路家族」('22)

 

高速道路のサービスエリアで、ドライバー相手に少額の詐欺を重ねながら暮らすホームレス一家の行く末を描いたサスペンスドラマ映画です。主演はチョン・イルさん、ラ・ミランさん、共演はキム・スルギさん、ペク・ヒョンジンさん、ソ・イースさん、パク・タオンさん他。

 

輝国山人の韓国映画「高速道路家族」

 

予想していた内容とは「ニュアンス」が違い、それが映画として「ダメ」とは思わないまでも、最後まで違和感として残ってしまい、観終わった後にもやもやしたものが残る映画でした。

 

観る前は、貧困や福祉といった社会的な問題を扱った「社会派映画」を予想していて、確かに題材としては「社会派」なのですが、そういった要素は「感動的な物語」を描くための道具でしかなく、深刻な社会問題について「間違ったメッセージ」を送っているようにしか見えなかったのです。

 

とにかく「感動的な物語」として描こうとするあまり、ホームレス一家の「家族愛」を必要以上に美化して「可哀想な家族」として描き、実際には親の身勝手による子供たちに対する深刻な虐待でしかないことを曖昧に誤魔化しているように見えてしまうのです。また、警察の無能ぶりなど、ところどころに挟み込まれるコミカルな要素が自分にはただただ不快でしかありませんでした。

 

単なる娯楽映画というか、一種の「ファンタジー」と割り切れば、それもありなのかもしれませんが、題材の深刻さに対して不謹慎に見えてしまったのです。