Marc のぷーたろー日記 -66ページ目

「BLUE GIANT」('23)

 

ジャズに魅了された青年が、仲間たちと日本最高のジャズクラブ出演を目指す姿を描いた、石塚真一さんの同名コミックを原作としたアニメーション映画です。声の出演は山田裕貴さん、間宮祥太朗さん、岡山天音さん他。

 

Wikipedia「BLUE GIANT」

 

素晴らしい!!

 

音楽を題材にした漫画や小説を映像化するのは本当に難しいと思うのですが、その最大の難関を乗り越えた音楽映画として優れているだけでなく、青春映画としても見事。

 

わかりやすい悪役、特に「汚れた大人」のような陳腐なキャラクターを登場させず、代わりに「カッコいい大人」を登場させることで主人公たちの「若さ」を鮮やかに表現しているのもグッド!

 

観る前は「この題材なら実写の方がよかったんじゃないのかなぁ」と思ったりもしたのですが、実際にはアニメーションならではのファンタジックな表現をふんだんに活用し、映画らしいダイナミックさを表現しているのも素晴らしい。

 

元々ジャズは好きなのですが、この映画をきっかけにジャズに興味を持つ人が1人でも増えることを願ってやみません。

「同居のルール」('22)

 

それぞれの事情で同じアパートの部屋を互いに顔を合わせることなく12時間ずつ共有している男女を描いたラブコメディ全6話です。主演はジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、アンソニー・ウェルシュ、共演はジーナ・ブラムヒル、ジョナ・ハウアー=キング、シャキア・オクウォク、ダスティン・デムリ=バーンズ、バート・エドワーズ、クラリザ・クレイトン、ジョー・マーティン、ビル・ミルナー、ソフィー・トンプソン、ジュリエット・コーワン他。

 

どう考えても無理のある設定で現実味はないし、ストーリーの大まかな流れはありきたりで結末も予想通り。

 

女性作家の小説を原作とし、徹底して女性向けなので、女性主人公(の内面)はリアルに描かれていますが、相手役の男性主人公にしろ、元カレにしろ、男性のキャラクターはとても記号的で、終始一貫して女性向けのラブファンタジーという感じ。

 

そういったことは観る前から予想していたので、別に不満もないですし、これはこれで気軽に楽しめましたけどね (^^)v

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」('23)

 

スパイダーマンが6人もいたらというアイデアをアニメ化し、第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞したアクション映画「スパイダーマン:スパイダーバース」('18) の続編となる2部作の前編です。声の出演はシャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ルナ・ローレン・ベレス、ジェイク・ジョンソン、ダニエル・カルーヤ他。

 

Wikipedia「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」

 

前作同様、映像表現の見事さに目を奪われました。

 

いわゆるCGアニメの「絵」が好きではない自分にとっては、こういった「手書きに見える絵」をそのまま動かしたアニメーションに惹かれるのです。

 

ただ、動きが激しすぎる上に色彩がチカチカしすぎていて、目が疲れましたし、映画館で観ていたら、酔って吐きそうな気がしますけど (^^;;;

 

ストーリーについては2部作の前編で物語として完結していないので、今の時点では何とも言えませんが、続編への期待感を高める力は間違いなくありました。

 

関連記事

「ゴッドマザー」('20)

 

警察で通訳として働く女性が、世話になっている女性の息子を救おうと型破りな手に打って出たことから起きる騒動を描いた犯罪コメディです。主演はイザベル・ユペール、共演はイポリット・ジラルド、ヤン・サンベール他。

 

イザベル・ユペールの浮世離れした雰囲気で何となく納得させられちゃうところもあるけれど、基本的には無理のある話。リアリティ云々以前のレベル。

 

そもそも現実に存在する深刻な社会問題をこんな風に描くのも不謹慎すぎて全く笑えないし、これをユーモアと思えちゃうセンスが自分とは決定的に合いませんでした。

「オオカミ狩り」('22)

 

極悪犯罪者たちを移送する貨物船内で血みどろの死闘が始まるさまを描いたバイオレンスアクション映画です。出演はソ・イングクさん、チャン・ドンユンさん、ソン・ドンイルさん、パク・ホサンさん、チョン・ソミンさん、コ・チャンソクさん他。

 

輝国山人の韓国映画「オオカミ狩り」

 

面白かった (^O^)

 

序盤は韓国映画お得意の過剰なまでの残酷描写で描かれたバイオレンスアクション映画かと思いきや、途中から全く違う話になり、そして最後も序盤からは全く想像できない終わり方。しかも続編がありそうだし、むしろそちらがメインで、本作はそのための「エピソード0」なのかと思ってしまうほど。

 

主人公が次々と変わっていき、序盤ではただの脇役だと思っていた人物が実は真の主人公だったという展開も、ありがちではありますが、この映画ではとても効果的。

 

また、お気に入りの名脇役、ソン・ドンイルさんとコ・チャンソクさんがいつもとは違ったタイプの役を演じているのも印象的だし、続編があればソン・ドンイルさんが続投しそうなのもワクワクしちゃう。

 

ただ、こんなに面白かったのに、映画自体はあまりヒットしなかったらしく、3部作の予定だったにもかかわらず、現時点で続編などは不透明とのこと。このまま終わってしまったら本当に残念…。

「渇水」('23)

 

水道料金滞納世帯に赴き、給水停止を執行する水道局員が、育児放棄された姉妹の家の水を止めたことで葛藤していく姿を描いたドラマ映画です。主演は生田斗真さん、共演は門脇麦さん、磯村勇斗さん、山崎七海さん、柚穂さん、田中要次さん、大鶴義丹さん、尾野真千子さん他。

 

題材はいいのですが、この映画の作り手に対して怒りしか感じませんでした。

 

結局、育児放棄された姉妹の話は主人公の「成長」を促すための「道具」として描かれているだけで、現実にある育児放棄の問題を真剣に描くつもりなんてないんでしょう。また、終盤の主人公の行動はあまりに無責任だし、給水制限が行われている中ではもはや反社会的とも言える行為。それを罰することもなく、むしろ同情的に描くセンスもおかしい。そしてご都合主義の雨とか、観ている人を馬鹿にしているとしか思えず。

 

明らかに育児放棄が起きているのを知っていながら、児童相談所に連絡しようともしない主人公も、その同僚も、とても今の時代に生きている大人とは思えません。何のために児童相談所虐待対応ダイヤル「189」が用意されているのか、この映画の作り手は考えたことはないんでしょうか?

 

育児放棄を見て見ぬふりをしても良い、どうしても何かしたかったら、この主人公のように「反社会的」行為をしても良いとの間違ったメッセージを送るこの映画は、その存在自体が罪です。

「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」('87)

 

中国の怪異譚の古典「聊斎志異」中の1編をもとに、旅の青年と美女の幽霊との恋を描いたホラーファンタジーアクションです。主演はレスリー・チャン、ジョイ・ウォン、共演はウー・マ、ラウ・シー・ミン、ラム・ウェイ他。

 

Wikipedia「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

 

非常に有名な映画で、僕と同年代の映画好きなら観ていない人の方が圧倒的に少ないんじゃないかと思うんですが、これまで全く食指が動かなかったのです。今回、たまたま観られる機会があったので「やはり一度くらいは観ておくか」という気持ちで観てみました。

 

確かに面白い。ヒットしたのも大いに納得。

 

音楽や女性のメイクなど、1980年代の味付けが、今となっては違和感がありますが、当時はとても「現代風」だったんでしょうし、何と言ってもワイヤーアクションの見事さには感服。

 

ただ、「叶わぬ恋」の見せ方としては呆気ない結末だったなぁ…。そこはちょっと残念。

「スキャンダル 愛の罠」('85)

 

男にもてあそばれて捨てられた少女が、16年後にその男に愛と復讐の罠を仕掛ける姿を描いたラブサスペンスです。主演はラウラ・アントネッリ、トニー・ムサンテ、共演はフロリンダ・ボルカン、クリスティーナ・マルシラク、ラウラ・トロスケル、ブランカ・マルシラク他。

 

この手の「狂った愛」を描いた作品は好みなので、最後まで飽きることなく観ることができました。特に結末も好きな終わらせ方でグッド!

 

ただ、当時既に50歳近かったトニー・ムサンテは少し無理があったかなぁ…。16年前に30代前半という設定ならば間違ってはいないんですけど、10代の娘が惹かれるにはあまりに年寄り過ぎて違和感は拭えず…。年齢は50歳近くても見た目がもうちょっと若々しければよかったんですけど…。

 

おそらく、その違和感を含めて「狂気」なんでしょうけどね。

「犬も食わねどチャーリーは笑う」('22)

 

実在するSNS「だんなDEATH NOTE」をもとに、SNS「旦那デスノート」の投稿の中で罵倒されている夫が自分だと気付いてしまった男性を描いた夫婦げんかコメディです。主演は香取慎吾さん、岸井ゆきのさん、共演は井之脇海さん、的場浩司さん、眞島秀和さん、きたろうさん、浅田美代子さん、余貴美子さん他。

 

Wikipedia「犬も食わねどチャーリーは笑う」

 

この手の「夫婦」を題材にした話って、観る前から結末までが見え見えで、この映画も実在のSNS「だんなDEATH NOTE」をもとにしているだけで、それ以外はよくある話。終盤の展開なんて観ている方が苦痛になるほど陳腐。

 

それでも、岸井ゆきのさんが予想以上に素晴らしく、彼女の演技と存在感のおかげで、何とか最後まで観られたという感じ。

「ヘル・ディセント」('23)

 

アフガニスタンの砂漠の前線基地を舞台に、孤立無援の兵士たちと、旧ソ連の秘密軍事施設からよみがえった正体不明の怪物との死闘を描いたサバイバルアクションです。主演はシャーロット・カーク、共演はジョナサン・ハワード、ジェイミー・バンバー、レオン・オッケンデン、トロイ・アレクサンダー、ハリー・トーラジ、マーク・ストリーパン他。

 

これっぽっちも期待しないで観たのがよかったのか、意外に楽しめました (^^)v

 

もちろん、少しでも真面目に観ちゃうとおかしなことだらけで「何じゃこりゃ!?」なんですけど、そういう絵に描いたようなB級アクション映画であることを承知の上で難しいことを一切考えずに観れば退屈しのぎの時間潰しにはちょうどいい映画だと思います (^^)