Marc のぷーたろー日記 -64ページ目

「理想郷」('22)

 

スペインで実際に起きた事件をもとに、スペインの寒村に移り住んできたフランス人の中年夫婦と、彼らをよそ者扱いする地元住民との対立が招いた悲劇を描いたサスペンス映画です。主演はドゥニ・メノーシェ、マリナ・フォイス、共演はルイス・サエラ、ディエゴ・アニード、マリー・コロン他。

 

Wikipedia「理想郷 (映画)」

 

一貫して主人公夫婦の視点で描かれていますし、彼らは間違いなく「被害者」ではあるのですが、どう考えても全ての元凶は主人公夫婦の傲慢さや無神経さ。

 

確かにこの夫婦の考えは間違ってはおらず、理屈としては正しい。

 

しかし、過疎が進み、貧困に喘ぐ村の現実も、その村から抜け出すこともできず、この村で暮らすしかない村人たちの気持ちも、何も考えずに自分たちの理想を押し付け、村人の神経を逆撫でするような言動を取り続ける主人公の姿には、ただ呆れるしかありませんでした。

 

とにかく、都会のインテリによるスローライフへの無邪気な憧れに基づく安易な田舎への移住に対する警鐘としてはとてもよくできている映画です。

「ユー・アー・ノット・マイ・マザー」('21)

 

アイルランドの民間伝承から着想を得た作品で、不可解な失踪から、翌日何ごともなかったかのように戻ってきた母に違和感を募らせていく高校生の娘を描いたフォークホラーです。主演はヘイゼル・ドゥープ、共演はキャロリン・ブラッケン、イングリッド・クレイギー、ジョーダン・ジョーンズ、ポール・リード、ケイティ・ホワイト他。

 

大して期待していなかったのですが、予想外に楽しめました (^^)v

 

アイルランドの民間伝承は知りませんが、似たような民話や童話は世の中にいくらでもあるので、違和感なく観られましたし、出演者を含めて全体的に「地味」な作りなのが、よりリアルに感じられてグッド!

「ゼロ・コンタクト」('22)

 

コロナ禍にWeb会議サービス「zoom」を使うなどして、17カ国の89人が無接触で製作した作品で、亡くなったIT業界の巨人をめぐって何者かにリモート会議へ呼び出された5人の男女を描いたサスペンス映画です。出演はアンソニー・ホプキンス、クリス・ブロシュー、ヴェロニカ・フェレ、TJ・カヤマ、マルティン・ステンマルク他。

 

何じゃこりゃ?! (@o@)

 

全く期待せずに観たのですが、予想以上の酷い出来にビックリ。脚本レベルで酷いので、よくもまぁこんな内容でアンソニー・ホプキンスのような名優が出演をOKしたなぁと、そちらの面でも驚きます。

 

本編よりも、エンドクレジットで流れるメイキング映像の方がはるかに面白く、むしろ本編は無視して、制作の裏側をしっかり見せるドキュメンタリー映画を作った方が良かったんじゃないかと思います。

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」('23)

 

往年の人気ドラマ「スパイ大作戦」をトム・クルーズ主演で映画化した大ヒットシリーズの第7弾です。共演はヴィング・レイムズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、ヘイリー・アトウェル、イーサイ・モラレス他。

 

Wikipedia「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」

 

いつもながらハラハラドキドキの連続で2時間を超える長尺を全く飽きずに観ることができました (^^)v

 

が、シリーズ初の2部作で、その前編とのことですが、2部作にするほどの内容かなぁという疑問も。無駄に複雑にして水増ししているようにしか見えなかったんですよ…。

 

ま、それでも観ている間が楽しめればそれでOKのシリーズなので、別にいいですけどね (^^)v

 

関連記事

「べネシアフレニア」('21)

 

世界有数の観光都市ヴェネチアを訪れたスペイン人の若者グループが殺人鬼に狙われるさまを描いたスリラーホラーです。主演はイングリッド・ガルシア・ヨンソン、共演はシルビア・アロンソ、ゴイセ・ブランコ、ニコラス・イヨロ、アルベルト・バング、エンリコ・ロー・ヴェルソ、コジモ・ファスコ他。

 

実話から着想を得たそうで、どこまでが実話通りなのかはわかりませんが、アイデアはいいと思います。

 

若者のグループが旅先で見舞われる恐怖体験というホラー映画の定番プロットを使いつつも、旅先を人里離れたキャンプ地や山荘などではなく、観光都市ヴェネチアにしたり、オーバーツーリズムの問題を絡めたりするのは新鮮。観光都市ならではの、公衆の面前で残酷な殺人事件が起きても大道芸的なショーと思われてしまうあたりにはそれなりに説得力もあります。また、個々には印象的なシーンもあり、映像作品としては観るべきところがあります。

 

が、ストーリーがあまりに雑。

 

結末のあっけなさ、テキトーさには怒りすら覚えます。

「イビルアイ」('22)

 

妹の療養のため、田舎に暮らす祖母のもとに妹とともに預けられた13歳の姉が、祖母を伝承に描かれた魔女ではないかと疑うようになるさまを描いたホラースリラーです。主演はオフェリア・メディナ、パオラ・ミゲル、共演はサマンタ・カスティージョ、アラップ・ベトケ、イバナ・ソフィア・フェロ、パロマ・アルバマル他。

 

村に伝わる伝説との絡め方は悪くないし、因果応報な結末もいいんだけれど、ちょっと物足りない。もったいぶった演出の割に、最終的に話としてはあまりにシンプルで肩透かし。

 

この手のホラー映画を観過ぎているせいだと思いますが、ここまでもったいぶった見せ方をしているなら、もう一捻り欲しかったなぁと思ってしまうのです。

「オールドマン」('22)

 

深い森の奥に隠遁する老人の住む小屋に、道に迷ってやってきた青年の運命を描いたサイコスリラーです。主演はスティーヴン・ラング、マーク・センター、共演はパッチ・ダラー、リアナ・ライト=マーク。

 

オチは好み。

 

なので観終わった後にはそれなりに満足感があったのですが、そのオチに至るまでがあまりに退屈…。

 

2人芝居は生の舞台劇なら鑑賞に耐えますが(ただし、役者が達者であれば)映像作品の場合は相当に工夫しないと厳しく、この映画もダラダラと間延び感、水増し感でいっぱい。もちろん、映像作品として飽きさせないように工夫しているのはわかるのですが、充分に成功しているとは言えず…。

 

トータルで30分くらいの短編にしていれば不条理劇として傑作にもなり得たと思えるだけに本当に残念。

「午前4時にパリの夜は明ける」('22)

 

1980年代のパリを舞台に、苦難を乗り越えて懸命に生きるシングルマザーを描いたドラマ映画です。主演はシャルロット・ゲンズブール、共演はエマニュエル・ベアール、キト・レイヨン=リシュテル、ノエ・アビタ、メーガン・ノータム他。

 

専業主婦で外で働いた経験がほとんどないと言いながら、良い仕事にあっさり就くことができたり、生活が厳しいと言いながら、出て行った元夫が残したアパートの部屋が豪華で洒落ていたり、老父が金銭的に援助してくれたり、思春期の子供たちは反抗的と言いながら、大して反抗的ではなかったり、とにかく「シングルマザーの苦難なんてどこにあるの?」という主人公の「優雅なシングルマザーライフ」にはもやもやした気分に。

 

描きたいのは「シングルマザーの苦難」ではなく、か弱い専業主婦だった女性の精神的な自立や成長なんでしょうし、その点では悪くないと思いますけど。

 

シャルロット・ゲンズブールは10代でのデビュー当時の作品からかなりの本数を観ているものの、容姿が苦手なこともあって、あまり良いイメージがなく、この作品も全く期待しないで観たのですが、予想よりは「普通に」観ることができました。でも、きっとすぐに内容は忘れちゃいそうな感じ (^^;;;

「ツイスター スーパー・ストーム」('23)

 

竜巻を追跡する「ストームチェイサー」だった亡父に憧れて同じように竜巻を追うことになった男子高校生を描いたディザスターサスペンスです。主演はダニエル・ディーマー、共演はスキート・ウーリッチ、アン・ヘッシュ、アレック・ボールドウィン他。

 

小学校高学年から中学生くらい向けの「ジュブナイル」としてなら、これでもいいのかなぁ…。

 

それなりに楽しめなくはないんだけれど、とにかく「薄い」…。

 

一晩寝たら、観たこと自体を忘れそうなくらい。

「アステロイド・シティ」('23)

 

1950年代の米国の砂漠にある小さな町アステロイド・シティで展開されるユニークな人間模様を描いたウェス・アンダーソン監督によるコメディ映画です。出演はジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、ジェフリー・ライト、ティルダ・スウィントン、ブライアン・クランストン、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ他。

 

Wikipedia「アステロイド・シティ」

 

変な映画。

 

ウェス・アンダーソンらしいと言えば、その通りとも言えるし、ストーリーの筋は通っているものの、一貫してローテンションで「間」の多い映画なので、退屈で眠くなる人は少なくないはず。

 

にもかかわらず、不思議な色彩の映像とモノクロ映像のコントラスト、無駄に豪華なキャストのおかげもあって、最後まで飽きずに観ることができました。

 

深読みしようと思えばいくらでも深読みできる要素が無数に散りばめられているマニアックな作品ではありますが、そんな難しいことを考えなくても、楽しめるポイントはあり。

 

蛍光色のような色彩で描かれる、不思議なゆる〜い、一種の異世界ファンタジーとして無邪気に楽しんでもいいでしょうし、モノクロで描かれる、創作の世界の裏側を「内幕暴露モノ」のように楽しんでもいいはず。

 

観る人によって感想が大きく異なるでしょうが、それこそがウェス・アンダーソン監督の意図なんじゃないかなと思います。