劇場版名探偵ホームズ 青い紅玉の巻/海底の財宝の巻
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コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズをもとに、全ての登場人物を擬人化した犬にしてアニメ化したイタリア・日本合作のテレビシリーズ全26話のうち、放送開始前に完成していた宮崎駿監督の2作品を映画「風の谷のナウシカ」('84) との同時上映で劇場公開した作品です。声の出演は柴田侊彦さん、富田耕生さん、信沢三恵子さん、大塚周夫さん、二又一成さん、肝付兼太さん、玄田哲章さん他。
実際に放映されたテレビシリーズとは声優が異なっていたり、劇場公開時点ではコナン・ドイルの原作の著作権の問題があって一部の役名が変えられていたり(ハドソン夫人→エリソン夫人、モリアーティ教授→モロアッチ教授、レストレード警部→レストラント警部)するなど、いろいろと曰く付きの作品。
劇場公開時に観て以来、40年ぶりに観たのですが、何だかとても新鮮。
その後に放映されたテレビシリーズの印象が強く、ホームズの声は広川太一郎さんでイメージが固まっていたのですが、柴田侊彦さんのホームズも落ち着いたイケオジな感じで![]()
また、宮崎駿監督らしいアクション描写の巧みさにもいつもながら唸ります。
ただ、このテレビシリーズ全体に言えることですが、推理要素がなくなり、単なるドタバタのアクションギャグアニメでしかなくなっているのは「いかがなものなんでしょう?」とは 40年が過ぎた今でも思います (^^;;;
「シャーロック・ホームズ」の要素は役名と舞台設定だけですからね (^^)
手塚治虫の人気医療漫画シリーズの1エピソード「空からきた子ども」をアニメ化した短編ビデオ作品です。声の出演は大塚明夫さん、水谷優子さん、池田勝さん、夏樹リオさん、渡辺優子さん他。
→ Wikipedia「ブラック・ジャック 空からきた子ども」
原作漫画の「ブラック・ジャック」は全てを読んだことがあるわけではないですが、それでもかなりの作品を読んでいて、その中でもこのエピソードは最も強烈なインパクトがあった作品。ただし、「いくらなんでもその状態で生活するのは無理だろ!!」とツッコミたくなったというのが強く印象に残っている理由 (^^)
映像化したことで、そのツッコミポイントが一段と異様でおかしなものに見えてしまっているけれども、とにかく作画が![]()
このアニメ化作品以前のOVAなどでは原作とは違った劇画調のキャラクターデザインに変更されていて、それはそれで悪くはなかったのですが、本作では原作の絵柄のイメージを残しながら劇画的ニュアンスを上手く加えていますし、アニメーションとしての作画もいい。その「絵」としてのレベルの高さだけで充分に満足できる短編でした。
ネコのイラストで知られる英国の画家ルイス・ウェインと彼の妻との階級を越えた恋やネコ画家としての成功を描いた伝記映画です。主演はベネディクト・カンバーバッチ、共演はクレア・フォイ、アンドレア・ライズブロー、トビー・ジョーンズ、シャロン・ルーニー、エイミー・ルー・ウッド他。
→ Wikipedia「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」
切ない話だったなぁ…。
当時のイギリスでは、ある程度の身分の女性が外に出て働くことなど許されず、家族の男性に頼らざるをえなかったとは言え、母親も妹たちも完全にルイスに頼り切りで、元々社会性に乏しいルイスが彼女たちの「犠牲」になったことは確かなのですから。もちろん、その「不遇」が彼の創作のインスピレーションにつながった可能性も否定できないのが皮肉ですが…。
とにかく、ベネディクト・カンバーバッチはこういった「変人の天才」を演じさせると抜群にハマることを改めて見せつけられた映画でした。
プロデューサーを夢見る新米アシスタントが、ハラスメントが横行する映画業界の実態に葛藤を深めていく姿を描いたドラマ映画です。主演はジュリア・ガーナー、共演はマシュー・マクファディン、マッケンジー・リー、クリスティン・フロセス、ノア・ロビンズ、ジョン・オルシーニ他。
ただ淡々と1人の女性の姿を撮しているだけで、予想外の展開といった捻りも何もないので「物語」としての面白さは全くありません。
それでも、完全に主人公の目線で描かれているので、自然に主人公に感情移入し、同じ体験をしているような気分に。
その一方で、「過労死」という言葉が海外にも広まってしまっているほどブラックな企業が珍しくない日本では状況はもっと酷いんだろうなと暗澹たる気分にさせられました…。
ミア・ハンセン=ラヴ監督が自身の体験をもとに、仕事や子育て、老父の介護に追われ、多忙な日々を送る1人のシングルマザーを描いた人間ドラマです。主演はレア・セドゥ、共演はパスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー、ニコール・ガルシア、カミーユ・ルバン・マルタン他。
この手の題材にありがちな、必要以上に不幸と不運のオンパレードにして、過剰に主人公を「気の毒」で「かわいそう」な存在として描くといった陳腐さがないのはいいし、監督自らの経験に基づいているだけあって「リアル」だとは思います。高く評価されているも理解はできます。
が、日本とフランスの社会の仕組みの違いもあるのでしょうが、まだまだ手のかかる幼い子供を育てながら老親の介護をしているシングルマザーとしては、とてもとても「恵まれている」ようにしか見えなかったんですよね…。そのため、原題の「Un beau matin(ある美しい朝)」くらいの詩的なタイトルならまだしも、「それでも私は生きていく」なんて邦題を付けられると、どうしてももやもやした気分に…。陳腐かもしれませんが、主人公よりも哲学教師だった老父の人生の最晩年を中心に描いた方が遥かに共感できたように思います。
とにかく、決して出来が悪いとは思わないですし、演者も好演しているのですが、最後まで冷めた目でしか観られませんでした。
1人の美しい女性と3人の男たちが織り成す愛と友情の人間模様を描いたイタリアのヒューマンドラマです。出演はピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ミカエラ・ラマッツォッティ、キム・ロッシ=スチュアート、クラウディオ・サンタマリア、ニコレッタ・ロマノフ他。
大まかなストーリーは平凡でキャラクター造形もありがち。新鮮味はありません。
それでも、主人公たちと同年代の自分にとっては、イタリアと日本との違いはあれ、ノスタルジーを感じるところは多々あり、最後まで飽きずに観ることはできました。
ただ、4人の主人公の40年に渡る物語を描くにはあまりに尺が足りず、長尺のダイジェストを見せられているような気分に。この題材なら映画よりも全4話くらいのミニシリーズの方がいいんじゃないかなぁ。それはちょっと残念。
高校で起きた銃乱射事件でともに愛する息子を失った、加害者と被害者の両親、2組の夫婦の対峙を描いた対話劇です。出演はリード・バーニー、アン・ダウド、ジェイソン・アイザックス、マーサ・プリンプトン他。
観る前から分かってはいましたが、それでも本当に辛い内容でした…。
加害者の親、特に加害者が未成年の場合、被害者側も世論も、親に問題があったと考える、というよりも「そう思いたい」「そう決めつけたい」のは致し方のないところがありますが、現実には親に致命的な問題がなくても子供が凶悪な犯罪を起こす事例は少なくないんですよね…。
銃乱射事件が多発する現在のアメリカでは、子を持つ親として、自分の子供が被害者になる可能性があることを考えなければならないのはもちろん、加害者になる可能性も考えなければいけないというのは本当に悲しいことです…。
ところで、この映画の内容は「赦し」の文化があるキリスト教文化圏だから成立する話で、同じことが日本で成立するかというと、成立しなくはないけれども、かなり違ったものになるんじゃないかと思いました。
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2020年に91歳で亡くなった映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネの波瀾万丈の音楽人生を、晩年のモリコーネ本人をはじめ、彼を知る幾多の関係者の証言や名曲名場面とともに振り返ったドキュメンタリー映画です。出演はクリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、ベルナルド・ベルトルッチ、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ジュゼッペ・トルナトーレ他。
この手のドキュメンタリー映画では仕方ないのでしょうけど、それにしても関係者によるモリコーネの賛辞が無駄に多すぎ。そのせいで2時間半を超える長尺に。
モリコーネが素晴らしいことくらい、この映画を観る人にはわかっていることなんですから、そんな賛辞の言葉を無駄に並べるんじゃなく、モリコーネの業績や本人の言葉にもっと絞った方が良かったように思います。
それにしても改めて彼の業績には驚かされます。
古典的、伝統的ヨーロッパの音楽と実験的現代音楽の融合、クラシックからポップスまで何でも対応できる幅の広さ。彼がいなければ、映画音楽だけでなく、「音楽」というもの自体も今とは違っていたかもしれません。
そして一番驚いたのは、「音楽の天才」の彼が、もともとは医者になりたかったのを、トランペット奏者だった父親に半ば強制されるような形でトランペット奏者にさせられたのが最初だったということ。幼い頃から音楽家になりたかったわけではなかったことにも驚きましたが、トランペット奏者から作曲家になったというのにも驚き。言われてみれば、確かにトランペットが印象的に使われている曲が多いような気も。
とにかく、モリコーネの音楽は好きでも彼本人についてほとんど何も知らなかった自分にとっては新たに知ることばかりの映画でした。
放送作家の小山薫堂さんの脚本で、古い銭湯を継いだ兄弟の確執の行方を描いたお風呂コメディです。主演は生田斗真さん、共演は濱田岳さん、橋本環奈さん、小日向文世さん、吉田鋼太郎さん、窪田正孝さん、夏木マリさん、角野卓造さん、柄本明さん他。
鈴木雅之監督らしいコメディ演出、豪華なキャストなどなど、面白くなる要素は充分あるし、実際に面白くなくはない…。
が、物語自体はめっちゃあっさりしているのに、どーでもいいところの描写や演出が
くどい。
真梨幸子さんの同名小説を原作とし、18年前に起きた女子高生両親殺害事件を題材にした、新人小説家による連載企画をきっかけに、関係者たちが「黒い感情」の深みにはまっていくさまを描いたダーク・ミステリー全5話です。
「物語」としては面白かったですし、女性の描き方の生々しさや「いやらしさ」も女性作家の作品らしいリアルさを感じました。
が、物事があまりに都合良くうまく行きすぎていて説得力が全くない。これならいっそのことオカルトホラーにしてしまった方がよっぽど納得が行きます。また、登場人物たちが揃いも揃って歪み方を含めて同じような人物にしか見えず、それが作り手の意図通りだとしても、結果として人物描写が薄っぺらいものに。
リアリティや説得力が全てではないけれども、もうちょっとストーリーは練って欲しかったなぁ…。題材を含めて好みの題材なだけに残念。