Marc のぷーたろー日記 -74ページ目

「マネーボーイズ」('21)

 

田舎から都会に出て、男たちに体を売って暮らしている男娼の青年の空虚な日々を描いたドラマ映画です。主演はクー・チェンドン、共演はJ・C・リン、クロエ・マーヤン、バイ・ユーファン、ザック・ルー他。

 

ストーリー自体に新鮮味はなく、ちょっと退屈しちゃったところもあったのですが、終盤、かつての恋人と再会して以降の主人公の言動には、「共感」とは似ているようで微妙に違う複雑な感情を抱いてしまいました。物語の中でも指摘されているように罪悪感から来る「自己満足」でしかないし、今の「恋人」に対しては相当に酷い仕打ちで、褒められたものではないんですけどね (^^;;;

 

とにかく、説明的なセリフではなく、落ち着いた控えめな演出と、役者の演技でじっくりと見せるのはグッド!

 

ただ、救いのない絶望的な終わり方ではなく、余韻を持たせているのはいいんですが、それでも、こういう切なく虚しいだけのラブストーリーは「もういいよ…」という気分にはなりました。

「トリプル・リベンジ」('18)

 

麻薬密売の潜入捜査中に相棒を殺され、自らも重傷を負った上に悪徳警官の汚名を着せられた元刑事が3年の服役の後に自らの冤罪を晴らすために真相解明に挑むさまを描いたリベンジアクション映画です。主演はカール・アーバン、共演はソフィア・ヴェルガラ、アンディ・ガルシア、グレース・バイヤーズ、ジョン・フィン他。

 

雑な脚本で現実味はないけれど、難しいことを考えなければ気楽に観られる娯楽映画。

 

ただ、どこをとっても新鮮味はないので、カール・アーバンのファン向けの長尺のイメージビデオみたい。

「ラン・スルー・ザ・ナイト」('16)

 

若手画家の恋人を殺されたプロ写真家の女性が、目撃した犯人が警察関係者と知って逃亡したために、警察と殺し屋に追われながら真相に迫ろうとする姿を描いたアクションサスペンスです。主演はアンナ・チポフスカヤ、共演はピョートル・フョードロフ、コンスタンティン・ユシュケヴィッチ、イリヤ・ルビモフ、アレクサンドル・ヤツェンコ、イフゲニア・マラフーヴァ他。

 

この手の陰謀を題材にした映画は「普通の国」を舞台にしているなら「荒唐無稽だからフィクションとして楽しめる」のですが、ロシアが舞台なだけに「充分にありえる」と思えてしまうという意味でホラー味を感じました (^^)

 

ただ、警察を無能に描く一方で、最終的にFSB(ロシア連邦保安局)を「ロシアを守るための正義の砦」のように描いちゃうあたりに「今のロシア」の現実と「限界」を感じちゃう映画でもありました。

 

難しいことを考えなければ、それなりに楽しめる娯楽サスペンス映画ではありますけどね。

「レッド・ハンター」('18)

 

総合格闘家出身の女優ジーナ・カラーノ主演の西部劇風近未来SFアクション映画です。共演はジョン・ハンナ、ステファニー・ベネット、ライアン・ロビンズ他。

 

舞台設定が近未来SFで主人公が女性であることを除けば、本当に昔ながらの西部劇映画そのまま。ストーリーは全て予想通りにしか展開しないし、「何故そこでとどめを刺さない???」というツッコミどころまで同じ。

 

それでも、それなりに楽しめなくはないので、何も難しいことを考えずに気楽に時間潰しをしたい時にはちょうどいい映画かもしれません。

「ベネデッタ」('21)

 

17世紀に実在した修道女の裁判記録と実録小説「ルネサンス修道女物語-聖と性のミクロストリア-」をもとに、民衆から崇められる一方、同性愛の罪で裁判にかけられた修道女ベネデッタの数奇な運命を描いた、ポール・ヴァーホーヴェン監督による歴史映画です。主演はヴィルジニー・エフィラ、共演はシャーロット・ランプリング、ダフネ・パタキア、ランベール・ウィルソン、オリヴィエ・ラブルダン他。

 

Wikipedia「ベネデッタ」

 

80歳を過ぎても、ここまで刺激的でセンセーショナルな映画を撮れてしまうポール・ヴァーホーヴェン監督のエネルギーに圧倒されました。

 

多くの人は「結局、ベネデッタは本当に聖女だったの否か?」というところに注目するのだと思うのですが、この映画自体はその答えを描こうとしているわけではないんでしょう。どちらとも解釈できるし、またどちらでもあるとも解釈できるように描き、観る人に完全に委ねているのがグッド!

 

そもそもキリスト教における「奇蹟」とは何なのかという話ですし。

 

個人的には、聖職者でありながら俗物として描かれていたジリオーリ教皇大使とアルフォンソ主席司祭を演じたランベール・ウィルソンとオリヴィエ・ラブルダンが印象的。こういう役が本当にハマる (^^)v

「A-X-L/アクセル」('18)

 

軍によって極秘裏に開発された特殊軍用ロボット犬「A-X-L」と、モトクロス・レーサーの青年が織り成す友情と冒険を描いたSFアドベンチャー映画です。主演はアレックス・ニューステッター、共演はベッキー・G、アレックス・マクニコル、ドミニク・レインズ、トーマス・ジェーン他。

 

Wikipedia「A-X-L/アクセル」

 

クラウドファンディングで製作費を集めて作られた短編映画でスポンサーを獲得し、長編映画化された作品ということで、ちょっと期待して観てみたのですが、あまりに子供騙しな内容でダウン

 

まぁ、小学生向けにはこれでも充分なのかもしれませんけど。

 

軍用ロボットなのに火に包まれただけで使用不能になったり、いくらメカに強いからといって専門家でもない主人公が簡単に直せちゃったりするとか、設定の作り込みの甘さもダメ。

 

こんな陳腐なストーリーでもスポンサーがついたってことは、よっぽど元の短編映画の出来が良かったってことなんでしょうか…。

「search/#サーチ2」('23)

 

PCの画面上だけで展開するスリラー「search/サーチ」('18) の続編で、行方不明になった母親を捜す女子高生を描いたサスペンス映画です。主演はストーム・リード、共演はニア・ロング、ヨアキム・デ・アルメイダ、ケン・レオン、ダニエル・ヘニー他。

 

前作とコンセプトは同じですが、完全な別作品。前作も娯楽映画として充分に楽しめたので期待して観てみました。

 

主人公のネットを使いこなす能力や知恵の高さが尋常じゃないレベルなのでで、そこはちょっと盛りすぎかなぁと思いつつも、アカウントの乗っ取り方はリアルで説得力はありましたし、ストーリーも前作以上に楽しめました (^^)

 

また、この母親のような「訳あり」の女性が少なくない現実を考えると、事件自体も「ありえるかも」と思えるものがありましたし、そういった過去の経緯は子供がある程度の分別がつく年齢になったらしっかり伝えておかないと危ないという教訓にもなっているように感じました。とにかく、こういうクズ男は更生しないという前提で動かないとね。

 

関連記事

「奈落のマイホーム」('21)

 

ソウルにあるマンションが巨大な陥没穴に沈み、住民たちが決死のサバイバルを繰り広げるさまを描いたディザスターパニック映画です。主演はキム・ソンギュンさん、共演はチャ・スンウォンさん、イ・グァンスさん、キム・ヘジュンさん、ナム・ダルムさん他。

 

輝国山人の韓国映画「奈落のマイホーム」

 

この手のディザスター映画としては王道のプロットで、ご都合主義的な部分も含めて、それ自体に新鮮味はありません。それでも、韓国では実際に違法建築などによる事故が起きているという現実を背景にしている点や、かなりコミカルな味付けをしている点などの新規性もあります。

 

ただ、最も印象的で、最も良かったのは主演のキム・ソンギュンさん。

 

これまで観た作品での印象は地味な脇役という感じで、主演をはるイメージは全くなかったのですが、その地味で平凡な感じが役にピッタリグッド!

 

こういうディザスター映画の主人公は、設定上は平凡な人物であっても、演じるのはマッチョなイケメンスターだったりすることが多いのですが、本当に普通のサラリーマンで、普通のお父さんで、そういう平凡な人物が必死に頑張るという役どころに説得力がありました (^^)v

 

ただ、最終的には準主演であるチャ・スンウォンさんが美味しいところを全部持っていってしまったのはちょっと残念。まぁ、スターには見せ場がないといけないんでしょうけどね (^^;;;

 

そしてもう1点印象的だったのは、救助隊の隊長役で特別出演していたコ・チャンソクさん。コメディリリーフの印象が強い名脇役ですが、今回はコミカルな要素ゼロ。終始シリアスで、しかもカッコいい!!

 

いつもと違うコ・チャンソクさんを観ることができて、それだけでもお得感がありました (^^)v

「チップス先生さようなら」('69)

 

19世紀末から20世紀初頭の社会の劇的な変化を背景にイギリスの寄宿学校の平凡な男性教師の半生を描いたジェームズ・ヒルトンの同名小説を原作としたミュージカル映画です。主演はピーター・オトゥール、共演はペトゥラ・クラーク、マイケル・レッドグレイヴ、シアン・フィリップス他。

 

Wikipedia「チップス先生さようなら (1969年の映画)」

 

「いい話」だとは思います。

 

主演のピーター・オトゥールは当時まだ30代だったとは思えないほど、老け役に違和感が全くないし、演技も的確。校長役のマイケル・レッドグレイヴは親と言っても過言ではないほど年上であるにもかかわらず、2人が並ぶとむしろピーター・オトゥールの方が年上に見えるほど。

 

が、これっぽっちもハマらなかった…。

 

何と言ってもヒロインを演じたペトゥラ・クラークが役に合っているように全く思えず、そのためヒロインがこれっぽっちも魅力的に見えなかったのは致命的。

 

そして、ミュージカルであるにもかかわらず、心に残るような印象的な曲が1つもなかったのもダウン

 

2時間半を超える長尺を飽きることなく最後まで観ることができたので、決して出来が悪いとまでは思わないのですが、もう2度と観ることはないでしょう。

「永遠の831」('22)

 

「未曾有の大災厄」によって混迷を極める現代の東京を舞台に、周囲の時間を止められる力を持った男子大学生と、同じ能力を持つ女子高校生が出会ったことから起きる物語を描いたサスペンスタッチの長編アニメです。声の出演は斉藤壮馬さん、M・A・Oさん、興津和幸さん、日笠陽子さん、大塚明夫さん、粟津貴嗣さん、近藤孝行さん、岩崎諒太さん、山下誠一郎さん、五十嵐麗さん他。

 

Wikipedia「永遠の831」

 

自分にはこれっぽっちも合わなかった…。

 

生理的に無理…。

 

言いたいことはわかるのだけれど、説教臭い上に青臭すぎて、全く面白くない。

 

そして何より、いかにもCGな見た目のキャラクターがブー

 

ぬるぬるしてるけれど不自然でぎこちない動きに無表情な顔で、ロボットか人形にしか見えないので、ただただ気持ち悪い。今のCG技術ならもうちょっと何となるはずでしょ? この出来は酷すぎる。