店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる/笹井清範
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★★★★★
長いタイトルと「倉本長治の商人学」というサブタイトルの本。
AUDIBLEで拝聴。実に素晴らしい!
倉本長治さんのお名前はいろいろな本で少しだけ触れていたので
興味はあったがこれほどに良いとは、
今まで触れずに惜しいことをした。
ファーストリテイリング柳井正さんの「あれ、もう1章入っている?」
というくらいの長くて氣合いの入った前書きに続き、
まさに昭和の石田梅岩!いった感じの
「商人学」というよりも商人とはいかにあるべきかを説く
「商人道」が語られる。
あとがきにも近いことがあったが
この「商人」を「ビジネスパーソン」と読み替えても
大いに活きそう。
本書再読のみならず倉田長治さんの原著に当たってみたい。
★★★★★
6年ぶりたぶん3回目。
この本でも肝は「アノミー」
カリスマの保持者は、カリスマを手放してはならない
前章で、日本人がなぜ、いともたやすくアメリカの
マインド・コントロールを受けたのかについて述べた。
最大の理由は、終戦によって発生した
急性アノミーを利用したからである。
GHQの「日本人洗脳計画」は、戦後日本の恐るべき
「急性アノミー」現象をさらに拡大再生産した。
アノミー(anomie)とは何か。
「無規範」と訳されることもあるが、
それよりも広く『無連帯のことである。
アノミー概念については、
拙著『大東亜戦争ここに甦る」(クレスト社)でも述べたが、
本書のテーマを理解するうえで、
不可欠の概念でもあるので、再説しておきたい。
アノミー概念を発見したのは
「社会学の始祖」E・デュルケム
(フランス人、一八五八~一九一七年)である。
デュルケムがアノミー現象を発見したのは、
自殺の研究を通じてであった。
彼は、生活水準が急激に向上(激落の場合だけではない)した場合にも
自殺率が増加することを発見した。
なぜか。生活水準が急上昇すれば、
それまで付き合っていた人たちとの連帯が断たれる。
他方、上流社会の仲間入りを果たすのも容易ではない。
成上がり者と烙印を押され、容易には、付き合ってくれない。
かくして、どこにも所属できず、無連帯となる。
連帯(solidarité)を失ったことで、狂的となり、ついには自殺する。
これがアノミー論の概略。このように生活環境の激変から
発生するアノミーを「単純アノミー」と呼ぶ。
その心的効果は「自分の居場所を見出せない」ことにある。
どうしてよいか途方に暮れる。
そして正常な人間が狂者以上に狂的となる。
ここを読んで、最近衝撃を覚えた
先生、どうか皆の前でほめないで下さい
―いい子症候群の若者たち/金間大介 24074
を思い出した。
「いい子症候群」とはこのアノミーからの脱却のための
若者たちの無意識な営みなのではないか?と。
この本を小室直樹先生に読んで頂き、コメントして欲しかったなぁ。
そもそも 教育とは何か。
ルソーは「教育の目的は機械を作ることではなく、人間を作ることだ」
(「エミール」)と述べた。
つまり、自分の頭で物事を考えられるような
人間に育てるということである。
そして、実生活で直面するさまざまな問題を
解決する能力を与えることである。
そのために必要な知識を教え、
知力や体力を育てることだ。
それは、人間は教育されたことを土台と してしか、
問題を解決できないからである。
ところが、戦後日本の教育はどうだ。
人間を作ることではなく、
条件反射するネズミを作ることを目的としているではないか。
学校は、鋳型にはまった人間を次から次へと生み出す
鋳物工場と化しているではないか。
『金太郎飴”の子どもたち。本当に可哀相だ。
入学試験で出題される問題には、
あらかじめ「正解」が用意されている。
答えるべき「正解」は一つである。
マークシートの上で、唯一の正解を塗り潰すことに成功した者だけが、
優秀と言われエリートとして選抜される。
正解に達することができなかった者は、
人生の落伍者となる。
学生は入試に出題される可能性がある問題だけを勉強する。
問題の正解を記憶することだけに汲々としている。
入試に関係のない学科や問題は勉強しようともしない。
このことはグロービス経営大学院、グロービスマネジメントスクールでも
度々申し上げていることだがその時は「そうか!」と思っても
すぐに元に戻ってしまう。
この呪縛が逃れるのは容易ではない。
★★★★☆
ドバイホームというドバイの不動産を主に日本人投資家に売る、
という会社の経営顧問を承ってはや一年。
弊社サイトにメールが来て「怪しいなぁ~」と思いつつも
いろいろとお話を伺ってみると至極真っ当(失礼!)な
皆様なので喜んでお付き合いさせて頂いている。
昨年11月末には5年ぶりにドバイ再訪も果たせ、
グロービス経営大学院、グロービスマネジメントスクールの
「マーケティング・経営戦略基礎」クラスD6の
「エミレーツ航空」の講義中の脱線の為の
地元・生ネタ収集にも大いに役に立っている。
ドバイの本を読んでいるとAmazonのレコメンドにも
「ドバイ」の文字が入っているものが当然ながら現れる。
そこで手に取ったこの本。
残念ながらこの本には「ドバイ」のことがあまり出てこないのだが、
何とかしてタネ金を作り、ある程度まとまったら
ドバイのプライベートバンクに入れ、
複利で回せばそれで1億円になりますよ、という主張。
計100億も詐欺に遭ったりと波乱万丈の著者。
世界は広い。世の中にはいろんな方がいて、
いろんなお金の稼ぎ方があるんだなぁ、
と感心した。マネはしたくないけど(笑)。
この本を読むと不動産投資って、
なんて手堅いビジネスなんだろう、とも改めて思う。
★★★★★
ここ数年股関節の具合がもう一つだなぁ、
と思いかつて前十字靭帯再建手術でお世話になった
船橋整形外科さんに行ってみた。
老沼和弘先生という方に診て頂く。レントゲンですぐに
「寛骨臼形成不全(かんこつきゅうけいせいふぜん)
という診断がなされる。
股関節のウケのところが浅く
変形性股関節症にもなりやすいのだとか。
男性では珍しいものらしい。
100歳まで現役武道家、のためには
この歳で「激しい運動はダメ」などありえない。
手術なども前向きに検討すことにした。
健康に不安を覚えると藤平光一先生の本が読みたくなる。
そういえば、元氣なときは
呼吸法とか氣圧療法とかの大事なことも忘れてしまうよね。。
これも健康の基本を思い出させるための
軽い試練なのかもしれない。
中村天風と植芝盛平 氣の確立/藤平光一 15130
中村天風と植芝盛平 氣の確立/藤平光一 14184
成功の秘訣は氣にあり/藤平 光一 17206
成功の秘訣は「氣」にあり/藤平光一 15192
成功の秘訣は「氣」にあり/藤平 光一 07165
成功の秘訣は氣にあり/藤平 光一 06171
★★★★★
十三回目。
グロービス経営大学院やグロービスマネジメントスクールでの講師業、
各クライアント先での経営顧問業、
投資会社としての投資業、等ばかりだと
「社長」だの「先生」だのと呼ばれるだけでは、
きっと人間がダメになる。
耳中、常に耳に逆らうの言を聞き、
心中、常に心払るの事あれば、
わずかにこれ徳に進み、行を修むるの砥石なり。
もし、言々耳を悦ばし、事々心に快ければ、
即ちこの生を把って鴆毒の中に埋在せん
(耳には耳に痛いことばかり、
胸には無念な事ばかり。
それが我が玉を磨く石となる。
おだてられたり、いいことばかりでは
我とわが身に毒を盛るようなものだ)
そうそう。やはり「下座行」が大事だよね。
売主や買主にはかなり酷い扱いを受けることが多い
不動産売買仲介業はまさに人生の砥石。
★★★★★
いろいろ調べて考え抜いているのはよくわかるけど、
そこまで断定しちゃっていいのかな~?
と戸惑い内心ツッコミを入れつつ、
井沢元彦さんの世界に没入する。
きっとそれが井沢元彦さんの本の正しい楽しみ方なのだ。
本書も井沢ワールド全開!
ただ、本書でも繰り返し述べれている通り、
日本史では宗教的な見方があまりにも軽視されているとは思う。
信長は「宗教弾圧」をしなかった!
「自己神格化」によって天皇制に挑んだ信長の天下布武
などは深く頷かされる。
★★★★☆
昨年までは父親の姉、叔母の看取りが
重大なイシューであったが、
そろそろ私と嫁の双方の両親も他人事では無くなってきた。
ケアマネ難民を免れるための
「要介護認定調査」必勝法
などを興味深く読む。
具体的なエピソードを交えるのがコツ
なのだそうだ。
介護認定調査員も何らかの判断軸を以て
判断せざるを得ないのだから
「ルール」を事前に熟知する、は当然であろう。
後興味深いのが特別養護老人ホーム。
叔母の施設選択の際には特養は入所がかなり
難しかったが
ところがこの10年で待機者は大幅に減った
とのこと。
安さよりも過ごしやすい居室環境を求めるのであれば
よりチャンスは回ってきやすい。
近年は国による推奨のもと、完全個室で
居室前に共有のリビングスペースを備えた
ユニット型施設が増えている。
ユニット型個室は従来型の相部屋よりも費用がかさむ。
安さが第一という待機者はユニット型うぃ避けるため
空きがあれば入りやすいのだ。
なるほど。やはり時間が経過すると
諸々の環境は変化するのだ。
介護も定期的なウォッチが必要と改めて思う。
★★★★★
二回目。
4月1日 正師をみると
正師をみると、正師に嗣承せると、
正法をきけると、いまだ正法をきかず
正師をみ ざると、はるかにことなる。
『正法眼蔵』「心不可得」
【訳】正師(仏法を正しく得た明眼の師)に お会いし、
その正師に相承して、正法を聴 いた者と、
いまだに正法を聴かず正師にお会いしない人とでは、
遥かな違いがある。
「学道用心集」
4月2日 正師を得ざれば
正師を得ざれば、学ばざるにしかず。
【訳】正師に出会わなければ、
仏法は参学 しない方がましである。
★★★★★
あれ、週刊ダイヤモンドさんまた株式投資の特集?
と思ったら2月24日号は一応「半導体」が切り口だった。
週刊ダイヤモンド 2/24号 丸ごと一冊「半導体」24072
株式投資、となると約半年ぶり。
日経平均株価最高値を更新し続けてて、
でも所有している株で上がっているのは
辞めて株式全部売っちゃうのは
なんだかつれない氣がして残しておいた
1,000株しか持っていない丸紅さんの株くらい。
他の所有株式は微動だにしない(苦笑)。
なんだか本号を読むと半導体の次は
インフレを追い風にできそうな不動産銘柄?
とも思うがどうなんだろう。。
不動産関連は業界的には得意ではあるけれど、
前勤務先であったJPMC株や
一棟マンションなどを所有しつつもさらに不動産銘柄、
というのはポートフォリオ上よろしくないのかなぁ、とも。
でも半導体に今更突っ込む勇氣はさらさらなく、
きっとああだこうだと悩んでいるうちに
また月日は過ぎていく(笑)。
そしていつしか暴落したら
「やはり自分は強みである不動産ビジネスで稼ごう」
と思うに違いない(笑)。
★★★★★
野口悠紀雄先生でこのタイトル、、
覚悟はしていたがそれを上回る内容。
「日本全体」が変革を成し遂げ再び浮かび上がる、
というのはもしかしてもう無理かも?
とつい思ってしまうほど厳しい内容。
となると日本のマジョリティや
平均はそうなったとしても
まず家族、そして親しい友人や
グロービス経営大学院の仲間たちなどは
なんとしてでも救いたい、とも切に思う。
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