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高度サービス人材について考える会

質の高いサービスとは何か?どうすべきかを考える会です。

ビジネスでは報告が重要です。
ここでいう報告とは、任された仕事の結果を上司に知らせること。上司にとって、あなたに任せた仕事は、あなたからの報告がないと完結しないのです。



「○○くん、あの件はどうなっている?」などと、上司から声をかけられるようではビジネスパーソンとしてまだまだだと認識しましょう。聞かれる前に、自分で機会を作って報告するのがビジネス常識だからです。



仕事終了の報告だけに限らず、長い時間をかける仕事に関しては、毎日、途中経過の報告も行います。
順調に進んでいるのか、あと何日くらい必要か、といった情報を共有しておけば、万一トラブルが発生した場合にも迅速に対処できます。



もちろん、上司は多忙を極めているでしょう。でも、「忙しいから話しかけられない」では、いつまでたっても仕事は進みません。



●忙しい上司に報告するときのコツ


この例のように、報告する大まかな内容と所要時間を先にいうようにすると、すぐに対応してもらえます
「○○部長、△△の件でトラブルです。5分ほどよろしいですか?」
「課長、××の件で相談したいことがあります。3分ほどお時間を頂けますか?」

学生のアルバイトが多いファミリーレストランとコンビニでよく使われる間違った敬語を、この2カ所の頭文字を取って「ファミコン敬語」といいます。



「××でよろしかったでしょうか?」「ご注文のほうは何になさいますか?」「お客さまがお帰りになられます」などです。
それぞれどこが間違っているか、わかりますか?



これらの表現からは、相手に敬意を払おうという気持ちはくみ取れるのですが、敬語としては間違っているため、ビジネスシーンで使っていると「まだ学生気分が抜けていないな」と取られてしまいます。
間違った使い方を直して正しい敬語を身につけ、ファミコン敬語から脱却したいものです。



下に、こうした間違えやすい敬語の使い方をまとめてみました。
間違った表現に慣れてしまっている場合、すぐに改めるのは難しいでしょうが、意識をして少しずつ改善していきましょう。



●ファミコン敬語いろいろ


×お会計のほうをお願いします
↓「~のほう」は、方角を示したり、比較するときに使う言葉です。
○お会計をお願いします


×こちらでよろしかったですか?
↓何でも過去形にすれば丁寧に聞こえるというのは、錯覚にすぎません。
○こちらでよろしいでしょうか?


× ○○っす、○○っすね
↓体育会系の認尾は、正式なビジネスシーンで使うにはくだけすぎです。
○ ○○です、○○ですね


×それに~、だと思うんですけど~
↓語尾を伸ばすと、非常に子どもっぽい印象を与えますからやめましょう。
○私(わたくし)は○○だと思います


×あちらでうかがってください
↓一見、合っているようですが、相手に対して謙譲語を使ってしまっています。
○あちらでお聞きください


×お帰りになられる、おっしゃられる
↓敬語に敬語を重ねる間違いは、丁寧すぎて逆に違和感を抱かせます。
○お帰りになる、おっしゃる

役に立つから覚えましょうといっても、なかなか身につかないのが敬語の難しいところ。
前回に、敬語の基本になる尊敬語・謙譲語・丁寧語を紹介しましたが、文法を意識するだけでは敬語を話せるようにはなりません。



そこで、まずは下に紹介する「5大動詞」の敬語だけを覚えましょう。



ビジネスでよく使われる動詞を分析したところ、最も上位にランクされたのが、この5つの動詞です。
これだけは、その都度考えなくても自然に口から出てくるように、何度も訓練しましょう。



5大動詞が使いこなせれば、なんとなく「それらしく」聞こえます。
ビジネスの現場では、この「それらしさ」も大切なのです。



あとは、丁寧語の「です・ます」をしっかりつけること。前に紹介したビジネス用語を使うようにすれば、新人としては十分でしょう。



●5大動詞をマスターしよう


    尊敬語    謙譲語     丁寧語
いう-おっしゃる--申す ----いいます
見る-ご覧になる-拝見する---見ます
する-なさる ---いたす----します
居る-いらっしゃる-おる-----います
行く-行かれる --参る・うかがう-行きます

ビジネスの現場には、上司と部下の年齢差、社長と新人の役職の差など、いろいろな差が存在します。
あるいは、親疎の差。つまり、いま初めて会うのか、以前からつき合いがあるのかといった差もあります。



そうしたさまざまな差があるわけですが、ビジネスで利益を出すためには、これらを乗り越えていかなければなりません。いうべきことはいわなければいけないし、お願いするべき部分ではお願いをしなければなりません。



そんなとき、社会的地位や年齢、あるいは親疎の差を越えて、相手に対する敬意を最もわかりやすく伝えるツールが敬語です。
「こんなに丁寧に話しているのだから、少し聞いてやろう」と、相手に思わせることができる手段なのです。



敬語を使いこなせるか否かで、ビジネスでの目標達成の可能性は大きく変わってきます。
最初は間違ってもかまいませんから、意識して使っていきましょう。



●敬語の3つの基本形

<尊敬語>相手を高める表現


・「れる・られる」型
 例:買われる、話される、行かれる

・「お(ご)~になる」型
 例:ご覧になる、お持ちになる

・「お(ご)~くださる」型
 例:ご指摘くださった点については…


<謙譲語>自分がへりくだる表現


・「お(ご)~する」型
 例:ご連絡いたします、ご報告いたします

・「お(ご)~願う」型
 例:お渡し願いたい、ご利用願います

・「お(ご)~いただく」型
 例:ご連絡させていただきます

・「お(ご)~申しあげる」型
 例:先日申し上げましたように…


<丁寧語>言葉の使い方を丁寧にする表現

・「です」型
 例:お手洗いはこちらです

・「ます」型
 例:お手洗いはこちらにあります

・「ございます」型
 例:お手洗いはこちらでございます

ビジネスでは、独特の言葉遣い「ビジネス用語」で話すようにします。
これは、さまざまな用語をビジネス特有の形に言い換えて敬語とあわせて使うもので、こうした話し方をすることによって相手に対する敬意をかたちで表すことができます。



具体的には、下にいくつかの例を紹介しておきます。



社外の人に対してこういう言葉遣いをするのは当然ですが、社内でも、上司や先輩に対してはビジネス用語で話すのがルールです。



普段は「センパイ、俺さあ」と話しかけているような親しい人に対しても、いったん仕事が始まったら、意識的にビジネス用語を使って話しましょう。
プライベートと仕事では、言葉遣いを明確に分けた方がよいのです。



それをきっちりやっておかないと、仕事がだんだんルーズになっていきます。
お互いが友達感覚だと、「センパイ、遅れそうだから適当にごまかしておいて!」などといいやすくなり、ズルズルと公私の混同が常態化してしまうことが多いのです。




●ビジネス用語の言い換えの例


×僕・私(わたし) → ○私(わたくし)
×相手の会社 → ○御社・貴社
×自分の会社 → ○弊社・当社
×誰ですか? → ○どちら様でしょうか?
×何の用ですか? → ○どのようなご用件でしょうか?
×どっちにしますか? → ○どちらになさいますか?
×ちょっと待ってください → ○少々お待ちください
×忙しい → ○手がふさがっている
×もし、ひまなら → ○もし、お手すきでしたら
×一緒に行く → ○お供する
×いま、行きます → ○ただいま、参ります
×伝言を頼めますか? → ○お言づけをお願いできますか?
×また来て下さい → ○またお越しください

いま、「とにかく人の話を聞かないヤツが多すぎる」という声を、上司の世代から聞くことが多くなっています。
相手の目を見て話を聞かない、あるいは、聞いていてもメモも取らずにうわの空ということのようです。



こんなことをわざわざ書くのも妙な気がしますが、人の話はちゃんと注意を傾けて、メモを取りながら聞くのが、ビジネス以前の常識です。
人間というのは、聞き間違えたり、勘違いしたり、覚えているつもりのことでも、ふとした拍子に忘れてしまうことが意外に多いからです。



普段の生活なら聞き間違えても笑ってすみますが、ビジネスシーンでは、口約束で大きな金額が動くことも珍しくありません。
そんなときに聞き間違えたり、勘違いしてしまったらどうなるでしょう?
大失敗をする前に、人の話をきちんと聞く習慣を身につけましょう。



●人の話を聞くときの基本


・常にメモを取りながら聞くこと
 人間の記憶というのは、案外当てにならないものです。

 指示などを聞くときは、必ずメモを取るようにします。
・5W3Hをしっかる確認する
 5W3Hの項目の中で不明な点があれば、こちらから「○時に△△個ですね」

 と確認しましょう。
・相づちを打つ
 ビジネスシーンでは、くだけすぎた相づちは禁物です。
 ○「はい」「なるほど」「さようでございますか」
 ×「うん」「うんうん」「へえ~」
・聞き間違いやすい単語は確認する
 1(いち)と7(しち)と8(はち)などのように、紛らわしい発音の単語は、

 「7(なな)ですね」と確認します。

笑顔は相手の心を解かします。「私はあなたに敵対心を持っていませんよ」ということを、どんな言葉よりも雄弁に伝えるのが笑顔なのです。



人間には防衛本能がありますから、自分に敵対する人には警戒心を抱きます。それが相手とのコミュニケーションにとって大きな障害になることは少なくありません。
笑顔には、その警戒心を取り去って相手の心を開かせる、大きな力があるのです。



だから、ビジネスでも笑顔は強力な武器になります。
どんなに時間をかけた企画書よりも、笑顔ひとつが交渉の決め手になるなんてことは、ビジネスシーンでは日常茶飯事です。
これを活用しないのは、実にもったいないことです。



ファッション雑誌のモデルや女優・俳優を見ると、みんな口角を上げた美しい笑顔を浮かべています。
鏡を見て、彼ら・彼女らのような笑顔が自然に浮かべられるように練習をしておきましょう。いざビジネスの舞台でも、かならず役立ちます。



●笑顔はビジネスに欠かせません


<笑顔>
①話しかけやすい
②印象がよい
③信頼できる
④周囲を明るくする


<しかめっ面>
①話しかけにくい
②印象が悪い
③怖い
④周囲を不安にさせる




●鏡を見ながら、雑誌の写真などを参考に練習してみよう


・目は相手の目を見る
・ほおの筋肉をグッと上げる
・口角を上げる
・歯ぐきは見えすぎないように
・上の歯が見えるくらいに

人と話すときには、相手の目を見るのがコミュニケーションの初歩の常識。



友人同士でも、目を合わせずに会話をする人がいたら、「あの人、話していても目も合わせないの。ヘンな人」ということになりますよね。それと同じことです。



相手の目を見て話すということは、「あなたの意見をしっかり聞いています」という自分の気持ちを相手に伝えることです。
目を合わせないと、相手を受け入れていないと捉えられてしまうのです。



ただし、10秒以上相手の目を見ていると、相手を緊張させてしまいます。
それでは、不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。



そんなときには、相手の眉間から、男性ならネクタイの結び目あたり、女性ならシャツの襟のあたりまでの「アイゾーン」に視線を広げておきます。
話のポイントとなる部分では相手の目に視線を合わせて話すようにすると、相手を緊張させることなく話すことができます。



●目を見て話すときのポイント


 打ちながら視線を合わせると、よい印象を与えられます
・真正面に立ったり座ったりすると、対立している印象になるので、

 少し斜めにずれるとよい
・相手と話すときの視線の使い方は、相手の眉間から、ネクタイの結び目か

 シャツの襟あたりまで
・相手との距離は、近すぎても不快感を与えますし、遠すぎても距離感を

 感じさせます。ベストは約120cmです。

 うちましょう

・アイゾーン全体に視線を広げるようにすると、相手に威圧感を与えません
・話のポイントで、「なるほど」「さようでございますね」といった相づちを

当然のことですが、あいさつするのは重要なコミュニケーション手段であり、特にキャリアの浅い若手社員にとっては大切な仕事です。



なぜなら、元気なあいさつは職場に活気を与えることができるからです。
つまり、職場の活性剤的な効果を発揮するのです。

まだ本業で大きな利益を出すことが難しい若手社員にとっては、企業から期待される最も重要な職務ともいえます。



また、元気なあいさつをすると、自分に対する印象をよくすることができます。
「お! 元気なのが入ってきたぞ」と、名前を覚えてもらうきっかけにもなりますし、「じゃあ、あの元気なヤツに」と、仕事を振られるチャンスにもなるのです。



あいさつの本質は、その場に相手がいると認めること。
「自分はここにいますよ。あなたがそこにいることを確認しましたよ」と、相手に伝えることです。自分にも、相手にも、清々しい気分を与えるような、元気で気持ちよいあいさつをしましょう。



●あいさつの仕方の基本


<社内で同僚に会った場合>
午前11時頃までは、「おはようございます」
それ以降は、「お疲れさまです」

※上司や先輩など、目上の人に「ご苦労さまです」とあいさつするのは

 間違いです。「ご苦労さま」は目下の人にかける言葉です。


<社内でお客さまや取引先の人に会った場合>
午前11時頃までは、「おはようございます」
それ以降は、「いらっしゃいませ」

※たとえ知らない人でも、社内で会ったらかならずあいさつすること。



●あいさつのポイントいろいろ
・いつでも明るく、元気よく
・自分から先に切り出す
・かならず相手の目を見て
・相手の名前をつけ加えると好感度がUPします

職場でのコミュニケーションをメールだけで済まそうとする人が増えているという話をよく聞きます。



隣りに座っている同僚にさえメールのみで連絡するなんていう、上司世代の人にはちょっと信じられない行動をする人もいるようです。



日常のちょっとした報告などなら、記録が残るという利点もありますから、まだ大きな問題にはならないかもしれませんが、トラブルが発生したときの上司への相談や、重要な案件までメールだけで済まそうとするのは、まったくのマナー違反です。



ビジネスはひとりではできません。組織の一員として、同僚との協力があって初めて成り立つものです。
そういう周囲との信頼関係は、やはり声を掛け合い、実際に顔を会わせてこそできるもの。



メールだけでは、細かいニュアンスを周囲が把握できませんし、なにより、つき合いづらい人と思われてしまいます。



●メールのメリットと直接会うメリットを使い分けよう


<メールのメリット>
・記録が残る
・お互いに、都合のよいときに見られる
・速い
・離れていても連絡が取れる
など


<直接会うメリット>
・細かいニュアンスまで伝えられる
・信頼関係を築ける
・相手の人物像までわかる
など



●バランスを大切に!