片耳難聴者のこと | 片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

2017年の11月に聴神経腫瘍が見つかり、2018年の5月に摘出手術を受けました。現在は年1回の経過観察通院中。手術により右耳の聴力を喪失。
そんな”片耳生活”のアレコレをブログにしたためています。
試しにgoogleで、「片耳日記」と検索してみてください(^^)

片耳難聴という”障害者”となって一年余り。

なってしまったばかりの一年前は、”機能的”な障害について自らの自覚症状と照らし合わせて知り得たことを、記録という意味でブログにしたためました。

 

それと同時に、社会的に自分の置かれた状況をできるだけ客観的に把握しようと、障害者を巡る社会制度などについて調べています。

【はじめて読む方は、こちらからどうぞ】

 

以前書いた私のブログ

「半分、青い。」

でも触れていますが、「片耳難聴者」=「一側性難聴者」の場合、もう片方の聴こえる耳の聴力が相当程度低い(50dB以上)場合以外は”障害者として認定されない”ということを知りました。

 

障害者福祉法第15条に定める「身体障害者手帳」の交付要件として、同法では具体的には次のように定められています。

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別表(第四条、第十五条、第十六条関係)

一 (省略)
二 次に掲げる聴覚又は平衡機能の障害で、永続するもの
1 両耳の聴力レベルがそれぞれ七〇デシベル以上のもの
2 一耳の聴力レベルが九〇デシベル以上、他耳の聴力レベルが五〇デシベル以上のもの
3 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が五〇パーセント以下のもの
4 平衡機能の著しい障害

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なんともそっけない表現で、”障害者か否か”という基準が定められています。

聴力というのは、みなさんも経験があると思いますが、オージオメータというキカイを使って検査しますね。「防音室」という小部屋に入って、ヘッドホンから音を聴く検査です。

ちなみに、この検査は「標準純音聴力検査」といって、自然界には存在しない”純音”の聴こえ具合によって聴力を調べるものです。

 

「聴こえ」というのは、本来、場所や状況、音源の種類(人の声やモノの音など)によって変化するものなので、「純音」の聴こえ具合で決められてしまうのは、何か違和感がありますよね。

 

福祉の先進国として名高いスウェーデンでは、10年ほど前の古い資料ですが、16歳以上の人のうち14.1%、つまり、何とだいたい7人に1人に聴覚障害があるという統計調査結果があります。一方、厚生労働省によると、同時期の日本では18歳以上の「聴覚障害者」は約27万6千人いたそうですが、この人数の18歳以上の人口に占める割合は、たった0.3%にも満たないのです。(1,000人に3人?)

※参考:「スウェーデンの聴覚障害者」(第一生命研究所Life Design REPORT 2010.10 研究開発室:水野映子」より引用

 

”スウェーデンは特別に耳の悪い人が多いんだ〜”と納得してはいけません。

そんな訳はないのです。日本では「聴覚障害者」とは「身体障害者手帳を持っている人」を指します。障害者手帳をもらえるのは、前述した基準で認められた人に限られるのです。

(我々「片耳難聴者」は数に入っていません。)

つまり、スウェーデンと日本で「聴覚障害者」の割合にこんなに大きな差があるのは、「聴覚障害者」とする基準に大きな差があるからなのです!!

 

スウェーデンでは日本のように「聴力」で区切られた「聴覚障害者」という概念はないそうです。

 

ということで、いきなり大きなカベに突き当たってしまった訳ですが...。

今自分が置かれた状況を冷静に把握して、これからどうするのか考えるしかないのかなぁと思う次第です...(^^;

 

昨年書いたこちらの投稿もぜひご覧になってください...↓↓。

 

 

 

 

 

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