ゴルフ直線打法 -29ページ目

尻で振る「核心打法」

「回転イメージ」を具体化する「新回転打法」の導入で(「新回転打法」と比較する)(07-12-30))、腰の回転と背骨の回転の動きの組み合わせで、ごく簡単に「ホーガン打法」が実現できることが分かりました。こうなると面倒な「核心打法」で振る気になれません。

ところがこれは間違いで、「核心打法」は更に簡単なイメージで振れるのです。その上、その結果のすばらしさを知れば、逆に「新回転打法」を使う気がなくなります。腹で振る「新回転打法」に対し「核心打法」では尻で振るのです(「尻で振ると腹で振るの違い」(07-12-26))。

その基本は緊張した脚腰の構えで、これは「マジック・グリップ」で実現します(「脚腰の固定=「マジック・グリップ」」(07-12-27))。このスイングの動き全体を背骨の反射的な動きが支えます(「動きの限界で体は自然に方向転換」(07-12-28))。

以上の仕組みから、「左尻の緊張でバック、右尻の緊張でダウン」、これだけで「核心打法」の全ての動きが実現します。極度に簡単で、しかも結果は極めて安定しています。こうなると、残るのは尻の緊張で肩を振る動きの確認だけになります。

その要点は、「尻で振る」動きを実現するのは、足の「螺旋」の動きであるということです。

「尻で振ると腹で振るの違い」に書いてあるように、「螺旋」の動きは、骨盤背部下端部分と仙骨(背骨の下端部分)の下部前面とを大腿骨上端背部に繋ぐ、深層外旋六筋の緊張が脚を外側に回す動きで生まれます。これは強力な動きです。これで膝が外側に引かれ、これに逆らって踏ん張る膝から下の下腿の動きが「螺旋」の動きを生みます。

そこで、左尻を固めて生まれる左脚の緊張でバック、この動きを受ける右脚の緊張で右尻を固めてダウンに入ります。この転換の過程で自動的に肩の方向転換の動きが発生し、無意識の中に例のオーバーハンド型の右腕の動きが現れます。これと共に左尻の緊張も生まれ、両足の「螺旋」の動きが、引き出されている背骨をもとの位置に引き戻すように踏ん張ります。

この動きは強力で、アドレスで固めた「マジック・グリップ」を引いて確実なインパクトを生み出します。

「左尻の緊張でバック、右尻の緊張でダウン」、これだけです。早速試して納得して下さい。

「新回転打法」と比較する

「核心打法」の特徴を明確にするには、これを別の分かり易い打法と対比して動きの特性を理解するのが効果的です。対比する打法としては、その仕組みが「モダン・ゴルフ」で詳しく議論されているホーガンの打法が考えられます。ところが、「モダン・ゴルフ」にあるのは細部の動きの説明の集積で、これらを生み出す体全体の動きの仕組みは明確ではありません。

これではホーガンの打法が何なのかは簡単には捉えられません。結局大きな動きは各人の勝手な解釈で作り、その細部を「モダン・ゴルフ」に書かれている動きで固めることになります。これは「核心打法」との比較の対象にはなりません。この困難を避けるため、ホーガンの重視する腰の回転の動きを主体とする打法の構造を確定することを試みます。

これについては既に「尻で振ると腹で振るの違い」(07-12-26)で、「腹の動き」、「胸の動き」の話がありますが、これは不完全なものです。その前の「「スイング面」 の仕組みを考える」(07-12-24)での、「胸」、「腹」、「肩」、「尻(骨盤)」のスイング・センターを中心とする回転的な動きの話も不十分なものです。

そこで「回転」の動きを中心にして、スイングの腕を振る仕組みを作り上げてみます。これまで「回転打法」として様々なものが知られていますが、今回提案するのは、左は左右、右は上下という平面的な「革命的イメージ」の代わりに、左は左右の回転、右は上下の回転という立体的な「回転イメージ」を具体化するものです。

腰(骨盤)を右左に回して左腕を振ると、右に左にと平面的に回転する腕の動きが現れます。これに対して右前腕の引き上げ引き下ろしで右腕を振ると、背骨が右に回る動きで引き上げられ、左に回る動きで引き下ろされて左に振り抜かれます。この「腰(骨盤)の回転」(脚の動きによる)と「背骨(腰椎)の回転」(腹の動きによる)の合成でスイングの動きを作ります。

左手の親指を右手の平で握り、「腰(骨盤)の右回転」で腕を右に回して振り、次いで「背骨(腰椎)の右回転」で振り上げます。ここから右腕を固めたまま「腰(骨盤)の左回転」で腕を左に向けて引き、その限界で、「背骨(腰椎)の左回転」で右腕を引き下ろして振り抜きます。こうして出来上がる打法を、一般の「回転打法」と区別して「新回転打法」と呼びます。

「回転イメージ」を具体化する「新回転打法」では、腰と背骨の動きの時間的順序を意識して試せば、すぐにフル・スイングの動きが納得できます。難しいことをあれこれ考えなくても、これで「モダン・ゴルフ」の教える動きが全て実現することが分かります。

この「新回転打法」では、腕が常に体に引きつけられて振られます。特にインパクトではグリップが体に引きつけられて振り抜かれます。これに対して「核心打法」では常に脚が地面を押し、グリップがヘッドを押すように腕が伸びて振られます。違いは明瞭です。

「右肘の固め」の重要性

「核心打法」の実現の決め手の一つは「右肘の固め」です。成功した二人の場合には、この点の指摘が決定的に影響しました。何故、この一見些細な点がそれ程大切なのでしょうか。

右肘の固めが緩むと、バックで右肘が引き込まれ、右前腕に外側に回る動き(回外)が現れます。このことを確認してみて下さい。これで右腕全体が外側に回る「反魔法型」の動きに入ります。これと共に「マジック・グリップ」も消えてしまいます。

ホーガンは「モダン・ゴルフ」で、バックは肩の右回転で始まり、これにより腰の右回転が引き起こされ、これが左脚を右に引き込むとしています。しかし、この肩と腰の回転の動きは、以前に胸と腹のスイング・センターを中心とする動きと見たものです(「「スイング面」 の仕組みを考える」(07-12-24))。

これらの動きの実態は、腰(骨盤)の右回転と、これに続く背骨(腰椎部分)の右回転の動きが生み出す、背骨を右に回す動きだと思われます。これらの動きを左右逆転するとダウンの動きになります。

ホーガンは、左腕はバックスイングの間中真っ直ぐに保たれ、これに対して右腕は肘の所で折りたたまれると書いています。しかも右肘は前後の動きはせず、体に引きつけられながら常に地面方向を指すとしています。実際にこの構えで背骨を右に回すと右上腕が外向きに回り、「反魔法型」の動きに入ります。

こうして到達するトップから、腰の左への引きと回転でダウンに入るとしていますが、このダウンの動きは骨盤の左回転が生みます。これで右肘の体への引きつけが現れ、ヘッドが外側に回って引き下ろされます。インパクトでは背骨(腰椎)の左への回転が左肘を体に引きつけ、左前腕を回外し右前腕を回内します。この左腕の動きが例の左前腕のスピネーションです。これでインパクト後の一瞬だけ両腕が伸びます。

結局常にクラブを体に引きつける動きでてボールを打ちます。これに対して「マジック・グリップ」で右肘を固めれば右肘が外側に張り出し、この体勢でクラブを振れば、尻の踏ん張りで肩の回転が現れて「深いトップ」の方向転換が実現します。背骨はこれらの動きに逆らって体を安定に保ち、ダウンでは両腕が伸びてインパクトに入ります。

腰が右に左に動くホーガンの打法とは全く異なる動きです。

以上の観察で、腹と胸のスイング・センターを中心とする動きの内容が明確になり、ホーガンの打法の構造が一段と明瞭になります。同時に「右肘の固め」が「核心打法」の実現にとって如何に重要な決め手になるかも明らかになります。

動きの限界で体は自然に方向転換

体を固めて地球を押すだけでは、その反作用でグリップは上がり続けるのではないか、という根本的な疑問を解く、二つの鍵があります。一つは、この動きでは必ず体に捻れが生まれ、グリップの動きに連続的な方向転換が生まれることです。これは実際に「マジック・グリップ」で腕と脚腰を固めて、グリップを脚の踏ん張りで上げてみれば確認できます。

残る問題はバックからダウンへの方向転換と、ダウンからインパクトへの方向転換です。これには一方向への動きの限界で現れる反射的な動きが生む、危険回避の動きが利用できます(参考資料)。膝の固め方が決める動きの安定保持の限界で、足首と膝に方向転換の動きが発生します。動きの途中で膝を固めることでこの方向転換が生まれることも試せば納得できます。

これらの事実から、動きの方向転換を発生させるには、そこで膝を固める必要があることが分かります。これで「深いトップ」への動きでの方向転換や、ダウンの極限での方向転換も、膝を固めることで力強く実現することが分かります。特にダウンの極限では「上体を右に回す」が明瞭に現れ、腕を左へ引きます(「「自然落下」や「遠心力」の迷信を突き破る」(07-12-21))。

知人の奥さんに、まず脚腰を固め、左腕を伸ばして肘を固め、右肘を固めて限度一杯にトップへの動きを実行し、左へ振ることなく体の右側で振り切ることを勧めた結果、素晴らしいショットが出始めたのは、「マジック・グリップ」による「核心打法」の要点がこれらの脚腰の動きで尽くされていたからです(「「核心打法」は誰にも使える!」(07-12-06))。

これでスイングの動きには難しい説明が不要になりました。後はこの要領で実際にボールを打ち、新しい動きの世界を経験し確認するだけです。これを実行するか否かは貴方の自己責任(?)で決めて下さい。

参考資料;J. Baker, Supraspinal Descending Control: The Medial "Postural" System, FUNDAMENTAL NEUROSCIENCE, Zigmond et.al, ed, ACADMIC PRESS, 1999, pp. 913-930.

脚腰の固定=「マジック・グリップ」

スイングでは手や腕と並んで脚腰の動きが大きな役割を果たします。ところが、脚の動きを作り出す筋の数は多く、関節をまたいで繋がる仕組みのためにその動きは極めて複雑です。更にこの脚と腰や背骨の繋がりもあり、これらを一々考えていると実際の動きは作れません。

一方漠然とクラブを振ると、無意識の中に脚腰の動き、特に膝の動きに癖が出ます。長い間にはこれが体全体の動きに癖を生み、影響がスイングに現れます。飛ばしの意識が先行し、一旦良いスイングと思い込むとその動きをひたすら繰り返して完成を目指します。しばしば、腰を大きく動かして勢いをつけて振る、という考えに取り憑かれます。

こうして、複雑に動く腕を脚腰の複雑な動きで振ることになり、無数の不確定要素を含む問題の解を手探りで求める旅に出かけます。その結果、多くの人は一生かかっても納得できるスイングに到達しなくなります。この困難を解消する最高の知恵は、ゴルファーは地球を押してその反作用でクラブヘッドを押している、という基本的な事実の認識です。

「マジック・グリップ」を固める話の時に出ましたが、アドレスの構えを作り「マジック・グリップ」でクラブを握り、両肘を伸ばしてグリップを固めると、膝に緊張が生まれます。これをしっかり実行してみると、腕を固めることで脚腰の緩みが消え、両足がしっかり地面を掴む体勢に固まることが分かります。

当然背骨にも緊張が生まれ、脚腰背骨が一体化して、脚が地面を押す動きで腕がクラブヘッドを押す体勢が出来上がります。この体勢でクラブを振れば、無駄な動きの全く無い最小限の体の動きでスイングが実現することになります。これでクラブの動きを作る目的意識に添うヘッドの動きを追求すれば、難しい筋の動きの仕組みを知らなくてもスイングが作れることになります。

昔のヒッコリーのシャフトの時代は、ヘッドを押す動きではボールは打てませんでした。今の固いシャフトクラブでは、この動きでなくては力強くボールは打てないのです。結局、脚腰の踏ん張り方を調節することで、ヘッドの動きを追求すればよいことになります。締まった脚腰の体勢では可能な動きの形は限られ、少し動きを調整するだけで良い動きに到達します。

知人ともう一人の知人の奥さんが、「マジック・グリップ」の利用で即座に見事なショットを出すようになったのはこのことの証明です(「画竜点睛:足の「螺旋」でグリップを引く」(07-11-27)、「核心打法」は誰にも使える!(07-12-06))。

ホーガンの「モダン・ゴルフ」は、クラブを引いてボールを打つ打法を教え、その結果いろいろ難しい話で一杯です。休みなく練習を重ねられる人には、これでもよいスコアを確保する可能性はありますが、普通の人にはこれは望めません。一方我々には、地球を押すだけではグリップは上がり続けるのではないか、という根本的な疑問が残っています。これについては次回に。

尻で振ると腹で振るの違い

前回(07-12-26)の話は、自分の体感的理解に基づいたごく大まかなものでしたが、スイングに関係する主な動きとして、「尻の動き」と「腹の動き」による回転的な動きが登場していますしかし、尻の動きが生む回転とは何でしょうか。「腹の動き」による回転とは何かも、考えてみるとはっきりしません。

はっきりしない動きがある時は、地球と体の動きの関係に注目するとその実態が見えて来ます。「尻の動き」は足の「螺旋」の動きに、「腹の動き」は足の縦の軸周りの「回転」の動きに対応します。そこで、これらの動きがどのような仕組みで生み出されるかを見ることにします。

「螺旋」の動きは、骨盤背部下端部分と、仙骨(背骨の下端部分)の下部前面とを、大腿骨上端背部に繋ぐ深層外旋六筋の緊張で、脚を外側に回す動きが生むと考えられます。これで膝が外側に引かれ、これに逆らって踏ん張る膝から下の下腿の動きが「螺旋」の動きを生むと考えると、実際の体感と良く対応して動きの仕組みが納得できます。これが「核心打法」のバックのスタートの動きを生みます。

次ぎに「回転」の動きですが、これは骨盤全部下端を大腿骨に繋いで膝を内側に巻き込む内転筋の緊張で、膝が外側に張りだすように大腿骨が動くことで生まれる、と考えると納得できます。たしかにこの動きで、腹が右を向くように腰が動きます。腹が正面向きに引き止められながら上体が右に回る「螺旋」の動きとは全く異なります。

このように見ると、「尻の動き」では確かに腰の背中の尻の辺りが緊張して「上体を右に回す」動きが現れ、頭(顎)が前向きに保たれるのに対して、「腹の動き」ではこれに続いて「胸の動き」が現れて頭(顎)も右に回ることが分かります。

大分面倒な話ですが、「尻の動き」では背中が踏ん張って胸が抵抗し、「腹の動き」では胸が素直に右に回って背中が左を向きます。これでバックの動きの特徴がよく理解できます。結局、「腹の動き」は右に回る「胸の動き」を生み、「尻の動き」は背中を緊張させて「肩の動き」を引き起こし。これらの動きが腕を振ることになります。

日本人は「腹」で動きを作る意識を持ちやすく、背中を反らせて歩く西欧系の人とは、動きの基本的なイメージに違いがありそうです。実際、交互にぺたぺたと足先部分を床に着け、腕を左右に振って歩く日本人の歩き方に対し、西洋人は踵をぺたっぺたっと床に着けて背筋の伸びた背筋の活動する動きになります(「歩行動作と脚の使い方:強力なダウンの前提」(07-06-10))。

これがあるとしても、今回の話で動きの実態が納得できれば、背中の緊張を利用する「核心打法」の動きも簡単に実行できるのではないでしょうか。次回には、これらの複雑な動きを一気に統合する話を書きます。

「スイング面」 を支える背骨の動き

前回の話「「スイング面」 の仕組みを考える」(07-12-24)で、スイングを支える背骨の動きの構造が明瞭になりました。「核心打法」では、腹のスイング・センター中心の動きに胸のスイング・センターを中心とする逆方向の動きが対応し、その限界で固まった背骨を通して尻の動きが肩の動きを引き出し、これで腕が振られます。

「マジック・グリップ」で、一貫してヘッドを押す形の腕の動きで振ることで、これらの動きが実現できます。この動きでは脇が締まる形の腕の動きは現れません。

これに対して「反魔法型」のバックスイングでは、腹のスイング・センターを中心とする動きが腕を振り、続いて胸のスイング・センターを中心に同方向に回る動きが腕を振り、その終期に尻(骨盤)の動きの方向転換で一瞬背骨の捻れの動きが現れ、続くダウンの動きで腹のスイング・センター周りの動きが同方向の胸のスイング・センター周りの動きを生んで腕を振ります。

これらはトップに続く方向転換の動き以外では、一貫して同方向に回る動きになり、ダウンの腹のスイング・センターを中心とする動きに続く胸のスイング・センターを中心とする動きで、上腕が脇を締める形に体に引きつけられて左へ振り抜かれます。

動きの構造をこのように捉えると、「核心打法」では腰と胸が正面向きに保たれてインパクトに入り、「反魔法型」のスイングでは、腰も胸も左に回ってインパクトの動きを実現することが分かります。これらの動きの特徴は、「核心打法」の足の「螺旋」の動きに対する「反魔法型」の足の「回転」の動きに現れ、フィニッシュで足の裏が見えるような動きが見られます。

この足の前後の軸周りの「回転」の動きがあると、足が地球を押す動きが上体を左に回す動きに使われ、腕の強力な引き下ろしと左への引き抜きの動きに効果的に働かなくなります。飛距離方向性共に不利な動きになり、若くて体力のある間は良くても、加齢と共に影響が現れて来ると考えられます。

タイガー・ウッヅのような優れたゴルファーの、左の脚腰の踏ん張りを動画で見るのも参考になると思います。今回の観察は自分の体感的理解に基づいたごく大まかなものですが、これでもスイング面のイメージを生む体の仕組みにいろいろな型があり、スイングの動きに優劣が生まれる様子は窺えると思います。

「スイング面」 の仕組みを考える

腕の振りが描く平面的な動きが「スイング面」のイメージを生むと考えると、これについての早い時期での議論が、「新パラダイムの本質:腕と背骨の動きの繋がり」(06-04-27)にあります。この話では、腕の振りが、腰椎周りの動きによる低いスイング・センター周りの動きの面から次第に胸椎周りの高いスイング・センター周りの動きの面に上がると見ています。

更に「「背骨の正面」を固定するダウン」(07-05-17)から「スイング実行イメージ:完成版?」(07-05-19)では、鳩尾(みぞおち)や尻の先端の動きが登場しています。これらは何れもいわゆる「スイング面」の構造に関係する動きですが、まだ本質が掴み切れていない感じがします。そこで最近の「核心打法」の検討結果と対比して見直してみます。

「マジック・グリップ」で両肘を伸ばして構えると、ここからの「核心打法」の動きは、一貫して一つの平面上で腕が振られ、この面上をダウンしてインパクトの直線的な動きに繋がるという動きの感覚になります。これはみぞおちの辺りにある、胸のスイング・センターを中心に振られる感じの動きです。この動きは、反対方向の腹(腰椎)のセンター周りの動きに繋がります。

バックの終期の「深いトップ」への動きは肩のスイング・センター周りの動きを生みますが、これは骨盤が腰(骨盤)のセンターを中心に肩と反対のダウン方向に回る動きに繋がります。

このように見ると、胸のスイング・センターを中心とする動きに、腹のスイング・センターを中心とする動きが逆らい、肩のスイング・センターを中心とする動きに、尻(骨盤)のスイング・センター周りの動きが逆らって、バックスイングが実行されていることが分かります。

続くダウンスイングでは、尻のスイング・センター周りの動きがトップからの方向転換の動きを生み、腹のスイング・センター周りの「上体を右に回す」動きが、胸のスイング・センター周りの動きを生んで腕が振られることが分かります。結局、スイングの大きな動きは胸のスイング・センターを中心とする動きになることが分かります。

この「核心打法」の動きに対し、伝統的なグリップで肩と腕の「反魔法の動き」に入るスイングでは、まず腹のスイング・センターを中心とする動きでバック、続く肩のスイング・センター周りの動きでトップに入り、これに対し尻のスイング・センター周りの動きが引き出され、この動きを引き戻す下腿の動きが、尻のスイング・センター周りの動きを生んでダウンに入ります。

この動きで肩が引き戻され、肩のスイング・センターを中心とする動きで腕がアドレスの体勢まで腕が引き下ろされ、腹のスイング・センター周りの動きで左に振られ、これがいわゆるシャフト・プレーン上のクラブの動きを生みます。インパクトで前腕を左に回す動きを加えれば、ホーガン型の動きになります。バック、ダウン共に、全ての回転的な動きは同方向になります。

このように見ると「魔法型」と「反魔法型」のスイングの仕組みの違いが明瞭になります。

グリップが悪いと肘を痛める?

左手にクラブを握って前回(07-12-22)のグリップの実験の動きを試し、それぞれのグリップの仕方でクラブを振ってみます。これで安定に振れるように動きを固め、次の実験に進みます。

次ぎに、それぞれの握り方でクラブを振り、地面の上にボールがあると思って、これを打ち抜くように振り抜いてみます。「マジック・グリップ」で振ると、ヘッドが地面の上を滑って行きます。これに対して「反マジック・グリップ」、すなわち「反魔法型」の腕の振りになる伝統的なグリップで振ると、ヘッドが一点で地面を掘る動きが現れます。ダフリです。

ダフリでなくても、直線的な走りの区間は短くなります。その上無意識のままこの振り方を繰り返せば、やがて肘に故障が起きる可能性があります。これを避けるには、ヘッドが地面に降りる時に、前腕を左回りに回してヘッドを加速する必要があります。例の「左前腕のスピネーション(回外)」です。

これは言わば手先の動きで、これで安定なインパクトを確保するには練習が必要になり、絶え間ない練習が要求されることになります。その上この前腕の動きで左上腕が体に引きつけられ、左腕を引く大きな筋(広背筋)の強い働きは利用できなくなります。難しいだけでなく、パワーの確保も出来難いものになります。

結局「マジック・グリップ」で、脚が地球を押す動きを利用して腕を伸び伸びと伸ばし、左前腕だけでなく左腕全体が左に回る動きで振るのがお勧めということになります。しかし自分で試してみる以外には善し悪しの判断は出来ません。簡単な実験で様子は分かりますから、とにかく試してみて下さい。

ここまで来ると「スイング面」が気になってきます。これについては次回に。

左手の握り方がスイングを決める!!!

今回はスイングの動きを決定する、左手の握り(グリップ)について書きます。これは既に「マジック・グリップ」が出来ている人も、是非読んで下さい。

まずクラブを持たずに問題の動きを確認します。立って左手の平が真っ直ぐ伸びるように腕を伸ばします。これが中立の姿勢です。ここから左手の平が右下方向に回るように左前腕を内側に回しそこでグリップの形に手を握ります。グリップを固めれば伝統的な左手のグリップが出来上がります。

ここから左腕を右に振ります。丁度バックのスタートの感じです。この動きで左腕が内側に回ります。「反魔法型」の動きです。この動きで体重が右脚に移動します。これを確認して下さい。

次ぎに始めの体勢に戻り、再び左手の平が真っ直ぐ伸びるように腕を伸ばします。ここから左手の平が右上方向きに回るように左前腕を外側に回し、手を握って左のグリップを固めます。ここから左腕を右に振ると、左腕が外側に回り、左膝に緊張が生まれます。これが左腕の「魔法の動き」でのバックのスタートです。背骨が左脚に繋がるのが分かります。

この左手の握りが、左手の「マジック・グリップ」の形です。この簡単な実験で、左前腕を中立の位置から内側に回して握るか外側に回して握るかで、左腕の動きが「反魔法型」から「魔法型」に代わり、これに伴ってスタートの足腰背骨の動きに違いが生まれることが分かります。この一見小さな動きの違いがスイングの動きを決定的に変えるのです。

右腕の場合は、これらの左前腕の動きに対応する動きとして、前腕を外側に回すと「反魔法型」、内側に回すと「魔法型」の動きになります。しかしこの左手に右手をグリップで繋ぐと、右腕の動きが「魔法型」でも左腕の動きは「反魔法型」のままになります。これがインターロッキング型のグリップの場合の動きになります。

一貫して肩と腕の「魔法の動き」で脚腰背骨の緊張を保って振るには、この左手の握り方が決定的であることが分かります。「核心打法」の動きが納得し難かった人は、この「マジック・グリップ」の固め方を確認してみて下さい。「マジック・グリップ」を固めると、左肘が外側に張り出し、左脇下には空間が生まれます。

左肘を内側に引き込む構えで左肘を痛めていた知人の奥さんが、肘を外側に張るように直して右への体重移動を止め、トップに向けてしっかり右肘を引き上げるようにしたただけで、目覚ましいショットを見せた話は前に書きました(「核心打法」は誰にも使える(07-12-06))。左手のグリップが変わり、全てが改善されたわけです。

今回の簡単な実験で、ゴルフ・スイングの最高の謎が誰にも解けるようになった筈です。