ゴルフ直線打法 -15ページ目

肩を大切に

嘗て四十肩を経験しました。その後遺症として左の肩胛骨を動かすとごりごりとした感覚の動きになります。これはもう固定した感じで諦めていました。ところが最近体力の低下と共に、どうも体の左側に痛みを感じるようになってしまいました。

こうなると悲劇で、動きが全く鈍くなります。腕の動きには影響がなくても、体をじっとしているだけで痛みを感じます。注意して肩と腕を引っ張る動きをしてみると、少し良い感じになります。

今頃になって、体の痛みの研究をする必要に迫られても、あまり喜べません。ゴルフを永く楽しむには、若い頃から無理をせず、常に肩や腕の動きを円滑に保つ心掛けが必要です。

H.A.の弁明

有名な「ソクラテスの弁明」に響きを合わせた、今回のタイトルです。もちろん、H.A.は筆者のイニシアルです。

そこで、此の弁明で何を言おうとするのかというと、「核心打法」の大改訂「左でバック、右でダウン」を導入した理由です。あるいはむしろなぜ始めに「核心打法」を、ダウンをも含めて腰椎の右回りの動きを続ける形で定義したのか、ということです。

そもそも、此のシリーズでの努力は、ベン・ホーガンの「モダン・ゴルフ」の影響からの脱却に向けられてきたのです。このため、左腕の動きを主体とするスイングの構成にこだわることになりました。ホーガンはもともと左利きで、このため「モダン・ゴルフ」の議論も左腕の動きが中心で、これに比べれば右腕の動きの説明はほとんど無いと言えます。

そこで、腰椎の左回りの動きのダウンも始めは考えたのですが、結局これを止めて左腕の動きを主体とする腰椎右回りの動きでのダウンとなったのです。ところが、右腕を高く上げてその場でダウンの動きを振る動作は、左腕の動きが現れる前に右腕を振る動きなのです。すなわち、この動きで即座に成功を経験した人たちは、ダウンを右腕の振りでリードする方法を体得したのです。

此の動きを強力に実現するには、右脚の上で腰椎が左回りに回る動きに入る必要があります。これで胸椎部分が右回りに回りながら左に張り出す動きが現れ、ダウンの腕の振りが実現するのです。これは、右から左に打っていくという意識によく対応する動きで、極めて自然な感覚で左への直線的な振り抜きが強力に実現します。

この動きの実現を支えたのが、「マジック・グリップ」で固めた両腕の体制です。ホーガン流の伝統的なグリップではこの動きは実現不可能だったのです。

どうでしょう。この程度の弁明で納得して戴けたでしょうか。此の弁明が納得できなくても、実際にクラブを振ってみれば、弁明の内容はたちどころに理解して戴けると思います。これでいろいろ不自由な動きの説明を考える必要が無くなりました。

バックは左、ダウンは右

今日は「核心打法」のイメージの大改訂(?)を提案します。なにぶん目下体調不良の極ですから、この提案もそのつもりでお読み下さい。

これは、バックは左腕で振り、ダウンは右腕で振るとい簡単なものです。これまでも経験して来た、体の右側で腕をフライング・エルボウ風に高く上げ、そこから一気に縦に振り下ろして左に振り抜く、という動きのイメージをそのまま受け入れることに過ぎません。

それではこれまでの「核心打法」のイメージと同じではないか、と思われるかも知れませんが、実はこの動きを支える脚腰の動きのイメージに、変化があるのです。

バックを左体重で実行する時の背骨の動きは、腰椎を左に引く形の動きになります。これまでの「核心打法」ではこのままの背骨の動きを維持してダウンと考えて来たのです。これに対して、「バックは左、ダウンは右」の動きでは、「深いトップ」への動きで、右の背骨の腰椎部分を右に引く動きに入るのです。

これにより、腰椎部分の右への引きにより胸椎部分が左に引かれ、頸椎部分が右に引かれるという、右脚体重の背骨の回旋運動に入ります。右脚体重で上体が左回りに回る動きに入るのです。

こんな面倒な話はご免だと思われる人は、とにかくバックは左脚を軸に右に回し、ダウンは右脚を軸に左に回すと考えて振ればよいのです。

これで改訂版「核心打法」ができあがります。簡単な話です。

タイガーも「核心打法」?

さて今日の朝日新聞朝刊に、タイガー・ウッズのバンカーショットの写真があります(2008年6月18日13版16ページ スポーツ面)。この写真の左の腕と手の形は、まさしく「核心打法」でドンと打ち抜く時の構えです。

これを見る中に何か思い当たることがありました。それはウッズが本番のリハーサルで見せた動きです。これを眺めると、ダウンからインパクトに入る動きを経てフォローに入る様子が明瞭に見えました。ダウンからの連続的な動きでインパクトを振り抜く、という以前の動きとは確かに違います。

今回のリハーサルの動きを見ると、ダウンに続いてインパクト、これを抜けてフォローという動きの感覚が伝わって来ました。結局、今朝のバンカーショットの写真で、このインパクトの打ち抜きの腕の動きが「核心打法」の動きに一致することがわかったのです。

以前の彼の連続写真を見慣れた目からは、これは意外でした。しかし、これでプレー・オフを争った両者が、ともに「核心打法」のインパクトであったことがほぼ確実視されることになりました。

我田引水もここまで来ると、目を覆いたくなると思われるかもしれません。そこで、以上の観察結果をひとまず仮説として提示したいと思います。ご検討下さい。

よく考えてみると 

2008年USオープンでプレー・オフに持ち込まれた優勝者決定戦は、結局1ホール後のサドン・デスでウッズの優勝が決まりました。痛む脚を引きずってのウッズの健闘はさすがのものでした。

しかし45歳という年齢でここまで戦った、ロッコ・メディエイトの健闘にも注目すべきです。われわれ普通のゴルファーは、あれよあれよという間に加齢の影響に支配されて十分なプレーができなくなり、結局はやばやとゴルフを諦めるという例は後を絶ちません。

このことを考えると、中年の星ロッコ・メディエイトのゴルフのスタイルに十分注目すべきです。これは「核心打法」のための我田引水の議論ではありません。

USオープンでの発見

2008年USオープンの模様をテレビで見るうちに、一つだけ「発見」がありました。3日目前半一時トップに立ち、最終日にタイガー・ウッズと同点で終わり、プレー・オフに入った今年45歳のロッコ・メディエイトの左腕の構えです。

彼の左前腕は、肘が内側に引き込まれてグリップが左に引かれる、「マジック・グリップ」による「核心打法」の構えと同じものです。実際のスイングでも、両腕が一体化して振られ、コンパクトな動きでボールを打ちます。動きに無駄がありません。

此の動きで安定なショットを打ちます。ところが、飛ばす気になって大きく振ると、腰の動きが現れてショットが不安定になります。これで折角のリードを帳消しにしたのが3日目の後半です。

結局最終日にウッズと同点に終わり、プレー・オフに持ち込まれたのです。その結果がどうなるか。ウッズの大きな動きに引き込まれなければ、かなり頑張れるのではないでしょうか。

「螺旋」の動き再論

前回には「螺旋」の動きに関連して、頭を左右に振らないように直線上を歩くという訓練法の話を書きました(「加齢の影響を考える」 (08-06-13))。ところがこれをあれこれ試してみると、意外に難しいことが分かりました。そこで今回はさらに基本的な方法を考えてみます。

「螺旋」の動きというのは、ワインの瓶を左手で支えた右手で栓抜きの取っ手を握り、これを左回りの動きで引き抜く時に踏ん張る足の動きで、これをイメージ的に「螺旋」の動きと呼んだものです。ところがこのイメージでも動きの本質は見えて来ません。

より基本的なのは、腕に力を入れて仕事をする時に、体の動きを地球に直結させて支える動きということです。このことを理解すると、「螺旋」の動きの確認法として、同じ重さの重いダンベルを左右の手に握って真っ直ぐ引き上げる動きを試せばよいことが分かります。これで、此の動作に伴って膝の伸びによる頭の上下の動きが伴うことがわかります。

頭の左右の動きはなく、まっすぐ上下するのです。この「螺旋」の動きは、重いクラブを体の前で直線的に引き抜く瞬間にも現れることが理解できます。実際に現在のアメリカで行われている、U.S.オープンの上位で活躍する選手のインパクトを見ても、一瞬体が正面向きに固定して体が伸び上がるるのが見られます。

そこで左右の手に握ったダンベルを真っ直ぐ引き上げる動きを試してみると、これで体が地球にしっかり結びつけられて左右対称の形に固定されることが確認できます。これは頭を左右に振らずに直線上を真っ直ぐ歩くという動作よりも、遙かに簡単確実に背骨の動きを含めて確認できます。

簡単な実験ですから試して見てください。日々のデスクワークで自然に身についた体が左右非対称なる癖も、これで簡単に修正できるかもしれません。

加齢の影響を考える

世の中では年齢差別が大きな問題になっています。これを人ごとのように考えているゴルファーは危険にさらされることになります。若い頃に目の覚めるようなショットを打っていた人が、しばらく経つと信じられないようなつまらないショットを見せるようになるのです。

特に目には確実に老化の影響が現れ、これでパットが入らなくなります。プロゴルファーでも、若い頃には信じられないような長いパットを決めていた人が、ごくごく普通のパットになり、これに伴ってめざましいスコアも出なくなります。距離感の衰えもあるのでしょう。

さらにゴルファーが注すべき点としては、スイング動作の左右非対称性の影響です。これが日常生活での体の動きにも影響を現します。普通の歩行動作でも頭が左右に振れやすくなるのです。

「核心打法」の場合には、同じ「螺旋」の動きでも、実際のスイングでは膝の動きの影響で左右の足の働きに違いが生まれます。此の影響もあらかじめ考えておかねばなりません。

足の動きに左右の非対称性が出ると歩く時に頭が左右に振られる、ということが分かっていれば、これに対する対策も見えて来ます。日常の歩行で頭を安定に保って直線の上を歩く動きを心がければよいのです。これで「螺旋」の動きの基本型が確保でき、体の安定な動きが確保できます。

とにかく、加齢の影響は様々な形で現れます。ゴルフの競技は公平を旨とすることが特徴です。ツアーでもシニアの競技が行われるのはこのためでしょう。これは高齢者をいじめる年齢差別ではありません。この精神を社会生活全般に行き渡らせる必要があるでしょう。

体の前でヘッドを真っ直ぐ引いてみる

スコアを崩すのは、飛距離不足よりも方向性に問題があるようです。これはあまり飛ばないプロでもよい成績の人がいるのをみればわかります。前回の話「オーバー・ザ・トップの対策に潜む誤解」 (08-06-11)もこれに関係したものです。

それでは方向性を確保するにはどうすればよいか。これは重要な問題ですが、此の問題を難しく考えてしまうか、あるいは全く山勘に任せて振っている傾向があるように見えます。この問題の解決の方法は簡単です簡単です。体の前の地面の上でヘッドを真っ直ぐ引いてみて、その時の動きの仕組みを確認すればよいのです。

このためには右腕と左腕の動きをそれぞれに検討する必要があります。そこでまず右腕一本でクラブを握り、これでヘッドを体の前の地面の上で右前から左の前まで真っ直ぐ左へ引いてみます。この時どちらの脚が踏ん張るかを確認します。実際に此の動きをしてみると、右脚が踏ん張って右足が地面を右に押すことがわかります。

次に左腕一本でクラブを握り、同じように体の右前から左前にまでヘッドを引いてみます。この時は左脚が踏ん張って左足が地面を右に押します。左右いずれの場合も、反対側の脚は腰の左回転を引き止める仕事をします。それぞれの動きを、同じ形の背骨の踏ん張りが支えます。

これらのことが確認できたところで、片腕の場合と同じ要領で、ヘッドを体の右前から左前まで真っ直ぐ引いてみます。この場合に、グリップを伝統的な握りから、「マジック・グリップ」に変えて引いてみます。これで二つのグリップで両腕の伸び方の違いが確認できます。

これだけの実験をしてみると、これまでの「核心打法」の話の要点が、はっきり見えてくるはずです。

オーバー・ザ・トップの対策に潜む誤解

トップから直接ボールに向けて振る動きのことをオーバー・ザ・トップの動きと呼んでいます。この動きでダウンに入ると、いわゆるアウトサイド・インの軌道で振ることになります。この動きではインパクトの腕の使い方で、右にも左にも飛ぶことになります。

この動きを直すためにいろいろな方法が考えられていますが、とにかくヘッドをインサイド・アウトの軌道で振ればよいという考えが浮かびます。その結果、これを具体化するには右腕を左腕より内側からればよい、ということになります。

ところが此の動きで振ろうとすると、腰の左回しで振ることになります。これを忠実に実行するという意識が、多くのゴルファーに腰の左回りの動きで振る癖を生み出すことになります。

これに対して「核心打法」では、野球のオーバーハンドで投げる動きのように、上から下に向けて体の右側に振り下ろします。此の動きでヘッドの直線的なインパクトの強力な生まれることは、既に繰り返し詳しく説明してきた通りです。

安定して上位を保つアメリカの女子プロ、ロリーナ・オチョアのスイングが、体の右側で振り下ろす形であることは、既に触れた通りです。これに対して腰の左回転の動きで振る、宮里藍プロや上田桃子プロが苦戦をしていることも最近の話題です。

オーバー・ザ・トップの動きで振ることの対策として、腰の左回しの動きで振ることには、大きな危険が潜んでいることが感じられます。