ゴルフ直線打法 -14ページ目

ゴルフをあれこれ考える

「直線打法」では、平らなライの上から真っ直ぐ飛ばすスイングを考えて来ましたが、全米女子オープンの最終日に選手のスコアの出入りの激しさを見ていると、ゴルフは矢張り確率のゲームだと思い知らされました。風の流れ、フェアウエイの形、ハザードの配置など、いずれも単純な予測では済まされません。

確率のゲームとなれば、もともと何でも賭で考える国民性の国で盛んになったのも納得できます。これらの外的要因の変動以外に、体の動きは機械のようなものではなく、常に少しずつの変動を示します。結局ゴルファーは確率的な動きをする体という仕組みを使って、目的に適した動きを生み出そうとしているのです。

数学は大嫌い、確率などの面倒なものは考えたくないと思うゴルファーも、どこかで確率的に狙いを決めてボールを打っているわけです。これは確率など考えたくない投資家と同様です。しかし、良いスイングの動きを決めるには、確率的に見ても良いものを考える必要があります。

というわけで、「核心打法」の仕組みの追求には、かなり意図的に確率風の考え方が使われて来ています。しばらくこの探求方法の開示を進めてみます。お役に立つように、なるべく具体的に話を進めるつもりですから、毛嫌いをしないで、時々は眺めてみて下さい。

スイング面とは何だろう

ゴルフの基本的な指導書と見なされて来た、ベン・ホーガンの「モダン・ゴルフ」で、一番目につくのは「スイング面」の解説です。

両肩に掛かって先端がボールと目標地点を結ぶ直線、目標線を含む平面です。バックスイングではこの平面の内部を通って、バックスイングの最終場面でこの平面に沿うようにクラブを運び、ダウンスイングでは、僅かにインサイド・アウト方向に傾くダウンスイング面に沿って振り下ろすというものです。

タイガーのコーチとしても知られるハンク・ヘイニーは、これに対してアドレスの位置でのシャフトと目標線を含む平面、しばしばシャフト・プレーンと呼ばれるものを基本として、スイングの進みと共にこれが平行に上下する連続的な平面の繋がりでスイング面を定義しています。

著名なゴルフ教師デビッド・レッドベターは、シャフト・プレーンから出発してこれが次第に傾斜を強め、ここから振り戻して振るという湾曲した平面をシャフト・プレーンとしています。

こうしてみると、分かっているようで分からないのが「スイング面」の実体です。これらに対してスコットランドのゴルフの家系に生まれ、アメリカに渡ってゴルフ教師としてゴルフの科学を論じたセイモア・ダンの書物では、右脇前に木の杭を立てて置き、これを打ち込むようにトップからクラブを振り下ろせとしています。

どうやらこの右脇前にクラブを振り下ろすとうのが、古くからの飛ばし屋の基本的な要領のようです。これは両肩に掛かる「スイング面」のイメージからは生み出せない動きです。

全米女子オープンの感想:続

今日はスイング面について考えてみようと思っていたのですが、テレビの全米女子オープンの模様が目に入ってしまいました。スイッチを入れた時、目前で横峯さくらがパットに入る所でした。

バーディー確実と思われる近距離でしたが、頭がボールの行方を見るように回り、これを外してしてみすみす目前のバーディーが消えてしまいました。これで問題点が明瞭になりました。フル・ショットの後で上体が左に回るのは自然ですが、パットで上体が回るようでは問題になりません。

これに対して上田桃子のキャディーのすばらしさには、目を見張らせるものがありました。パットに入ると上田の頭の安定保持を確認します。あるいはスイングに入る前にはギャラリーに静粛を求めます。これでは、3日目に9位タイに食い込んだ上田の成績も納得できます。

さてもう一つの収穫は3日目にトップを争い2位に終わったポーラ・クリーマーのスイングです。彼女はまだ21歳とのことですが、目の前で見る彼女のダウンスイングでは、クラブが急激に直線的に引き下ろされてインパクトに入る動きが見られました。

このダウンの縦の引き下ろしの速さは大変なものでした。まっすぐ縦に引き下ろして左へ振り抜く、これが現在のスイングの主流の動きであることが確認出来た次第です。この観察結果が納得できるものかどうかは、自身で確認してみてください。

全米女子オープンの感想

インターネットで全米女子オープンの成績表を見ました。宮里、横峯、上田の三選手の活躍振りが目に入ります。初日宮里、横峯両選手は71、上田選手は72で終わっています。しかし横峯選手の二日目は振るわず75という成績に終わっています。

宮里、横峯の話が出ると、何年か前にスバル自動車の修理待合室で眺めたゴルフ雑誌の写真を思い出します。二人のスイングの高速分解写真で、これを見るとインパクトの平坦な動きの区間が、横峯の方が大分長く感じました。

この時以来、横峯選手の活躍を期待していたのですが、どうやらこの他にも問題があるらしく、なかなか期待道理の結果は見られませんでした。かなり良い線まで行くのですが、急に失速する例があるようです。

こうしてみると、ゴルフの動きの複雑さが感じられます。なかなか経験だけでは進めないように思われます。スイングの動きの構造を確定し、その要素要素の動きを確認し、更にこれらの組み合わせの動きを確認するという、科学的なアプローチ以外に確実な進歩は期待出来なさそうです。

われわれ普通のゴルファーも、しんどくてもこの手順で進む以外にスイング改善の確実な方法はないわけです。

「核心打法」のインパクト:左脚の動き

「バックは左腕、ダウンは右腕」のイメージで振る「核心打法」では、右脚荷重の腰椎の左回転でダウンの腕の振りに入ります。これで右脚の動きは固まりますが、その時左脚がどのように動いているのかは分かりません。

ところがこの右脚の動きで、右腕を体の前で左に振るには、腰の左回転を引き止める必要があります。このためには左膝を内側に引き込んで腰の左への回転を止める体勢に入ることが大切です。ここで左膝が外側に開くと、腰から上が簡単に左に回ってしまいます。

デビュー当時の石川遼プロのダウンの画像では、インパクトで左足の外側に体重が掛かる形で足先がめくれています。これが起きると打球の方向確保が難しくなる筈です。現在はどうなっているか注意して観察する必要があります。

「核心打法」のインパクト:再論

「バックは左腕、ダウンは右腕」という「核心打法」のイメージでは、「深いトップ」から一気にボールに向けてクラブを振る動きに入るのではという感じがします。

ところがこれは間違いで、実際にクラブを振ってみれば、体の右側でクラブを引き下ろし、そこからボールに向けてインパクトという動きになることが分かります。

この場合、左腰の上で振る古い「核心打法」のイメージでは両肘の間がが狭まって腕が伸びるのに対し、両肘が左右に広がって振られる形になり、遙かに安定で強力なヘッドの左への直線的な振りが実現します。

こうして、フライング・エルボウのような形で両腕が伸びる「深いトップ」の体勢から、体の右側で一気に腕を振ってインパクト、という動きで成功した人々の動きが安定に実現することになります。この動きのすべてが自然に確保されるわけです。

更に問題になるのは、左脚の動きです。これについては次回に。

「核心打法」のインパクト:正しい動きは?

「バックは左、ダウンは右」という「核心打法」では、インパクトの動きはどうなるのでしょう。当然右腕だけで振れるものではありません。インパクトの動きは、「左が引き、右が押す」形になります。

これはごく自然な動きですから、実際にウェッヂを「マジック・グリップ」で握り、このイメージで振ってみればすぐ納得できます。実に簡単に思った所に向けてボールを打つことができます。この動きでは両肘が外側に張り出す力強い腕の体制に入ります。

ここでさらに面白いことが分かります。この動きでは自然に右脚の踏ん張りが現れます。結局これで、右脚の上で腰椎を左に回す動きに入ります。

こうして小さなインパクトの動きでも、「核心打法」の神髄に迫る動きが会得できます。大なるが故にフル・スイングの動きが尊い、というわけではありません。

良いパットでは頭が動かない 

永らく不振を続けていた宮里藍プロがWegmans LPGAで6位に入りました。これは例のロレーナ・オチョアと同じ順位です。

初日にトップに並んだというテレビの報道で、一瞬彼女のパッティングの様子が映し出されました。この時の印象はボールが走ってしまうまで頭が全く動かないということでした。これを見てパットの良さが納得できました。もっとも、これもたまたま目に入った場面だけだったのかもしれませんが。

皆さんのパットは如何でしょう。ボールを打つ動作と共に、ボールの行方を追う動きが出るのではありませんか。これがある間は、パットの成果は安定しません。優れたプレーヤーでも、比較的楽なパッティングで一瞬気が緩むとこの動きが出ます。これで確実視されていたバーディーが、消えてしまうのです。

「深いトップ」の切り返しに注意

「体の前で右に振り左に振る」という動きのイメ-ジは簡単ですが、この場合にもバックからダウンへの動きの切り返しが必要です。

この切り返しは、腰の右回りの動きから左回りの動きへの切り替えの動きです。

この様に切り返しの動きの構造を考えると、丁度野球のピッチングでオーバー・ザ・トップの動きで振る時の右腕の動きと同じになります。これは以前からの「深いトップ」の切り返し動作と同じになります。

これだけ出来れば、「体の前で右に振り左に振る」イメージ通りの動きで「核心打法」が実現します。

体の前で腕を右に振り左に振る

バックを左脚軸の腰椎の右回転で振り、ダウンを右脚軸の腰椎の左回転で振る、という「核心打法」のイメージが生み出す動きを、腕の振りで捉えると、「体の前で腕を右に振り、体の前で腕を左に振る」という動きになります。

これでごく自然に、体の正面を前向きに保って腕を振るスイングが実現します。

このことが分かると、縦の直線上を進みながら腕を振る、というこれまでのイメージが間違いであったことが分かります。

スイングは矢張り、体の回転の動きの効果的利用で実現するものなのです。

ただしこれは、腰を左に回し切って腕を振るダウンとは異なります。あくまでも体の正面を前向きに保ったまま、腕を右に振ってバック、左に振ってダウンという動きです。体の正面が固定していなくては、クラブの振られる方向も固定しないのです。