ゴルフ直線打法 -16ページ目

「核心打法」の精密イメージ

「核心打法」には、「上体を右に回す」という、一見奇妙な動きがあります。ところが、これを体感的に分りやすく捉える方法があります。

実は「核心打法」では体の不要な動きが限度一杯に排除されており、このためクラブを握ったゴルファーの重心の動きが極度に少ないのです。

このことから、「魔法の動き」でクラブを振る上半身の動きに対して、下半身はこれとバランスするように動くという、カウンターバランスの動きをする筈だと考えることができます。

こうなると、上体が肩と腕の「魔法の動き」で動けば、これとバランスする形の下半身の動きが現れ、これで背骨の自然な動きが現れて腕の振りを支えるものと期待できます。

実際にこのように考えると、腰椎が左に引かれて「上体が右に回る」動きを支えることが納得できます。この感覚を試してみて下さい。

「核心打法」の意外(偉大?)な働き

左手を「マジック・グリップ」で握り左腕で外向きに押す「核心打法」のインパクトの動きの偉大な働きを体感的に経験しました。

庭にはびこるススキの根を刈り取ろうとして、小型の鍬(くわ)を握り、その刃先をススキの根元めがけて振ったところ、簡単に跳ね返されてしまいました。

ここで突然、「核心打法」の「マジック・グリップ」で腕を外向きに押す動きを思い出し、これを使って鍬を横向きに振ってみました。すると、左腕で引く普通の振り方では簡単に跳ね返された鍬の刃先が、しっかりとススキの根元に食い込みます。

これに力を得て、打ち込みを繰り返す中に、さしも頑強だったススキも根元から刈り取ることができました。「芸は身を助ける」ことを痛切に実感した次第です。

石川遼プロの予選落ちに学ぶ

全米オープン最終予選で石川遼プロはメジャー大会出場の機会を逃しました。特に1ラウンド前半では、ショット、パット共に安定せず、4番から連続ボギー。7番ではティーショットを林に入れてダブルボギー。という成績でした。しかし4オーバーの大地ラウンド目とは違い、2ラウンド目は5アンダーでした(朝日新聞2008年5月27日スポーツ欄)。

これについて石川プロは「気持ちだけで9打も違う」と説明したとのことです。しかし、気持ちだけでというのは、成績の原因の捉え方としては不十分で、更に納得できるスイングの動きの構造的把握が必要と思われます。

「右肩と左肩の動きに注意」(08-04-21)では、「下手なゴルファーが観戦記を書くのは不遜の極みと叱られそう」と断りながら、石川選手の動きを観察した印象として、「最初に目を惹かれたのは、不要な体の動きの全くないパッティングのリハーサル風景です。思わず近くにいた仲間に、これではパッティングは好調疑いなしと予言しました。これは当たりでした」と書いています。

更に「次ぎに目についたのは、両腕を伸ばし切る体勢でインパクトを実行し、スッと縦に上がるフィニッシュの動きに繋がるアイアン・ショットの動きで、これでグリーンに運ぶ短いショットでの成功を予感した」と書いています。

ところが、「ドライバーでは腰と上体の左回転でインパクトを振り抜き、クラブを水平の位置に担ぐフィニッシュです。方向性の確保が難しいのではと感じました」と書き加えてあります。最終日迄の結果からは、これらの推測がほぼ当たっていたように見えます。

このように見ると、「世界的なゴルファー青木プロの「ベタ脚打法」を参考に、ダウンの右脚の踏ん張りを強めれば、その他の技に優れる石川プロが世界に羽ばたく日も近いのではないでしょうか」という前からの見方が依然として成立するように見えます。

インパクトのヘッドの動きを考える

インパクトを強く振り抜くことだけを考えるとヘッドの動きを考えずにクラブを振り回すようになります。アウトサイドからインパクトに向けて引き込むように振る例外的な場合を除けば、インパクトのヘッドの動きは、右から外に向けて振り出しながら引き込む円周状の動きになります。

この動きの半径が短くなると、当然インパクトでボールを目標方向に打つ確率が下がります。フィニッシュのクラブの動きを見ると、半径が短い場合にはクラブを天秤棒のように両肩の上に担ぐ形になります。半径が長いとクラブが体の前から縦に振られて背中に斜めに入ります。

何年か前に家の近くのコースでツアーの競技がありました。その合間に子供達のスイングをプロが見る時間がありました。ここに集まるのは日頃からレッスンを受けているちびっ子達のようで、意気揚々とクラブを振っています。大抵の子は胸を目標方向に向けて反り、クラブを両肩の上に担ぐように振っています。

近くの打席に入った子供もこのスタイルです。ところが、これを見たオーストラリアの若いプロがこの動きを止めて、クラブは前を向いて体の前で振り抜けと教えたのです。子供は一瞬驚いたようですが、すぐに言われたように振っていました。この振り方では目標方向を向いてクラブを肩の上に担ぐ姿にはなりません。

日本の多くのプロは目標方向を向いてクラブを水平に担ぐ所まで振っているように見えます。これと縦に振り抜くプロとの成績を比較してみるのも面白いのではないでしょうか。

「核心打法」では、体の右側で振り抜く意識の動きになり、構造的にインパクトは真っ直ぐ振り抜く形になります。念のため。

肩は縦に回る!

「「背骨の正面」を固定するダウン」(07-05-17)では、「核心打法」の場合、外から見ると左に回っているように見えるインパクトの体勢が、実は尻の先端を目標線と平行に保持する動きであり、この場合の肩や腰の動きは、肩を「縦に回す」動きになっていると指摘しています。

実はこの「肩を縦に回す」動きは、左右の肩甲骨の動きが生み出すもので、この動きが「上体を右に回す」動きを引き出します。このように考えると、この「肩を縦に回す」動きは、「「背骨の正面」を固定するダウン」(07-05-17)で述べているように、「核心打法」に目を入れる「画竜点睛」の動きになるわけです。

右の肩甲骨を背骨に引きつけ、左の肩甲骨を前に引き出す動きで肩の「魔法の動き」が現れます。ところがこの動きを詳しく見ると、バックでは右肩甲骨上部を背骨に向けて引き、左肩甲骨の下部を前に引き出す動きになり、「深いトップ」の方向変換の動きで、右肩甲骨下部を背骨に引きつけて肩を引き上げ、左肩甲骨上部を前に引き出して肩を引き上げる動きになります。

肩の「魔法の動き」で、一貫して右肩甲骨が背骨に向けて引かれ、左肩甲骨が前に引き出されるのは変わりませんが、活躍する部分が、右が下、左が上に転換するのです。この転換がないと、グリップは高く引き上げられません。

しかし、こんな動きを意識すると、肩や腕の動きがこわばって、腕が振れなくなる危険があります。これを避けるには、バックのスタートからインパクトの振り抜きまでを、ひたすら右腕は内側に、左腕は外側に回し続けて実行すればよいのです。途中で動きを止めてはいけません。

この右腕を内側回し回し続け、左腕を外側回しに回し続ける動きが、肩と腕の「魔法の動き」であり、これが生み出すのが、「肩を縦に回す」動きなのです。ところが、この肩(肩甲骨)の動きは、「上体を右に回す」足腰背骨の動きの支えがないと実現しません。「肩を縦に回す」動きはまさしく「核心打法」の「画竜点睛」の動きなのです。

再確認:右腕がヘッドを引き左腕が押すインパクト

「核心打法」の練習振で、ヘッドがマットを強く打つダフリを経験している人は、「秘伝:右手は引き左手は押す」(08-02-23)の次の記述の内容を確認してみて下さい。

「左手の親指を右手の平で横から握って「マジック・グリップ」の体勢を作り、グリップを右脇前に押し出すように両肘を伸ばしてみて下さい。右手が引き、左手が押す形の手首の動きと共に、ハンドルを左に押す固い腕と手の動きが実現します」

「この両手の動きを意識しながら、重くて固いクラブを「マジック・グリップ」で振ってみて下さい。難しい脚腰の動きを考えなくても、ヘッドが急激に左へ振り抜かれる筈です。ここで右手が押しの動きに入るとダフります。左手が引きの動きに入るとトップします」

物の見方に気をつけよう

本来の仕事が忙しくブログは休みと書きましたが、今朝目が覚めた時の面白い経験が気になり、忘れない中に書き留めて置くことにしました。

ベッドの上で脚の力を抜き、体を右に回し左に回しすると、腰も肩も大きく右に回り左に回って腕が振られます。ところが、踵をベッドに押しつけて固定し、同じように腕を振ろうとすると、体がこれに逆らうように動くのです。

実はこれが「核心打法」のダウンで現れる、一見不可解な「上体を右に回す」動きの実態を示すものなのです。

立って膝を緩めて腕を右に振り左に振る動きを作ってみて下さい。腕を右に振る動きでは、腰が右に回り更に肩が右に回ります。そこから腕を左に振る動きでは、腰が左に回り更に肩が左に回ります。そこで両膝を固めて腕を右に振り左に振ってみて下さい。今度は脚腰が上体を逆方向に引いて腕を振ります。

地球の存在を忘れると、動きの見方も変わってしまうのです。物の見方に気をつけないと、同じものでも逆に見えるのです。

スイングの動きの作り方:完全決定版

マクリーンは1992年にX-Fctorを導入して以来体の動きの数量化に努めてきたが、体の動きの役割についての混乱は、以前にも増して増加いていると書いています(「ジム・マクリーンのTriple-X Factor」(08-04-30))。ここでの基本的な問題は、体の動きとクラブを振る腕の動きとの繋がりです。これが確定されなくては、体の動きの効果が決まりません。

「核心打法」の基礎は、右腕の内側捻りと左腕の外側捻りで腕を固める、肩と腕の「魔法の動き」です。これと「マジック・グリップ」で、クラブを体の動きに緩みなく繋ぐ仕組みが確保されます。この仕組みを使って求めるヘッドの動きが生まれるように、体の動きを作ればよいのです。この体の動きは、地球を掴む両足の「螺旋」の動きを利用して、脚腰背骨の動きの働きで実現します。

こうして「核心打法」の場合には、体の全ての動きがヘッドの動きに変換されます。こうなると、唯一の残された問題は、体の動きの作り方になります。ここで決定的な見方を提示します。

体の動きを作るには、肩と腕の「魔法の動き」で発生する体のバランスの崩れを修正するために働く神経系の自動的な働きを利用し、これが引き出す脚腰背骨の動きを積極的に利用するのです。

結局、肩と腕の「魔法の動き」で動きをスタートさせ、これで発生する体のバランスの乱れを修正する自動的な脚腰背骨の動きを利用してクラブを振るのです。これで自然に只一通りの動きが現れます。このように捉えれば、動きの転換点で「魔法の動き」を意識的に加えるだけで、後は自然な足腰背骨の動きで強力なヘッドの動きが確保できることが分かります。

頭を安定に保つ足腰背骨の反射的な動きの利用については、既に「膝の動きの重要性:続」(08-02-16)以後の様々な場所で触れています。今回の議論は、これをバック、引き上げ、方向転換、ダウン、インパクなどの全ての動きのパワー発生源として、積極的に捉えることを提案するものです。

始めは分かりにくいかも知れませんが、クラブを握って素振りをし、それぞれの転換点で「魔法の動き」を意識的に加え、これに続くヘッドの走りを体感すれば納得できると思います。むやみに体を動かしてクラブを振るのは無意味であることが分かります。これでマクリーンを悩ませた体の動きの問題は解消します。

一旦この動きの作り方が納得できれば、フル・ショットの動きだけでなく、小さな部分的ショットでも利用できます。必要な所でダウン方向にグリップを向ける方向転換の「魔法の動き」でブレーキを掛け、続く「魔法の動き」で両腕を押し伸ばすダウンに入れば、最後に強力なインパクトの動きに入ります。実際のショットで確認すれば、ダウンの両腕の押し伸ばしの効果が実感できます。

ものの考え方を追うという本来の仕事が忙しくなり、しばらくブログはお休みにします。

ジム・マクリーンのTriple-X Factor

マクリーンのX-Factorについては、「腕を振るのは肩の回転ではない」(08-03-03)と「「肩を回せ」は大問題!」(08-03-15)で触れました。腰と肩の回転角の差をX-Fctorと呼ぶマクリーンの話では、これで何が測れるのかが問題になり、この点の曖昧さを問題にしたわけです。

彼は三十年間体がスイングで何をするのかを研究して来たと言います。1992年に初めてX-Fctorを導入して以来、体の動きの数量化に努めて来たにも拘わらず、現在(2008年)スイングに於ける体の動きの役割についての混乱は、以前にも増して増加いているという認識を示しています。
(http://www.golfdigest.com/instruction/swing/2008/01/mclean_xfactor)

そこで、X-Factorの考えを更に拡げ、ダウンでX-Factorを拡大する動き、インパクトの腰の引き上げの動きを含め、更にインパクトで頭を左に回す回転の動きまでを含めてTriple-X Factorに発展させたと言うのです。(これまでの一般的な見方では、インパクトで頭を左に回すのは、ジム・フューリック(Jim Furyk)のように特殊な動きをする人の特徴です)

ここで更にマクリーンによる次の論説の存在に気がつきました。
(http://ezinearticles.com/?The-Modern-Golf-Swing&id=621366)
これはマクリーンによる現代ゴルフの解説で、最近の計測技術の利用で古い時代のゴルフの名手には捉えられなかった動きの内容も明瞭に捉えることができるようになったこと、これがゴルフ産業の営利のために利用されていることが指摘されています。

この話の最後に、こんなこととは無関係の時代に育ったサム・スニードが、空前絶後の成績を収めているではないかと話しています。そこで、このサム・スニードのスイングがどのようなものであったかが見られる動画をインターネット上で探してみました。

これを見た印象で特徴的なのはダウンの右足の踏ん張りで、その結果インパクトの瞬間頭は正面向きに固定されています。これに対してマクリーンのダウンの画像では、右足が爪先だけを残して浮き上がる形になり、頭が左に回っています。こうなると、マクリーンの捉えるインパクトの動きと、スニードの動きとは全く異なるように思われます。

これも「目が人を騙す」の例でしょうか。マクリーンは彼の学園の15000人の生徒との仕事と、ツアー・プレーヤーのスイングの解析の結果に基づいてTriple-X Factorを開発したと言います。しかしこれらの事例は、良いスイングの動きを代表しているとは言い切れません。結局われわれは、自分で動きの構造を確認し、その結果で納得する以外に方法はないと思われます。

そうなると、Triple-X Factorの追加で、動きの実用化は一段と難しくなります。次回には、この混迷からの脱却法を提案します。

ダレン・クラークのテークアウェイの動き

ヨーロッパツアーで活躍し日本でも優勝の経験があるアイルランド出身のプロゴルファー、ダレン・クラークのスイングの動きを示す分解写真がインターネット上で見られます。
(http://www.darrenclarke.com/ism/sites/clarke/swing.shtml)

これを眺めると、テークアウェイの動きの最後のポジションの体勢を見ることができます。その形は、丁度「テークアウェイに要注意」(08-04-25)に書いてあるように、シャフトが水平の位置から30度程上がっています。

この時、脚腰背骨の動きは固く締まって頭は正面向きに保たれ、両腕の動きは「魔法の動き」を保っているように見えます。上体が右を向くように回る時の「反魔法型」の動きは見られません。「核心打法」の参考になるかと思い紹介しました。