子どもたちの自己肯定感を高める方法

 

この記事では、不登校やひきこもりのお子さんに関わる親御さん向けに「自己肯定感」についてお伝えしています。

 

自己肯定感の重要性は、いたるところで取り上げられます。この記事では自己肯定感とは何か、そしてその必要性はどのようなものがあるか、また高める方法についてお届けします。

 

こんな方におすすめです!

・自己肯定感について知りたい

・自己肯定感が高いと何がいいんだろう?

・自己肯定感を高めるためにどうしたらいいだろう

 

お子さんが自分のことを受け入れることで、今の状態から一歩踏み出すことが行いやすくなります。そのために周りのサポートでできることは何かを一緒に考えていきましょう。

自己肯定感について知り、

お子さんへのサポートに活かしてもらえたら嬉しいです!

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️児童期から青年期のカウンセリングを得意とする

 

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

▶︎自己肯定感とはなんだろう?

自己肯定感とは「自分は自分でいいんだ」と受け入れる感覚のことを言います。他人と自分を比べて自分の立ち位置を見出すのではなく、ありのままの「自分」を大事にすることにつながります。

 

自己肯定感が高いことで、他者の目を意識しすぎない状態で、物事を進めることができます。いわゆる「自信がある」と言われる方は自己肯定感が高いと言えます。

 

自己肯定感が高い人の特徴

▫️自分は自分、他人は他人と思う力が強い

▫️自信を持って物事にチャレンジすることができる

▫️自分を主語に物事を進めることができる

▫️できないことよりも、できているところに目を向けられる

▫️いろんな立場に立って物事を考えることができる

▫️落ち込むことがあっても、時間と考え方に変化を与えることで乗り越える力がある

他者は他者、自分は自分と思うことができるため、あまり周りの意見に左右されず自分がやりたいと思ったことに果敢に取り組む姿勢が見られます。

 

うまくいかないことがあっても、「どうやれば乗り越えられるだろうか」と考えまたチャレンジすることができます。

 

一番の特徴は「他者の目を気にしすぎない」ことです。自分の思いを大事に物事を進めるため、達成感も得られやすく、活動的になります。

 

子どもたちの場合は自己肯定感が高いことで学力やスポーツの面で成果を出すことが多くなります。

 
自己肯定感が低い人の特徴

一方で自己肯定感が低い子どもたちの特徴は以下のものです。

▫️他者と自分を比較することで自分の立ち位置を見る

▫️主体的な行動を取ることが苦手

▫️行動できず後悔することが多い

▫️完璧主義、2分割思考(善か悪か)など極端な考え方に走りやすい

▫️チャレンジすることが苦手

特徴としては周りの目を気にしてしまい、一歩を踏み出すことに躊躇してしまう傾向があります。このことにより学力にも影響を及ぼします。「いい点数を取れないならテストは受けない」という極端な思考になることがあります。

 

▶︎実は低い日本の若者の自己肯定感

 

平成26年に文部科学省が発表した調査(「高校生の生活と意識に関する調査」における国際比較)によると、「私は、自分自身に満足している」の質問に対して「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は、調査対象となった国の中でも最下位になっています。

 

日本の高校生は、他国と比較しても自己肯定感は大幅に低い状態です。つまり全体的にチャレンジすることが苦手で、周りの目を気にしてしまう傾向が強いことが示唆されます。

 

一般的に不登校やひきこもり状態にある子どもたちは自己肯定感が低くなりやすいです。皆が学校や就労してときに自分だけできていないことに自信を失う傾向があります。

 

一方で、自己肯定感が低いため、他者と自分を比較し劣等感を強く持ち、そのことが要因の一つとして不登校やひきこもりになる、ということも考えられます。

 

この調査が行われたのは今から10年近く前ですが、この10年の間に小中学生の不登校数が2倍以上に増えたことを考えると、「自己肯定感が低い」ことが不登校の要因の一つであることは高い確率で言えるでしょう。

 

▶︎子どもたちの自己肯定感を高めるために親にできること

では、低くなっている自己肯定感を高める方法としてはどのようなことが考えられるでしょうか。自己肯定感について考える際に気を付ける点は、自己肯定感は「自分だけで高めるのが難しい」という点です。

 

他者と比べないようにしよう、チャレンジしよう、と言われても、それがすぐにできるわけではありません。そもそもですが「自信を持とう」と言われて持てるのであれば誰も悩みません。

 

お子さんたちの自己肯定感を高めるためには、本人の気づきだけではなく、周りからの声掛けも大きなきっかけになります。自信は自分だけで得られるものではないのです。

 

そのため親御さんたちが行う最初の一歩は「お子さんをありのままに観ること」です。

 

まずは周りから比較をやめる

勉強ができていない、スポーツが苦手、ピアノの練習をしない、この評価の中には「他の同級生たちと比べてしまっている」ことが挙げられます。「他の子に比べて」が枕詞としてついているのです。

 

無意識のうちに言葉の端々に「比較」の言葉が表れています。まずご自身の言葉がけについて見直すことを考えてみましょう。

 

その上で、この子ができていることは何だろう、という視点でお子さんをもう一度観るようにしてみましょう。ただ「見る」のではなく観察するように「観る」のです。

 

「でもつい比較してしまう」と思う方は、「過去のお子さんと今のお子さんを比較」するようにしてみましょう。生まれた頃のお子さんは立つことも話すこともできませんでした。しかし今お子さんは走ることもできるし、親に言い返すこともできます。

 

これとて大きな成長です。他者との比較ではなく、過去のお子さんとの比較という視点を持つようにしてみましょう。

 

過去のお子さんと比べたとき、今のお子さんにはたくさんの違いがあるはずです。どんなお子さんも必ず成長しています。成長した部分に目を向けてみましょう。

 

言葉に出して伝えることを忘れない

評価というのは言葉にしないと相手に伝わることはありません。心の中で思っていてもそれが伝わることはないのです。大袈裟に褒める必要はありません。「褒めるのが苦手」とする方も多いですが、褒めるのが苦手な方は「感謝を伝える」ことを意識してみましょう。「助かったよありがとう」の一言だと言いやすいのではないでしょうか。

 

自己肯定感は一日で高まるものではありません。日々の言葉がけの連続の中で「自分も誰かの役に立っている」と感じられることが徐々に育んでいくのです。

 

【不登校でよくある「あるある家庭編」については👇をご覧ください】

 

▶︎お子さん自身ができること

 

 

お子さん自身ができることについてもお伝えします。自己肯定感が低いお子さんは「完璧主義」「思い込み」「深読み」「0か100思考」が強いことが挙げられます。

 

これらを「無くす」のではなく「緩める」発想を持ちます。例えば完璧主義であれば「全部を完璧にするのではなく、これだけはというものに力を注ぐ」というようにです。

 

思い込みが強い場合は「事実と主観は何か」と考えるようにします。紙に書き出して整理するといかに思い込みが強かったかということがわかるようになります。

 

自分の考え方の「くせ」を知ることによって、考え方の偏りに気づくことができます。物事の捉え方に変化を与えられるようになると「完璧じゃなくてもいいか」と思えるようになります。

 

このように考え方の幅が広がると、違う視点から自分のことを見つめ直すことができます。そうなったときに「自分も頑張ってきたことがある」と気づけるようになります。

 

▶︎本当の自己肯定感とは自己肯定感が低い自分も受け入れること

ここまで自己肯定感が低いお子さんの傾向や、親ができること、そしてお子さん本人ができることについて見てきました。

 

最後にあえてお伝えしたいのは、本当の自己肯定感とは「自己肯定感が低い自分のことも受け入れられること」です。

 

「自分は自己肯定感が低いところがあるな」と受け入れることが、実は本当に自己肯定感が高い状態になります。なぜなら「ありのままの自分を受け入れること」が自己肯定感がだからです。

 

この記事をお読みいただいている方やお子さんたちは、自分には自信がない、と思われている方多いと思います。

 

しかしそう思えている時点で、実は自分のことをよく観ているのです。ありのままの自分を観ることができているからこそ自信がないことに落ち込むことができます。

 

あとはその評価の視点を変えてみることです。本当に自分はできていないのか。お子さんには何の成長もないのか。視点を変えて比較対象をお子さん本人にすることで見え方が異なります。

 

自信がなくてもいいのです。それを逃げずに直面している時点で、もうチャレンジは始まろうとしています。あとはほんの少し、見方を変えてみましょう。きっと違う自分の側面にも気づけるようになります。


【不登校のお子さんとの向き合い方はこちらもご覧ください】

 

▶︎なかなか難しそうだな、と思った方へ

「でも子どもたちに伝えるのは難しいな」「うちの子にはなかなか思いが伝わらないな」と思われた方もいらっしゃると思います。

 

そんな方のために当事業所が存在します。お子さんに自信を持った生活を送ってほしい、お子さんのために親としてできることをしたい、そんな思いを持たれている方は、一度無料カウンセリングをご利用ください。お子さんとの向き合い方のヒントを掴んでいただけたら嬉しいです。

 

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■-Profile-■
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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習サポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 

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