現在日本全国の小中高のほとんどにスクールカウンセラーが配置されています。お子さんが学校に行きづらくなったとき、勉強の課題があるとき、生活面で心配があるときに、スクールカウンセラーに相談することを検討されることもあると思います。
今日はスクールカウンセラーとの上手な付き合い方についてお伝えします。
この記事でわかること
▶︎スクールカウンセラーの役割
▶︎上手な活用の仕方
▶︎引き継ぎの際にやっておくこと
▶︎スクールカウンセラーとは?
スクールカウンセラーの主な業務
スクールカウンセラーは具体的にどんなことをやっているのか、疑問に思われる方も多いと思います。
文部科学省では、"スクールカウンセラーは、1~7のような児童生徒が抱える問題に学校ではカバーし難い多くの役割を担い、教育相談を円滑に進めるための潤滑油ないし、仲立ち的な役割を果たしている。 "としています。
【スクールカウンセラーの主な役割】
1. 児童生徒に対する相談・助言
2. 保護者や教職員に対する相談(カウンセリング、コンサルテーション)
3. 校内会議等への参加
4. 教職員や児童生徒への研修や講話
5. 相談者への心理的な見立てや対応
6. ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応
7. 事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア
この中でみなさんが関わる場合は、1.と2.の場合ですが、実は児童生徒さんや、保護者の方の相談というのはスクールカウンセラー業務の一部なのです。
相談がないからと言って暇なわけではなく(実は結構忙しいです)、気になる生徒さんがいるクラスの巡回や、休み時間や給食の時間、掃除の時間などに学校をまわり、生徒さんと関わることもあります。また教職員の先生方の相談も重要な役割です。
心の専門家として、さまざまな相談業務に当たるのがスクールカウンセラーの役割になります。
スクールカウンセラーの役割は、児童生徒さんや保護者の方のカウンセリングだけではありません。先生へのコンサルティングも仕事内容になります。
直接的にスクールカウンセラーと関わりがなかったとしても、実はみなさんの目には見えないところで、先生方に心の専門家としてアドバイスをしていたり、会議に出席して方向性を助言したりもしています。
「スクールカウンセラーに相談してもあまり意味がなかった」というご意見も親御さんからお聞きすることはあります。ただ直接的にアドバイスがなかったとしても、先生を通して間接的にサポートしている場合もあります。
スクールカウンセラーは公立学校の場合多くとも週に1回、少ないと月に1回程度しか学校に来ることはありません。一方で先生方は、毎日子どもたちに接しています。子どもたちへの対応の主となるのはあくまで先生方です。学校の「黒子的存在」としてスクールカウンセラーは存在していると言えます。
スクールカウンセラーは多くの自治体において、準公務員扱いになり、学校の一員となります。しかし先に述べたように多くとも週に1回、多くは隔週から1ヶ月に1度の勤務になるため、学校の一員とは言いながらも、程よく学校と距離が置ける存在でもあります。
児童生徒さんや保護者の方と学校をつなぐ中間的な存在としても位置しています。そのため学校に言いづらいことを相談することもできます。スクールカウンセラーには守秘義務があるため、いじめや子どもたちの命に関わることではない限り秘密は守られます。
学校に言いにくいことも相談し、うまく学校と関わりを持たせる機能も持ち合わせているのです。
▶︎スクールカウンセラーを活用するメリット
スクールカウンセラーを活用するメリットとして、以下のものが挙げられます。
▫️無料で継続的な相談ができる
▫️学校の先生との関わりをスムーズにつなげてくれる
▫️市の相談機関や病院にもつないでくれる
▫️子どもたちにとって学校に居場所的な存在にもなる
民間のカウンセラーは費用がかかります。しかしスクールカウンセラーは、日時が限定されているとはいえ利用は全て無料です。先生方とも密接に関わっているため、活用するのはメリットの方が大きいと感じています。迷われたらぜひ活用いただきたいと思っています。
▶︎スクールカウンセラーの上手な活用方法
1. すごく困ってからじゃないと相談してはいけない、わけではない
2. 心理の専門家としてのアドバイスを受けられる
3. 中立の立場としての存在
4. 秘密を守る存在
5. 定点観測ができる
スクールカウンセラーに定期的に相談することで、期間ごとの定点観測が可能になります。それも親御さんだけが行うのではなく、専門家と一緒に行えるというメリットがあります。
お子さんは1ヶ月、1週間でも何かしらの変化を起こします。定期的に面談を行うことで、お子さんの小さな変化にも気づけるようになります。
相談が多いスクールカウンセラーの場合時間を取るのが難しい場合もありますが、定点観測であれば30分もあれば十分に可能です。短い時間でも活用されることをお勧めします。
6. 繋げる役割
学習に苦手さがみられるお子さんの場合、知能検査を受けることで対応方針が明確になることもあります。
その場合にどこの病院に行けばいいか、検査結果の見方はどのように見ればいいか、という点についても専門機関に繋ぎ、また繋いだ後も連携を取り、アドバイスを受けることができます。
福祉的なサポートが必要な場合も、学校と連携しながら、自治体と繋がり、チームとしてサポートしていきます。
「どうしていいかわからない」「どこに相談していいかわからない」ということがあるとき
にも力になってくれます。
▶︎スクールカウンセラーのデメリット
ここまでスクールカウンセラーを活用するメリットや、活用方法についてお伝えしました。しかしながらもちろんデメリットと言えることもあります。
1. 頻度が少ない
一番の課題と言えるものです。多くの公立の小中、高校において、スクールカウンセラーは多くて週に1回、少ないと月に1回程度しか学校に来ることがありません。
これは各自治体の予算の問題に起因します。本当はスクールカウンセラーさんももっと学校に関わりたいのですが、予算に限界があります。そのため多くの中学校では週もしくは隔週に1回、小学校、高校では隔週から月に1回程度になります。
かつ一回の勤務時間は4時間〜7時間前後というところで、十分な時間とは言えません。そのため一度相談しても次の相談が1ヶ月後になったりします。仕事や病気などでキャンセルになると2ヶ月以上間が空いてしまうことも起こります。
2. 異動問題
スクールカウンセラーも学校の先生と同じように異動があります。異動については、原則年度が明けるまで保護者や生徒さんには伝えられないため、進級してカウンセリングを受けたら違う先生だった、ということが起こります。
せっかく関係性が築けたとしても、また一から築かないといけないこともあります。もちろん引き継ぎはなされているのですが、それでも細かい点については、再度お話しする必要があります。
前の先生には心を開いていたけれど、新しい先生は相性が悪い、ということも起こり得ます。
自治体によっては、他の学校でスクールカウンセリングを受けることも可能ですが、それはレアなケースだと言えます。スクールカウンセラーは代わることもあることは念頭に置いておきましょう。
3. 緊急連絡は基本的にできない
例えば、お子さんのことでどうしても気になることがあり学校に電話をかけてもスクールカウンセラーの勤務日以外の日程だと対応できません。勤務日以外の日程に連絡することは原則できないため、先生に伝言をお願いし、次回のカウンセリングの際に確認するという形になります。
どうしてもすぐに相談したいというときに、臨機応変の対応が難しいことがあります。スクールカウンセラーと個人的な連絡先も禁じられているため、あくまで相談は勤務日に、という形になります。
頻度の問題が大きな課題となりますが、すぐに連絡できないからこそ、問題をじっくりと整理し、検討する時間が設けられる、ということにもなります。デメリットを理解した上で活用することで、効果的な活用につなげることができます。
▶︎スクールカウンセラーに相談する際にやっておくといいこと
ここまでスクールカウンセラーの活用方法について見てきました。私としてはスクールカウンセラーについては、デメリットよりもメリットの方が大きいと感じています。そのためお子さんが在学中の方にはスクールカウンセラーの活用を勧めています。
「一度相談してみようかな」と思われた方は、相談がより充実するための方法についても知っていていただけたら嬉しいです。
1. お子さんの様子についてまとめておく
限られた時間での相談になるため、事前に情報を整理しておくと、早く本題に入ることができます。
まとめておくといいことは以下の内容です。
▫️家族構成(両親の仕事、同居人の数など)
▫️お子さんの生年月日
▫️生まれた頃の状態(体重・身長など)
▫️発語、立ち上がり、歩き出しなどの時期
▫️検診で指摘されたこと
▫️保育園・幼稚園・こども園等で指摘されたこと
▫️親御さんから見た性格
▫️これまでの困ったことについて
▫️現在の困りごとについて
▫️一番相談したいこと(一つに絞らなくても良い)
▫️親の希望(学力を上げたい、落ち着いた生活を送ってほしい、学校に通ってほしいなど)
▫️担任や学校との連携で気になること
▫️病院や専門機関にかかっている場合は、そこでの情報(検査結果など)
これらについて、箇条書きにまとめておくと、これまでの経緯がわかり、アドバイスの判断材料にもなります。
どうして生まれた頃の情報も必要かというと、発達障がいの可能性がある場合において、幼い頃から何らかの兆候が出ている可能性があるためです。そのことを知る材料となります。
これらの情報があるとスクールカウンセラーもより深く細かい相談に乗ることができるので、少し手間かもしれませんが、用意しておくと効果的です。
2. 相談ペースを決める
通常スクールカウンセラーは、多くて週に1回、少ないと月に1回程度になります。一回の相談で問題解決に見通しが立てばいいですが、継続的に活用することで、変化していくこともあります。
そのため、相談の頻度は、定点観測をするためにも、決めておくといいです。とはいえ週に1回は頻度として大変になるかと思います。多くとも隔週に1回、通常は月に1回程度でいいと考えます。
また最初の頃は頻度高く、状態が良くなってきたら、1月に一度から数ヶ月に1度というように間隔を伸ばしていく方法もあります。
共働きの場合、親御さんが時間を作るのも難しい場合があります。無理のない、維持できるペースで考えるようにしましょう。
3. 必要に応じて先生の同席も求める
基本的にはスクールカウンセラーと一対一で相談を受けることが多いですが、担任や学年主任、養護教諭、管理職の先生方に一緒に参加してもらった方がスムーズに進むこともあります。
同席を求めたい場合は、遠慮なく伝えるようにしましょう。日程調整に時間はかかるかもしれませんが、やりくりして対応してくれます。「オープンダイアログ」と言って、お子さんも交えて、当事者と関わる人たち全員が同じ場所で、話し合いを行う方法も近年注目されています。
スクールカウンセラーに尋ねるとオープンダイアログについてもご存知ですので、お子さんの行動面に気になることがある場合は、尋ねてみてください。
▶︎上手に活用して、お子さんにとっての環境を整えましょう
スクールカウンセラーは上手に活用すると、非常に効果が高いものです。「なかなかカウンセラーを活用することに気が引ける」という方もいらっしゃると思います。
心配な点があるときは担任の先生、もしくは管理職の先生に相談してみましょう。不安な点をスクールカウンセラーに伝え、安心して相談できるように配慮してくれます。
学校に心の相談ができる人がいることは、お子さんにとってもプラスに作用します。相談できる人がいるということがお子さんの心の居場所につながっていきます。
迷っている方は、一度相談を検討してみてください。日時については、スクールカウンセラーだよりや、学校に問い合わせることでわかります。
▶︎学校との連携に迷われる方はご連絡ください
■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。
あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市スクールカウンセラーを兼任。
丹波市看護専門学校非常勤講師を務める。
ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。
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